02_序章_セレンディピティ
■著者前書き
こんにちは。著者の上下Kちゅけです。
この小説はゲーム会社の新人カリキュラム課題として書かれ、あらかじめ1年間の連載と決められています。
そして私なりに工夫して、いくつかの定型書式を用意することにしました。
ご覧頂く各章が物語のどの辺りに位置するかの情報を「■もくじ」で、月イチ連載の日取りは決まっておらず最大2ヶ月間隔が開くことがあるため展開を思い出していただくための情報として「■これまでのあらすじ」を載せます。
またチャレンジングな要素として私はゲームプレイやアニメ鑑賞時、適度にネタバレされた方が楽しめる派なので、本文の前に「■この章のあらすじ」を載せたいと思います。
今回、あらすじとは別にこの章のネタバレをしておくと物語の冒頭に叙述的な仕掛けを施しています。何か変だなと思ってもやめずに読み進めて頂けたら幸いです。
では「もくじ」「あらすじ」に続きましていよいよ本編です。物語の始まり、始まり〜
■もくじ
・01月配信_零章_著者前書き
・02月配信_序章_セレンディピティ ← ◆今ココ
・03月配信_一章_集められた4人
・04月配信_二章_活動開始
・05月配信_三章_デバッグ日誌
・06月配信_四章_やかましいデバッガー達
・07月配信_五章_静かなリターナー達
・08月配信_六章_符合
・09月配信_七章_裏側へ、そしてリーダー交代
・10月配信_八章_ベストカップル・オブ・ザ・ワールド
・11月配信_九章_天国サイドと地獄サイド
・12月配信_終章_俺たちの戦いは始まったばかりだ!
■この章のあらすじ
・大阪とサンパウロに謎の巨大UFOが出現。何も起こらず20年経過。
・ゲート通過型VRゲームを開発中の大阪のゲームプログラマ。
・バグ?で円盤内部への侵入ルートを発見。
・単独で侵入し船内に閉じ込められている地球人が多数いることを知る。
・警察に連絡し調査が開始されるが、大きな問題が…。
・警察官はことごとく弱体化し、まともな潜入捜査ができない。
・発見者のゲームプログラマはヒーローのような変身を遂げるのだが…
・彼女は特異体質なのか?それとも、宇宙人なのか?
・プログラマを人体解剖した結果(合掌…)、あるDNAとの関連が見つかる。
■本文
「おい、エンドー。今日は何時まで残業するんだ?」
ツクモが声をかけてきた。彼はエンドーの上司であり、ゲーム会社のプロデューサーだった。エンドーは彼の顔を見上げて、疲れた笑顔を作った。
「あと少しで終わりますよ。このゲーム、明日には完成させないといけないんですから」
エンドーは言いながら、パソコンの画面に目を戻した。彼女はゲームプログラマーとして、新作の3Dアクションゲームの開発に携わっていた。そのゲームは、ゲート通過型の人体スキャナーを使って、プレイヤーの姿をゲーム内に投影するという斬新なシステムを採用していた。ゲートとは、空間を切り裂くように現れる円形の入り口のことで、その中に入ると、ゲームの世界に移動できるという仕組みだった。
「そうだな。でも、無理はしないでくれよ。体は大事だからな」
ツクモはエンドーの肩に手を置いて、やさしく言った。彼はエンドーの才能を高く評価しており、彼女には優しく接していた。エンドーは彼に感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとうございます。ツクモさんはいつも気にかけてくれて、本当に助かります」
「いやいや、こちらこそ。君のおかげで、このゲームは素晴らしいものになったよ。明日のロケテストが楽しみだな」
ツクモは笑顔で言った。明日は、ゲームの最終チェックとして、ロケーションテストを行う予定だった。ゲートを設置した店舗にプレイヤーを招き、ゲームの反応を見るというものだった。ツクモは、このゲームが大ヒットすることを確信していた。
「では、お先に失礼します。エンドー、頑張ってね」
ツクモはエンドーにエールを送って、会社を出て行った。エンドーは彼の後ろ姿を見送った後、再びパソコンに向かった。彼女はまだ仕事が残っていた。ゲームのソースコードに最後の手を加える必要があった。彼女はキーボードを叩きながら、自分の作ったゲームに思いを馳せた。
「このゲームは、私の夢を叶えるものだ。私は、ゲートの向こうにある世界を見たい。UFOの中にある世界を…」
