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死の接吻  作者: 麻生あきら
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Sleepflower

 ジーンのフラット。

 部屋の隅に置かれたベッド。


 ジーンは壁際で小さくうずくまって寝ていた。

 まるで膝を抱えるみたいに。

 小さな子供のように。


 二度目に泊まった朝、いつまでも目覚めない彼の元へ。

 少し癖のある髪に触れた。


 目を閉じたまま、ほんのひと時、幼い笑顔。

 その後、跳ね起きた。


 強い警戒。

 その後、息をついてから片方の口を上げて笑った。


「おはよう。朝食、用意できたよ」


 彼にそう告げる。

 安心しきった笑顔が浮かんだ。




 彼はリーサルからブロードに戻った。

 徐々に膝を抱えなくなった。

 ベッドの隅から、段々と離れていった。


 髪に触れても驚かない。

 幼い笑顔のまま、目覚める。


「今日の朝食は何?」


 俺は君の母親じゃないよ?


 挿絵(By みてみん)




 アキの祖母の家。

 綺麗な家のベッド。


 アキはブランケットの端を身体に引き寄せて眠っていた。

 横を向いて、しがみつくみたいに。

 抱きしめるように。


 綺麗なソファに慣れなくて一晩中起きていた。

 もうそろそろ起こしてもいいかな?


 頬に触れた。

 まだ眠そうに、身を捩った。


「……何?」

 警戒心など、どこにもない。

 けど、少し嫌そう。




 清水暁人、その生き方を始めた。

 ブランケットは掛けるだけになった。

 仰向けでゆったりと。


 頬に触れる。

 むくれるようになった。


「……何? 朝食?」


 頷くと起き上がった。


「俺は君の母親じゃないよ?」


 挿絵(By みてみん)

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