花に恋した若葉
結香さんから、「今日は勿忘草を手伝ってくれる?」と言われ、私は朝から、西口から東口に向かい、勿忘草のある方まで歩いている。
久しぶりに伊奈さんに会う。
その事が分かっていれば、私は、少しオシャレしてきたのに。
…なんてね。
私はもう、悩むのは止めた。
もう、隠しきれないくらいに、私は伊奈さんが気になっている。
私は、伊奈さんが好き。
元彼の大和と別れてから、久しぶりの恋
私は久しぶりに、人を好きになれた事が、嬉しくなった。
もう一度、人を好きになって、甘酸っぱい恋がしたい。
その気持ちに目覚めたのは、昨日見たドラマのDVDのお陰
恋って良いな。と思えたことで、その時、私の頭に伊奈さんの笑顔が浮かんだ瞬間、私は気になってる事に気付いた。
そう、好きなんだと気付いた。
気付いてしまった…
久しぶりの恋。
今日は、その恋の相手に会う
恋してると気付いてから、初めて会う
なんだか、心が破裂しそう。
私の心が、騒ぎ出した時、その文字は私の目に映る
[花屋 勿忘草]
さっ、今日も頑張ろう
私が、その後姿に、声をかけようとした時だった、彼は私の知らない名前を口にした。
「結里」
私は見たことの無い、その姿に、声をかける事を忘れ、その場に立ち尽くしてしまった…