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ジャンクバード  作者: ポチ吉
Lemon

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皇国軍第伍特務『付喪神』直属 第六世代自律兵器・ヒトガタ

 朝起きる。

 レモン色の髪を靡かせてパトロールを開始する。

 先ずは複数設置してあるソーラーパネルの調子を確かめながらバッテリー(ごはん)の回収をして、空のバッテリー(あしたのごはん)をセットする。

 そうしてから準戦闘装備で研究所周りをパトロールする。コンクリートの寿命はとっくの昔に過ぎ去ったはずだが、朽ちる様子は欠片もない。


 ――不思議ですね。


 そう思う。だが、そこまで(・・・・)しか思えない。彼女が研究用であれば調べてみたかもしれないが、生憎と彼女は兵器。そう言う発想(アプリ)は無い。

 研究所の外は危険だ。彼女は博士たちから極力外に出ない様に言われているので、ドローンを飛ばして確認をする。

 今日も酸性トードに乗った蛇人間がうろうろしていた。「……むぅ」。ぷく、と彼女のほっぺが膨らむ。また増えている。間引きをした方が良いかもしれない。だが――


「……むり、ですね」


 それでも『いつか』の『何か』の為に巣のマッピングをする。一応、野生の酸性トードは蛇人間と敵対しているし、増え過ぎた蛇人間は蛇人間で部族を造って争っているいるので、上手くやれば数を減らすことも出来た。……まぁ、滅多にそんなチャンスは無いが。

 これがもう何百年も(・・・・)繰り返している彼女の日課だった。

 寝て、起きて、探査。

 博士達から託された最初で最後の任務。

 それを繰り返す。それが彼女の日課で、日常だったのだが――


「! ゲート反応!? あ、消えちゃいました! 場所! 場所は――え?」


 この日、その緩やかに朽ちて行く日々に終わりが訪れた。ゲート反応。閉じたこの世界と外が一瞬繋がり、外からやって来たのは――


「人類です!!」


 準戦闘装備をパージ。とっておきの戦闘装備(ロビン)とリンク。ドローンにアクセス。多角視点を用いてい安全ルートの検索。検索。検索……ロビンからの回答:エラー(無理っす)! 「あぁ、もう!」。何機かのドローンの廃棄を決定。囮に使ってルートを造る。勿体ない。分かっている。造れるけれど、材料は有限だ。でも。それでも――


「それだけの価値が、ありますっ!」


 人外の脚力で跳び出し、駆けだす。

 だって人類! 人類だ! 博士達以来の人類!

 久々の全力稼働。メンテナンスをサボっていた自覚は無いが、それでも使っていなかった場所の動きが鈍い。それでも――心が。心が身体を動かす。

 そうして走りながらもドローンから送られてくる映像を確認する。何やら人類がここに来たのはトラブルの様だ。何やら慌てて――一緒に入って来たペンギン(鳥類)が空を飛んでます!? おかしい。ペンギンは飛べないはずだ。もしかしてわたしはバグってしまったんですか? そんな疑問。そうなると、この映像の中の人類も――


「いえ! います! 居るんです!」


 怖い想像を首を振って追い出す。「……」。それでも少し怖かったので、分割思考を開始。走るのを仮想人格に任せて、自分(主人格)は映像に集中する。人類。久しぶりに見る人類。バグだと言うのなら、少しでも焼き付けておきたい。それでも、きっと、この人類は本物だ。だって自分の頭のでは思いつかない様な非合理な行動をとっている。

 何やら揉めている。殴り合って――は居ない。一方的に殴りつけている。

 混乱しているからと言って、この行動――


 ――愚か(愛しい)ですね、人類は!