エンドーはそう呟いた。彼女の夢とは、UFOに関するものだった。彼女は、20年前に大阪とサンパウロに出現した謎の巨大UFOに強い興味を持っていた。そのUFOは、何の目的もなく空に浮かんでおり、何も起こらなかった。政府や軍隊も、その正体や目的を解明できなかった。やがて、人々はUFOに慣れてしまい、それがある風景が普通となってしまった。しかし、エンドーは違った。彼女は、UFOに隠された秘密を知りたいと思っていた。彼女は、UFOに入り込んで、宇宙人と対面したいと願っていた。
「もしかしたら、私は宇宙人なのかもしれない。だから、UFOに惹かれるのかもしれない」
エンドーはそう考えた。彼女は、自分が普通の人間ではないと感じていた。彼女は、他人とのコミュニケーションが苦手で、感情を表に出さないタイプだった。彼女は、自分のことを理解してくれる人がいないと思っていた。彼女は、自分が孤独な存在だと感じていた。
「でも、このゲームがあれば、私は孤独じゃない。このゲームは、私の友達だ。私のパートナーだ」
エンドーはそう思った。彼女は、自分の作ったゲームに愛着を持っていた。彼女は、ゲームの中に自分の思いを込めていた。彼女は、ゲームの中に自分の夢を描いていた。彼女は、ゲームの中に自分の世界を作っていた。
「もうすぐ、私の世界が完成する。私は、ゲートを通って、UFOに行く。私は、宇宙人に会う。私は、私の運命を知る」
エンドーはそう決意した。彼女は、ゲームのソースコードに最後の一行を書き加えた。それは、彼女の秘密のメッセージだった。それは、彼女の最後の願いだった。
「エンドーのゲーム、開始」
彼女はそう打ち込んだ。そして、パソコンの電源を切った。彼女は、自分の席から立ち上がった。彼女は、会社の出口に向かった。彼女は、ゲートに向かった。彼女は、UFOに向かった。彼女は、自分のゲームに向かった。
「さあ、行こう。私のゲームが始まる」
彼女はそう言って、ゲートに飛び込んだ。その瞬間、彼女の人生は変わった。その瞬間、彼女のゲームは始まった。その瞬間、彼女の運命は決まった。
エンドーのゲーム、開始。
……………(中断)
【ネタバレ】↑↑↑こちらはAIが執筆した小説です。
わたくし、上下 Kちゅけは小説を書いたことがないのであらすじだけ考えて本文をAIに小説を書いてもらおうとしました。
上記がそれなんですが。。AIが小説書けるなんて驚異的…ではあるものの、何かちょっと怖くないですか?
最後の方の「○○に向かった。」4連発とか文学的効果を狙ったものなのかも知れませんがちょっと怖いです。
それに開発中ゲームのバグで偶然UFOにつながるという設定なのに、何故か意を決してUFOに乗り込む設定になっている。
違うんですよね。
手探りではありますが、やっぱり自分で小説書いてみることにします。
……………(仕切り直し)※先ほどの本文はお忘れください。
■本文
大阪の夜空に巨大な円盤が堂々とした佇まいで浮いている。もう20年もただ浮いているだけの円盤は大阪の風景の一部と化し日常となっている。
何か意味あるのではないか?何か得られるのではないか?怖い目に会うのでは?
最初の頃はUFOに友好的だったり攻撃的だったり、自治体や自衛隊が色んなアプローチしてみたが、どれも空振りに終わり何も反応が無かった。
同時期に大阪から地球を挟んで反対側のサンパウロにも同じ規模の円盤が飛来し、同じく20年間ただ浮いている。
UFOの影響はと言えば日当たりが悪くなる程度。高度的に微妙なせいでほとんどの場合、雨の日の傘替わりにもならない。
◆
円同 沙耶、年齢29歳。大阪のゲーム会社でプログラマをしてる。通称エンドーは男女平等が叫ばれるこの時代でも珍しいと言える女性ゲームプログラマで良く言えばスレンダー、でもどちらかと言うとヒョロガリという表現が似合う幸薄そうな眼鏡っ娘だ。
今はまだ発表されていない最新VRゲーム機に向けてCOOP(協力プレイ)アクションを開発している。最新AAAタイトルともなるとソフト開発メンバーは300人超え、プログラマだけでも50人は下らない。これだけの規模になると一つの会社ですべてを作るのではなく、様々な会社が協力しあって部分部分を担当するのが普通だ。エンドーの勤める会社はキャラメイキング部分を請け負っており、エンドーは6人のエンジニア(彼女の会社ではプログラマではなくエンジニアと呼ぶ)のリーダーをしている。
