表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命を奪うと言うこと  作者: 葉山麻代
1章 ヒヤシンス

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/62

夜香

 (らん)夜香(やこう)家迄来た。どうやって侵入しようかと考えていると、黒猫が現れ、こちらへ来いと呼んでいるようだ。


 (らん)は付いていき、使用人が出入りする勝手口のそばの荷物搬入口から黒猫に続いて侵入した。

「黒猫さん、どうもありがとう」

「にゃ!」

 金色の瞳が、頑張れよと言っているようだった。


 10年以上も前の記憶を頼りに、庭側から自分の部屋だった場所へ行くと、そこにいた。夜香 凛(やこう りん)だ。だがしかし、りんは、誰かと話しているようだった。(らん)はとっさに身を隠した。


「勝手なことすんじゃないよ、この阿婆擦れが!」

「だってお母様、お姉ちゃんが逃げ出したから、私がこんな目に遭っているって」

「そうだよ、あのクソガキが逃げ出したから、お前が代わりをしなきゃいけないんだよ!」

 バシン!

「きゃ」

 叩く音が聞こえ、りんはおとなしくなった。

「お前は、あたしの言うことだけを聞いてれば良いんだ!」

「はい。お母様」


 意識が、部屋に向いていた。そのため、近づく人物に気がつかなかったのだ。


「戻ってきちゃったのかい?」

 (らん)が振り向くと、男が立っていた。そうだこの男、(らん)を貧民街に連れていった男だ! (らん)はとっさに身構えるも、相手はなにもしてこなかった。

「ここにいたら、あれに見つかるよ」

 確かにあの女に見つかった方が大事になりそうなので、男の指示に従うことにした。


 離れまで歩き、中に通された。ここは幼い頃に、入ってはいけない部屋と教えられた場所だ。

「ここへ来たことはあるかい?」

「ないわ」

「そうだろうね。義姉(ねえ)さんは子供に引き継がせるつもりがなさそうだったからね」

「なんのこと?」

「本当になにも知らないんだね」

「何か知っているなら」

「聞かせてやるよ。義姉(ねえ)さんの最後」


 両親の仕組まれた暗殺を語られた。

 先程、りんと一緒にいた女は、(らん)りんの母、朝子(あさこ)の双子の妹の夜子(よるこ)で、朝子(あさこ)夫妻を殺した首謀者であること。この家には、とある力があるが、女児にしか正しく継げないこと。夜子(よるこ)は不本意な婚姻を結ばされ、不満であったこと。自分は、その夜子(よるこ)の夫であること。

 事故を企てられ、朝子(あさこ)夫妻は瀕死になり、朝子(あさこ)は夫を生かそうと全ての力を使い果たしたが、夜子(よるこ)が、救助が来る前に、朝子(あさこ)の夫に止めを刺したこと。

 夜子(よるこ)がこの家を乗っとり、ろくに勉強もせずに(らん)に儀式を施そうとしたので、夜子(よるこ)から隠すために、家から(らん)を放逐したこと。

 その後、古い書物などで儀式を理解し、りんに儀式を施したが、あとから他にも制限があることを知り、(らん)でなければ正しく継げないことが判明したこと。


「成り行きは分かったわ。その力はなんなの?」

「他人の生命力を奪い、他人に生命力を与える力」

りんの状態は?」

「奪えるが、与えることはコントロールがうまくできないと言った感じだ」

「そもそも、与えられたい人はいるでしょうけど、奪われたい人はいないでしょ? どこから奪うの?」

「子供を助けたい親とか、恋人を助けたいとか、自身を犠牲にして生命力を移してほしいと言う願いはある」

「犯罪行為以外の使い方はあるのね」

「その辺りの倫理観がないから、夜子(よるこ)は、この家から出されたらしいよ」

「あなたは、誰の味方なの?」

「私は、夜子(よるこ)を止めてほしい。これでも夫なんだ」

(りん)に味方はいないのね。まあ良いわ。止めるにはどうすれば良いの?」

「君が正当な後継者になれば、りんから力は失くなる」

「儀式と言うのは、何をするの?」

「それは、こちらで手配する」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