自分
俺は自分が嫌いだ。大っ嫌いだ。
俺は、ヘタレで面白くもなく頭だけがいい奴だ。人には文句を言って自分の欠点など見て見ぬフリをしている大馬鹿者だ。いつもテンションも低い。無駄にネガティブでことあるごとにふてくされる、そしてそのネガティブさにイライラし、余計不機嫌になるという悪循環に陥る。
好きな人には告白したものの、待って、と言われれば会いに行くのが、怖く、自分で適当に理由を作って逃げるアホだ。それで、結果振られる。だが、その人は言った。
「今の状態がキープ出来たらいいな」
と・・・。静かにポツリポツリと歩きながら話をする彼女は、俺のことをそう思ってくれるのだろうか?
嬉しかった。そう言ってくれて。もう、嘘でもよかった。
そして俺は、
「そう」
としか言えず、足早に去った。去ってしまった。
その後、悲しさを誤魔化すように、部活に励んだ。その日、皮肉にもコーチが初めてついて、いい部活が出来た。キツかったけど、きっと俺は無表情だったのだろう。
その夜、俺は泣いた。物語のように静かに涙が流れた訳でも、大声を散らして大泣きして声を枯らした訳でもない。ただ、せいぜい、家族に知られないように、そして、泣いている自分が悔しくてそれに歯向かうように歯を食いしばり、声を出すのを堪えていた。そうしないと、本当に大泣きしそうで・・・。
俺はヘタレだ。自分でいうのもなんだが、本当に憐れだ。本当に、俺は自分のことが嫌いだ。
でも、それでも・・・
人は自分のことを愛さなければいけない。
それは、権利ではなく人としての義務。
俺は決断した。生きたいように生きること、歩みは遅れても、後ろを振り替えっても立ち止まらないことを。
俺は物語の主人公でも、その仲間でも、悪役のしたっぱですらない。でも、今の自分よりもっと強く生きていきたい。
その為に、俺は自分を好きにならないといけない。
俺は自分が嫌いで、自分を好きにならなければいけない。
小説が好きな自分、
ゲームが好きな自分、
ヘタレな自分、
ノリの悪い自分、
ビビりの自分、
思い付くことを言えばきりがないが、それら全てが自分ということを理解した上で俺は自分を好きにならなければならない。
だいぶっつうか全部実話です。
エッセイだから当たり前だって?