今はまだ開発末期ではないので、基本残業はしない。でも今日は腹痛のため午前休を取ったので、遅れを取り戻すために少し残ることにした。
「おい、エンドー。今日は何時まで残業するんだ?」
ツクモが声をかけてきた。彼はエンドーの上司であり、彼女のチームのプロデューサーだった。エンドーは彼の顔を見上げて、疲れた笑顔を作った。
「そんなにかからへんと思いますよ~」「ツクモさんはもう帰らはるんですか~」「奥さんはまだ実家ですか~」
エンドーはツクモに想いを寄せている。取り繕うように早口でかわいい大阪弁を駆使し他愛のない話をする。10月の窓の外はすっかり暗くなり、彼女の席の周りの者は帰宅済みで誰もいない。
ツクモも帰った。
◆
ゲート通過型3D人体スキャナー。ゲームセンターで遊ぶタイプのVRゲームで取り入れられる新要素で、スキャンされた人体データと本人の願望を混ぜてゲームキャラが生成される。開発はまだα段階なので結構バグバグだが、この新技術を使ったキャラメイキングは発注元にも好評だ。
独りぼっちの開発室でエンドーはパラメータを適当に打ち込み、新規アセットのスケール対応テストをするためにスキャナーゲートをくぐる。
「ん?どーゆーこと?バグ?」「ちょう待って。。」「何なん?」
生成されたキャラチェック用ステージは本来鏡張りの衣装部屋のような場所のはずだが何だか違う。ステージの様子がおかしい。
テストステージではなくアクション用のステージに紛れ込んでしまった?そんな感じでもない。ここにはアクション用ステージにあるはずの戦いを盛り上げるような見栄えが存在しない。わずかに光る文様のようなモールドが彫られた金属の壁の廊下。完全な直線ではなく、わずかにアールがついているし傾斜もある。ライトが暗めなため清潔なのか不潔なのか、新しいのか古いのか分からない。
見慣れない風景というだけではない。いくら最新VR機種だと言っても、肌感覚がリアル過ぎる。風景は現実離れしているが、存在感覚は現実味がある。てか現実だ。
通路を進んでいくつかの部屋を通過し、巨大な立体映像端末のある部屋に辿り着いた。そこに映し出される大阪を見下ろす全方位映像を見た時、エンドーは分かった。ここはUFOの中だ。いつも見上げるとある、あのUFOの中に飛ばされてきたんだ。
映像端末に気を取られて気づかなかったが、この部屋には人がいた。奇妙な人達だ。UFOの乗務員らしいのできっと宇宙人なのだろう。背丈や骨格がまるで違う服装の系統もまるでバラバラの宇宙人達がエンドーに気づき、なんと襲い掛かってきた。
「夢ちゃうやんね?」「バグちゃうやんね?」「オモロなってきた!」
ゲーム開発者であると同時に熱心なゲームプレイヤーであるエンドーは怯むことがなかった。
エンドーの脳内にアドレナリンが分泌されると突如、スーパーヒーローに変身した。
武器にも盾にもなる光の輪っかウェポンで敵のレーザー銃攻撃や体当たりを止め、振り回してやっつける。開発中のゲームでバトルは担当外だったのでそれ程やりこんでなかったのだが、大技アクションが気持ちいいぐらいバシバシ決まる。宇宙人達はやっつけると映像が消える時のようにシュンッと消滅したため、グロイ死体を見ずに済んでありがたかった。
部屋内の宇宙人を殲滅させるとヒーローの体はしぼみ、エンドー本来の背格好に戻った。と同時に新たな通路の扉が開いた。エンドーは先ほどの立体映像端末にインタラクトしてUFOの構造をざっくりと理解し、監視カメラ映像からこのUFOには地球人が多数幽閉されていることを掴んだ。
◆
エンドーはスキャナーゲートをくぐってゲーム会社の開発室に戻ってきた。そこはいつもの開発室だった。続いて3人のご当地ゆるキャラのような見た目の人達がヨチヨチとゲートをくぐると、それぞれおばあちゃんとおっちゃんと女学生さんになった。
もし自分ひとりで戻ってきたならさっきまでの出来事について夢か頭が変になってなったかを疑うところだが、場違いな3人が開発室にいるので証拠がある。心配は不要だった。
「はー、びっくりした」「皆さん、怪我とかしてはりませんか?」「ここはUFOの外で助かったんですよ」
3人は状況を飲み込めないのか、きょとんとしており呼びかけにわずかにしか反応を示さない。
「…無理ないか…」「まずは、警察?…救急?…」「ん〜ツクモさんにしよ…」
エンドーは昔、自身が開発に携わった超マイナーゲーム「お嬢様戦士きゅるりん☆はーと」のデスクトップ壁紙が目印の自分のPC前に座り、Slackアプリでダイレクトメッセージを送信した。
