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命を奪うと言うこと  作者: 葉山麻代
2章 占い師 夜香 蘭

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言葉

 大分深刻な顔をした若い男性が、占いの時間に相談に来た。

「転職を考えています。どうしたら良いでしょうか」

「あなたの考えの、最良を教えてくださる?」

「嫌な上司が居なくて、部下が言うことを聞いて、ちゃんと暮らせる給料がもらえて、恋人に結婚を申し込める環境が欲しいです」

 30歳の中間管理職で、職場の女性たちから総スカンを食らっているようだ。

「今のお仕事先での嫌な上司とは、女性の上司さんかしら?」

「はい!そうです!」

 仕事自体の能力はあるが、コミュニケーションに難があり、仕事に支障が出ている。


「転職なさるなら、女性の全く居ない別業種をおすすめいたしますが、まずは、今の職場の女性上司さんが言っていることを、良く考えて、他人を批評しないことから始めてみては、いかがかしら?」

「批評なんてしてません!」

 自覚はないらしい。

「では、他人の行動について、いちいち言葉にしないようになさって」

「スミマセン、具体的に教えてください」

「○○さん、もうお腹空いたの?や、今日も良い匂いだね。等ですわ。はっきり言って、物凄く嫌がられていますわね」

「え、それって、円滑に進めるための声かけ」

「完全に、方向性が間違っていますわ」

「なら、何を褒めたら良いんですか?」

 女性の匂いについて、褒めているつもりなのは、かなり強烈。

「仕事の早さや正確さですわね」

「そんなのは、出来て当たり前」

「お茶を出されて、ありがとうを言っていますか?」

「え、そんな当たり前のことにお礼を言うんですか?」

「女性に嫌みを言わないのも、お礼を言うのも、スマートな男性なら出来て当たり前でしてよ」

 当たり前の基準は、人それぞれ違うのだ。


「スマートさが足りないのか。反省し、改善してみます」

1月(ひとつき)くらい頑張って下さいね」

「頑張っても改善しなかったら、また教えてください」

「よろしくてよ」



 後日、どうなったかの報告に来た。

「先生、ありがとうございました。まずは、みんなに謝りました」

 今まで、申し訳なかった。批評するつもりではなく、褒めたかったこと、お茶などに、お礼をせずに当たり前に思っていたこと、直したいとは思っているけど、気が付かずに間違えるかもしれない。だから、嫌なことを私が言ったら、どうか教えて欲しい。それが相手の嫌がる事だと言う認識が、私にはないのだと思う。ちゃんと理解して、次からは言わない。図々しいお願いだとはわかっているが、どうか協力して欲しい。という意味のことを言ったと、話していた。

「それで、今はどうですの?」

「ニコニコ話しかけてもらえるようになりました。職場が楽しいです」

「良かったですわね」

「褒めるのも、少しわかりました。コピー機に紙を足してくれるのは、とてもありがたいことだと気が付きました。それをありがとうと言ったら、自分が使うときに用紙不足を見なくなりました。なので、足しているのを見かけたときは、ありがとう助かるよ。と声をかけるようにしています」

「正解ですわね」

「褒めるとは、やる気を出させる魔法の言葉なんですね」

「素敵ですわね」


 職場なら、仕事を認め、正しく褒めてくれる上司が一番ありがたい。

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