07_五章_静かなリターナー達
■著者前書き
こんにちは。著者の上下Kちゅけです。
話題にすることを避けてきましたが、今回の前書きでは挿絵について語ろうと思います。この小説ではわりあいふんだんに挿絵を入れています。挿絵は全てBing Image CreatorでAI生成されたイラストです。
ちなみに↑この著者近影画像はAIイラストではありません。写真です。
AIイラストこんなの↓
この小説を半年ほど連載する中で皆さまからは小説の内容よりもAIイラストの使用についての意見を多くいただきました。過渡期のこの技術というかサービスは解決していない問題が色々あるようです。
AIイラストは私にとって夢のツールです。イマジネーションはあるつもりだけど絵が描けない私にとってこの小説を連載する上でAIイラストは不可欠です。
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私にはこれまで小説執筆の経験がありませんでした。
ゲームデザイナーである私は学校の授業や会社の業務でゲーム企画書作りをたくさんしてきました。企画書作りのコツとしてはグラフィカルに作ること。文章ばかりだとゲームの完成図をイメージしにくいためウケが悪いことを経験で知りました。
企画書は一般ユーザーさんが目にするものではないため、著作権を考えずネットの画像を拝借して作ります。理想は描き下しイラストをデザイナーに依頼して作成することですが、たくさん作る企画書の全部でそれを行うことはコスト的にも時間的にも現実問題できません。
文が先か、絵が先か。
企画書をまとめるにあたって私の場合ネットでの画像収集作業を通じてあやふやなアイデアが具体的に決まってくるので後者と言えます。
そんな訳で、企画書の制作工程に慣れた私は絵が描けないのにも関わらずビジュアルイメージからイマジネーションを膨らませる癖がついてしまいました。
◆
この小説でネットから拝借した画像を挿絵に使うことはしていません。自前でAI生成したイラストを使用しています。しかしAIイラストを使うことはそれとほぼ同義だと考える人が多くいることをたくさんの意見をもらって知りました。
それまではAIイラストの問題って、写真が発明された時の画家や、リズムマシンが発明された時のドラマーの苦悩に近いものがあるんだろうなー。でも、画家もドラマーもそれぞれの発明品と共に存在価値は今でもあるし、そう考えるとAIイラスト問題はそれらと同様にやがて治まる苦悩なんだろうなー。…深く考えず、そんな風に簡単に片づけてました。
AIイラストの問題はもっと複雑なんですよね。
AIイラストは手描きにかかる労力も、独自の作風を確立するために積み重ねた努力も、イラスト制作時に発生する対価支払いもすっ飛ばします。
それも全く別のところから現れたものではなく「学習」という名の下に、先人たちのクリエイティブが知らない間に掠め盗られてしまっている点にどうやら不信感が集まってるようです。
◆
私は今後のゲームクリエイター人生をイマジネーションを具現化するためのツールとしてAIイラストと共に生きようと考えています。
そんな楽せずイメージ通りに絵を描けるように努力するべきだという意見もあるのでしょうが、乱暴に言うとそれは「車輪の再発明」に感じてしまいます。
↑【参考】色んなタッチのAIアート「ドラゴンライダーとエンジェル」
↓使用したプロンプトは下記(イラストごとに少しずつアレンジ)
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次のイメージをイラストにしてください。
巨大なドラゴンに乗った青年と、空を飛ぶ天使の少女が一人。
青年はマント着用、古風なヘルメットを被っていて、革製の手袋をはめている。
ドラゴンは現代の街の中を凄い速度で飛んでいる。
みんなとても楽しそうだ。タッチは青年漫画風で。
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この件は今後関係団体の取り決めや法整備が進んでいくと思われます。それまでの間はAIイラストを自重しろという意見も頂きました。
小説のイマジネーションを沸かせる手段として使うAIイラストを使うのはありだ。でも、わざわざ挿絵として公開しなくてもいいだろう…という意見もきっとあるでしょう。
本小説の連載は営利目的の活動としてではなく、ゲーム会社の新人教育カリキュラムとして取り組んでいます。営利目的じゃないから良いという話でも無いでしょうし、私個人の野望としてはこの小説をゲーム化などの営利活動につなげたい野心があります。
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本連載でのAIイラスト使用が世間に大きな波風を立てることはないでしょう。
しかし今後AIイラストが誰にとっても幸せな存在に変化していって欲しい私のポジティブ行動として、これまで通りこの小説内で積極的に使用したいと思います。
私が一石を投じたことで小さな波紋が広がることを願って。
長い前書きになってしまいましたが最後に。
AIイラスト使用について当事者の方々の心をざわつかせてしまったことをお詫びします。今後もいただいたご意見を拝聴し、AI問題についての見聞を広げていきたいと思います。
■もくじ
・01月配信_零章_著者前書き
・02月配信_序章_セレンディピティ
・03月配信_一章_集められた4人
・04月配信_二章_活動開始
・05月配信_三章_デバッグ日誌
・06月配信_四章_やかましいデバッガー達
・07月配信_五章_静かなリターナー達 ← ◆今ココ
・08月配信_六章_符合
・09月配信_七章_裏側へ、そしてリーダー交代
・10月配信_八章_ベストカップル・オブ・ザ・ワールド
・11月配信_九章_天国サイドと地獄サイド
・12月配信_終章_俺たちの戦いは始まったばかりだ!