「お疲れ様です。円同です。業務時間外にすいません。ちょっとトラブルがありまして相談があります。今から通話よろしいでしょうか?」
◆
翌日、開発室は閉鎖となった。エアコン不調によるサーバーのダウン。社員向けの説明ではそうなっていた。前にも一度あったので疑う者はいない。
ツクモは警察による開発室の現場検証に立ち会っていた。エンドーは警察や病院で取り調べや検査を受けているそうだ。にわかに信じがたい事件だが、UFOから連れ帰ったという拉致被害者もいたため警察に届け出た。UFOの存在は誰もが知るところだし、通報から今に至るまでトラブルもなくスムーズに事が運んだ。
エンドーが警官と共にこの開発室に入ってきた。何やらスキャナーゲートの前で説明をした後、少し困った顔をしながらエンドーはゲートをくぐって見せた。入ってきた時から気になっていた立てこもり犯の対応にあたる時のような重装備をした警官2人もそれに続いた。
2~3分もすると、ちょっと得意げな顔に変わったエンドーと真っ青な顔をした警官達が戻ってきた。そしてすぐに別の警官に連れられ開発室を出て行った。エンドーは通り過ぎる時、軽く会釈しながらこちらに微笑んで見せた。彼女を見たのはこれが最後となった。
◆
翌日から開発業務は再開されたが、彼女はしばらく休むことになった。警察からは取り調べと検査にしばらく時間を要するため…と聞かされた。警察担当者は話し好きの男で、警察の見解などについても匂わせ発言があった。どうやらエンドーは疑われているらしい。宇宙人だという線で捜査が進んでいて取り調べや検査が続くことになりそうとの事だった。彼女が宇宙人?そんなことあり得るのか?
スキャナーゲートとPCは押収されなかった。ネットワーク環境が変わるとUFOとのつながりが切れてしまうかもしれないとのことで、開発現場に維持された。
チームリーダーのエンドーがしばらく復帰できないとなるとゲーム開発が滞る。ツクモは他のチームとの人員調整に追われた。そして何日かが経過してエンドーが亡くなったと聞かされた。
聞かされた場所は関係者が大勢いる対策本部。警察関係者の他に政府関係者や研究者などが列席していた。ツクモも対策メンバーの一員として報告会に参加するよう要請された。今後もスキャナーゲートを通してUFOへコンタクトできるように会社側の窓口として、とのことだった。
エンドーが亡くなった?元気だったのに?まだ若いのに?
突然過ぎる。何故だ。まさか自殺?しっかりと自分を持った人で、事件後もそんなに動揺しているように見えなかった。
エンジニアとしての能力の高さ、チームリーダーとしての安定感。開発がどんなに切羽詰まった状況でも人を安心させるようなのんびりした喋り方で周りをヒリつかせない。
彼女は私になついていたな。なつくは失礼か。慕ってくれていたな。子犬が尻尾を振る時みたいに全力で。子犬は失礼か。
社内に隠れファンが多かったの、エンドー本人は気づいてたのかな?
まさか宇宙人に殺された?宇宙人はUFOの外にも居たりするのか?
エンドーが死んでしまった。UFOから被害者を連れ帰ったヒーローなのに。社内にファンが多いのに。
何故死んだ?どうして?
報告会ではエンドーの解剖結果発見したある遺伝子について語られたが、茫然としたツクモの頭には一切入ってこなかった。
(03月配信_一章_集められた4人につづく)
■Kちゅけの独り言
この章のタイトル「セレンディピティ」とは「偶然の産物」「予想外のものを発見すること」だそうです。
「セレンディピティ」と言えば、軍事用レーダーの実験をしていた博士が電波によって柔らかくなったチョコを自身のポケットから発見!これが電子レンジの原理となった…というエピソードが好きです。
あと、めっちゃ強力な接着剤を発明しようとして、めっちゃ弱い接着剤を発明しちゃって、それがポストイットになった…も好き。
◆
ライトノベルを目指して書いているのに、セリフがほとんどなくてギチギチな感じになっちゃいました。まだまだ小説…とは言えない代物のような気もしますが、書くうちに成長できればいいな。
ゲーム会社新人カリキュラム課題「なろう」小説連載で人気得るべし…を遂行中。
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上下 Kちゅけ(ゲームデザイナー/なろう初心者)





