インバーバラにて
大和はふと、目を覚ました。何かがおかしい。天井が木になっているし、空気が吸ったことのない感覚になっている。ひとまず体を起こし周りを見てみた。
──どうやら、一軒家らしい。
ベッドから見て右手に木机。机の上には黒いパンと見たこともない柄の布。家全体は木でできていた。
「こ、ここは・・。」
うっかり声が出てしまった。
ひとまず、大和は何故か持っていた靴を履いて家の探索を始めた。
見たところ、意外と古くはない。木も新築特有のいい匂いがするし、かなり鮮やかな色をしている。
その割に、雑に組み立てられている印象だ。大急ぎで作ったのだろうか。
「あ、大和君・・。」
ビクッとした。他に人がいるのか。声の主は女性らしい。しかも、同年代の。
「ん?」
警戒心を解かぬまま向き直った。
日野遥。
クラスメイトだ。クラスではずば抜けて綺麗な顔立ちをしている。
それでも話しかける人は女子でさえ少ない。
顔立ちもよく、世話好きで物腰の柔らかい印象を与える。
成績もよく、教えるのも上手いし頭の回転も速い。
絵に書いたような優等生であるのにもかかわらず、やはり男子も女子も話しかける人を大和は見たことがなかった。
理由はなんとなく予想がつく。釣り合わないと感じるのだろう、と思う。
相手が優等生である以上、ある程度は敬遠する。それでも優等生同士集まってグループを作るだろう。ただ、彼女は同じ優等生でもオーラが違う。抜けているところがあまりになさすぎる。だから優等生からも避けられ、孤立している人に話しかける人は少ないから結局孤立し続けるというループだろう。
──といったことを思い出していたら黙ってしまっていた。
まさか意味不明なところで会うと思わないだろう。
「大和君、だよね?」
「あ、うん。」
「まさかこんな場所で会うなんてね。」
「そう・・だね」
会話が続かない。それでも、答えやすい問いかけだ。かなり相手のことを考えていることがわかる。
「私が目が覚めた時となりに大和君が寝ていてね。先に場所を確認しようと思って一応外を見てきたんだ。」
あまりに黙り込んだので、結衣は話し始めた。
「それで・・ここどこだか分かった?」
「建物的にスラヴ系だと思うんだけど・・結局わかんないや。ごめんね。」
(遥でもわからないか)
それなら、もう知る手段はないに等しい。大和は勉強はからっきしだ。
「プレジット クライエン.カック ベイ プロセイペイテス?」
聞いた事のない言語を話しながら男が入ってきた。何を云っているのかはさっぱりだが、よく通る声をしている。非常に聞き取りやすい。
身長は180cmほど。顔は整っておりハンサムと言える。肌も綺麗だ。おそらく、若いのだろう。
細身でスーツを来ているから、英国紳士がタイムスリップしてきたようだ。持っているカバン─というより、バッグにみえる物を持っていた。
「あ、ハロー。」
咄嗟に答えてしまった。
結衣は手で大和を静止し男を見つめた。
「オオ,ヤー ネー コールドヴァル.イジネイト.」
男は、杖のようなものをカバンから取り出すと2,3回ほど回した。
「いやーすまん。魔法をかけるのを忘れていたよ。」
今度はしっかりとした日本語だ。
「君たちを見つけた時びっくりしたよ。治安の悪い場所で若い男女が倒れていたもんだから。」
遥はひとまず質問をし始めた。こういうところが、遥の強みだろう。いきなり質問なんてできたものではない。
「えっと、ここはどこですか?そして、あなたは誰ですか?」
「ここはインバーバラ市だ。ベリカリラ帝国って国の。」
そこまで一息に言ってしまうと、男は黙った。
「俺は、アレク・カラシニコフ。あんたらは・・まあ、大方遠くから流れ着いたんだろう。なにせこの星は大きいからな。未発見の民族も大勢いる。」
男は遥を見つめた。名前を聞きたいらしい。
「日野遥といいます。彼は、坂間大和。」
「日野に、坂間か・・」
「いいえ、日野と坂間は苗字です。」
アレクはおっと驚いた。「じゃあ、遥と大和ね。わかった。」
文章が下手で申し訳ないです。
総括・自己批判を徹底して参ります。