■これまでのあらすじ
・大阪とサンパウロに謎の巨大UFOが出現。何も起こらず20年経過。
・ゲート通過型VRゲームを開発中にバグ?で円盤内部への侵入ルートを発見。
・船内に閉じ込められている地球人が多数いることを知る。
・全大阪市民に対して検査を行なった結果、適合人材が4人見つかった。
・救出作戦が練られるが「作戦中止」が決断される。
・ゲーム会社のツクモは、決断に納得できず秘密裏に救出活動を引き継ぐ。
・適合者1号イッチはレジスタンス活動と知らずゲームのデバッグだと思っている。
・イッチと褐色の美女NPCとの邂逅。
・日系人心理カウンセラー・ガブリエル本田が協力者として加わる。
・ツクモはレジスタンス活動を軌道に乗せるが、暗黒面に片足を踏み入れる。
・適合者1号に続き、2~4号もデバッグバイトとして雇われる。
・バイトのローテが組まれ、イッチ、ニコ、ヨバンの3人編成で作戦実行。
・順調に作戦は進むが、中ボスミカエルが再登場。
・苦戦するも何とか撃破。
・イッチは褐色の美女NPCへの想いを募らせる。
■この章のあらすじ
・VRtuber「おんりーごっつ」が実況プレイしながらイッチ達の作戦に乱入する。
・VRtuberと仲良くなるイッチ達。
・この実況配信はツクモもゲーム販売元も想定外だったが、世間の好評を博す。
・一方、UFOから救出した人が100人を超える。
・しかし、救出した拉致被害者から感謝されているかというと微妙だ。
・レジスタンス活動のケリのつけかたに苦悩するツクモ。
・この活動は近々世間に発覚してしまうだろう。ツクモの予想は的中する。
■本文
「今回は特別にご招待頂きまして未発表の最新VRゲームを先行プレイさせてもらうことになりました〜!」
そのゲーム実況は150万登録を誇るVRtuber「おんりーごっつ」のチャンネルで数日前から予告されていた。本日の同時接続者数は10万弱。特番的な配信ではない平常運転時の配信にしては立派な数字だ。
おんりーごっつ…大人の視聴者からは「OG」、お子様の視聴者からは「ごっつさん」と呼ばれ親しまれている。ゲーム実況をメインで活動するこのVRtuberがじわじわ人気を得た理由は幾つかある。
・ゲームがとても上手くて、実況の会話内容も面白い
・どんな時でも荒れた言葉を使わない礼儀正しさ
・ウィットに富んだ語り口から溢れるインテリジェンス
・テンション上がった時だけ思わず飛び出す大阪弁のお茶目さ
そして最大の人気の秘訣はこれだろう。
・鉄板人気のゲームに便乗せず、自ら良ゲーを開拓、発見する能力
発売後何年も面白さを気づかれずにいるゲームや、期待されつつもローンチでこけて酷評されたゲームなど。彼に(OGは男性VRtuberだ)実況で取り上げられ、その後スマッシュヒットを記録するパターンがこのところ続いている。そんな彼が発売前のゲームを取り上げるのは異例のこと。OGもついに案件仕事(対価得てコンテンツを紹介すること)に手を染めたなどと揶揄する声も挙がっていた。
◆
「いやー、さっきの警備部長にはびっくりしましたねー。ゲーム開始直後にいきなりだもん」
バトル形態からスマートな非戦闘形態に戻りながらOGの使用キャラ・竜人は安堵のため息をつく。すぐ横にはチビドラゴンが寄り添ってぷかぷかと宙に浮かんでいる。
視聴者から次々とコメントが入る。
「あれはゲーム開始時お約束の負けイベントっぽかったですよ。それに勝つOG、真剣ぱねぇす」
「ごっつさんの竜人ヒーロー、めっちゃカッコ良かった!」
「早速OGの大阪弁「なんやて?!!」いただきました…と言うかごちそうさまでした〜」
「コメントありがとうございます〜いやーほんと焦りましたよ。まだ操作にも慣れてないのに、いきなり部長のお出ましですもん」
OGは、チビドラゴンに目線を向けて話しかける。チビは360°をカバーする複眼でOGを写している。
「でもあの警備部長、一人語り多めで隙あったのでそこに勝機を見出せました。ミカエルさんでしたっけ?いいキャラでした」