 だから彼女は颯爽と――


「むむむっ? 喧嘩ですか? 喧嘩はいけませんよ、人類!!」


 彼等(人類)の前に現れた。


「――って、さっそく人類が一人減りましたか!?」


 でもちょっと遅かったので、軍人と思われる女の人のハンマーナックルが、部下と思われる少年の頭をかち割ってしまった。










 ぼんやりと意識の輪郭が戻ると同時、即座にイチゾーは目を覚ました。

 戦闘者としての習性だ。そうして目に入って来たのは――


「ぐあぐ?」


 ――知ってるペンギンだ。


 ジャイアントペンさん――アップルとやらに酷い目に会わされたのだろう。自慢の冠羽がしんなりしてしまったニゾーが居た。

 それでもイチゾーよりも軽傷らしく、頭を割られたイチゾーを心配そうに覗き込んでいた。


「……あぁ、何とかな」


 そんなニゾーに心配ねぇよ。手を軽く振りながら「髪、やってやっからワックス持ってこい」。そう言ってやれば嬉しそうな「ぐあ!」からワンショルダーバッグを「ぐあー」。そこからワックスを取り出し、胡坐をかいた足の上にニゾーを乗せながらヘアセットを開始。


「……」


 どうやら飛んでいた時間はそれ程長くないらしい。

 日の傾き――がこの迷宮で変わるのかは知らんが、あまり変わってなさそうだし、腹のすき具合もそれ程ではない。

 他の人は何をしてるのか? と視線を奔らせてみれば、今は物資を整理している班と――


「ニゾー」

「な?」

「あそこのカエデと姐さん、それとあの、あー……」駄目だ。名前出てこねぇ「……虎の猫人種(マオ)と話してる女の子、新しく入って来たンか?」

「なっ! ぐぐ、ぐがが、なっ!」

「へぇ? 最初から中に居たってンなら無人迷宮って訳じゃねぇ――いや、あれ人か?」

「な?」

「いや、何か、体重って言うか、密度おかしくねぇ?」


 ペンギンのニゾーではなく、イチゾーだから気が付く違和感。身体の動かしたか、動き方がおかしい気がする。見た目が小さな女の子なのに、重い。百キロ超えてそうな気がする。

 そんな風に女の子を観察していると、向こうもこちらに気が付いたらしい。「すごい! 本当に生きてます!」。死んだと思われていたらしい。そのまま嬉しそうにこちらに駆け寄ってくる。「……」。やっぱり重てぇな、あれ。


「頭大丈夫ですか、人類?」

「……それ、別の意味に聞こえンな」

「? 別の意味?」

「あぁ、良いや。――見ての通り無事だ。生きてる」

「そうですか! それなから良かったです」

「ンで――」


 この子何? その問いかけの視線は女の子では無く、その後ろ。歩いて来たカエデに向けたモノだったのだが――


「わたしですか? わたしは、皇国軍第伍特務『付喪神』直属、第六世代自律兵器・ヒトガタ! 個体名称レモンです!」


 女の……子? 自律、兵器? ……レモンが答えてくれた。


「……どいうこと?」


 情報は貰えたはずなのに、何一つ分からなかったので、イチゾーは声に出して追加の説明を求めてみた。


中学の時、隣のクラスに『檸檬』って名前の子がいた

当時は「ハイカラな名前じゃのぅ」くらいにしか思ってなかったけど、ちょっとスラングを調べたら……

多分……って言うか絶対に親御さんにそんな気はなかったんだろうけど、割と――な名前だなぁ、と

そんな訳でスラングに詳しい方は気が付いても気が付かないふりをして下さいm(_ _)m

詳しくない方は作中で明かされるまで待って下さい





はい。そして宣伝コーナー


発売から一週間たったジャンクバードですが、感想募集中です! Amazonレビューとか書いてね! xで「#ジャンクバード感想 」で呟くと色紙が当たるらしいよ!!


あと、一週間経ったから他の挿絵出して良いらしいからTwitter(頑な)やってて買おうか迷ってる方は見て背中を押されて下さい!


あとなんか『ネット小説大賞5社共同ブックフェア』とやらにジャンクバードが参加してます!

フェア参加書店で買うと参加作品のssが読めるらしいです!!

です、がぁ……これ、俺、全員が無料で読めると思ってた……


そんな凡ミス。


これから買おうとしてる人が居ましたらそう言うフェアがあるらしい、と!

他の作品を買った人はついでに読んで見て下さい!

書いたのは「せんそうのはじめかた~ペンギン編~」です

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