竜と人のハーフの見た目をしたOGは、ズンズンと通路を進み部屋に入る。
「おや?情報端末がありますね。早速調べてみましょう」
OGは端末にインタラクトしてささっと情報を流し読みする。
「なるほど、面白い。非常に興味をそそられますね」
OGの端末操作でマップ画面が表示される。ある区画で激しい戦闘が行われているようだ。
「おっ、ここで何だか楽しそうなことをやってるようです。行ってみましょう!」
◆
「あっ、あそこですね!」
OGはチビドラゴンに目線を向けつつ奥を指差した。チビドラゴンはその方向をレンズの目で追った。
「プレイヤーパーティーと思しきご一行とエネミー軍団が派手にやり合ってますね。わー、楽しそうだな」
一人と一匹は広く開けた区画の奥まった場所にそっと近づいていった。そして少し声のトーンを落として言った。
「急にバトルに加勢したらマナー違反かな?誰なんだろう。なんせ開発中のタイトルなので…開発者の方かな?デバッガーの方かな?」
指先をちょいちょいとしてチビドラゴンを呼び寄せ、肩にとまらせると姿勢を低くしてノソノソと至近距離まで近づく。
「まずはしばらく様子見してみましょう」
◆
きっかけは敵のトラップだった。
囚さんを救出に向かう途中に重さを感知する地雷トラップに引っかかってしまった。
その時はイッチ、ミミミ、ぴーちゃん(ヨバン)の3人が集団行動中で、先頭を進んでいたイッチが感圧板を踏んだ。
「あっ、まずい…やってもた。いや、やっちまった…」
「動いちゃダメ」
美人アサシンのミミミが背後から忍者のイッチの帯をギュッと引っ張る。
地雷トラップの感圧版を踏んだ時は焦って飛び退いてはいけない。センサーは踏んだ足を引き上げた時に反応するためだ。地雷が起動すると踏んだ本人の即死は免れない。つまりイッチがリスポーン…スタート位置まで戻されてしまう。周囲のメンバーは即死を免れたとしてもHPをごっそり持っていかれるだろう。その場で硬直するイッチ。
「ご安心あそばせ。代わりになりそうなオモリを探して来ますわ☆」
「ごめん…ぴーちゃん」
ぴーちゃんとはヨバンのこと。VR外ではヨバンさん呼びで問題ないが、プリマドンナの時には「ぴーぽっど」または「ぴーちゃん」呼びしないと返事をしてくれない。
ぴーちゃんがオモリ探し、ミミミが周囲警戒、イッチがその場待機…と分散行動した矢先、遠方で警報音が鳴り響いた。
「ブー↑オンッ↓」「ブー↑オンッ↓」「ブー↑オンッ↓」
一瞬焦ったが、自分達が発見された訳ではなさそうだ。
ミミミが近くの情報端末で調べたところ「警備部長ミカエル出動」とある。これまで敵が自分達以外と戦っていることなど一度もなかった。
「んー、どういうことかな?」
情報端末に気を取られている隙に先程の警報で出動してきた敵一群と鉢合わせしてしまった。抜群の作戦遂行能力を持ちメンバーの信頼も厚いミミミとしては痛恨のミスだ。
一方ぴーちゃんは見つけた重い箱を懸命に引きずっていた。もう少しでイッチのところに到着…というところで箱が変形して警備ロボになり、イッチとぴーちゃんは度肝を抜かれた。
うん、ピンチですね。
イッチは片足が感圧板から外れないようにしながら変なダンスのような動きで必死に敵の攻撃をかわしている。
ミミミは痛恨のミスのショックが隠しきれずにずっと「はははは」と空笑いを続けながら心ここにあらずの戦いをしている。
ぴーちゃんは警備ロボとの戦いで防戦一方だ。
◆
「うん、しばらく様子見して分かりました。このご一行はどうやらピンチのようですね。ということで、参戦しちゃいましょう」
物陰から飛び出すOG。
「やぁやぁ、我が名は、おんりーごっつ。助太刀いたす!」
颯爽と登場した竜人姿のOGを見てイッチは我を忘れるほど驚いた(竜人はOGのアバターとしておなじみだ)大ファンのVRtuberが目の前に突然現れたからだ。
「ごっつさん!ふぁ!?なんで、ごっつさん!?マジで?うぉぉ、ごっつさーーーっ」ドッカーーンッ!!
イッチはOGに駆け寄ろうとして思わず感圧板から足を離してしまった。
これにはOGも驚いた。
「なんやて?!!」
◆
「イッチ君には悪いことをしました。突然現れたらああなっちゃうよね」
OGがイッチの肩をぽんぽんと叩きながら言った。
バトルが終わった後のようで、敵の姿はない。周りにミミミとピーちゃんもリラックスした感じで立っている。OGの傍らには滞空するミニドラゴンの姿も見える。
「とんでもないです、ごっつさん。ボクの爆発のとばっちりでHPほとんど持ってかれたでしょう。本当にごめんなさい」
「いやいや、なるほどね。感圧板踏んだ状態だったんですね。それを見抜けなかったボクが浅はかでした」
OGは竜人の猛々しい姿ながら優しい眼差しをイッチに向けた。
「イッチ君、何だか軸足固定で不思議な動きしてるなーとは思ってたんですが…」
「イッチ君もそんなに恐縮することないかもよ?」
ミミミは言った。
「OGは…ご本人の前でもOG呼びして大丈夫かしら?爆発直前にちゃんと回避の体勢取れてたからそれほどダメージなかったんじゃないかな?」
「はい、幸いにも」
OGはにっこりと同意した。
「イッチ君が爆殺されてから…(OGがミミミの方を手で指す)我に返った感じで動きキレッキレになって大活躍でしたね」
「ミミミです。OGの竜人さんも凄かったですよ。初めてなんですよね?さすがです」
「そして…(OGがぴーちゃんの方を手で指す)躍るように華麗に戦う姿、見とれてしまいました」
OGに褒められてぴーちゃんは照れくさそうにしながらも一歩前に出て言った。
「OGと一緒に戦えて光栄でしたわ。きゅるりん☆」
「あれ、ヨバンさんはゲームやらないから、ごっつさんのこと知らないかと思ってました」
イッチが不思議そうにぴーちゃんに尋ねる。
「ヨバンは知らなくても、このぴーぽっどはよぉーく知ってるよ☆ワタシのことは、ぴーちゃんて呼んでね☆OG」
「ピーポッド…さやえんどう??どーもです、ぴーちゃん☆」
ぴーちゃんのいつもの決めポーズを真似しつつ答えるOG。お茶目な人だ。
「あぁぁっ、オレもごっつさんと一緒に戦いたかったなぁぁっ」
イッチはジタバタ地面で足踏みする。
「リスポーンした後ウキウキしながら急いで戻ってきたのに、もうバトル終わってるんだもの」
「楽しみを奪ってゴメンね。ボクもイッチ君と一緒に戦ってみたかったよ」
「あぁぁ…ごっつさんがオレを見ながらオレのこと話してるぅ。何で?何でごっつさんがここにいるの?!」
◆
OGを含めた4人編成で囚さんを無事救出し、その後のちょっとした座談会までたっぷり尺を使ったゲーム実況の配信が終わった。
ツクモは今回のOG乱入騒ぎの一部始終を開発室でモニターしていたため目撃していた。そして混乱した。この情報リークは自分が仕組んだものではない。OGのことは活躍ぶりをネットニュースでチラ見した程度で詳しくは知らない。
販売元ゲーム会社から今回の動画配信の件は聞いていない。そもそも本来のゲームステージではないこのUFO内部には、ツクモの管理する大阪の開発会社にあるこのスキャナーゲートからしか入れないはずだ。どうなってる?誰の手引きだ?
実況配信後すぐに、販売元ゲーム会社と開発協力会社は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。やはり今回の件はゲーム会社が依頼したものではなかった。
販売元はVRtuber「おんりーごっつ」に問い合わせを行った。OGは、まず販売元が望まぬ配信を行ったことを陳謝。
OG自身、販売元に話が通っていなかったこと知らずに配信した。求められればアーカイブ化されている前回の配信映像の削除、並びに今後の配信は取りやめるとの回答だった。
ただ、このゲームを大変気に入ったので、できれば今後も応援させてほしいと一言添えられていた。
販売元は再三OGをこのゲームに招待した人物について問い合わせするが、それは明かせないの一点張りだった。OGの実況配信はプロダクションなどに所属していない個人が運営しており、情報開示などには時間がかかりそうだった。仕方なく販売元はそちらは一旦保留として各関係開発会社の調査へ力を入れる。
ツクモの勤める大阪のゲーム会社にももちろん調査が入った。実際OGの件にツクモは関与していないが、今の状況はとても危険だ。実況では実際のゲームステージには無いUFO内部のステージが映された。またプレイヤーメンバーとしてイッチ達の存在も明るみに出てしまった。
イッチ達デバッガーの情報は販売元にまで伝えていないのでしばらく時間は稼げるかもしれない。今一度デバッガー各位へ守秘義務徹底を通達しなければ。
このレジスタンス活動が世間に発覚するまでそう時間は残されていない。ツクモはそう感じていた。
◆
販売元ゲーム会社は今回の情報リーク事件を不問に付すことにした。結局、開発協力会社への徹底調査でも何も分からず、OGのIP特定もできなかった。
そしてOGのゲーム実況に対する世間の評判はすこぶる高く、販売元ゲーム会社には好意的な問い合わせが殺到していた。
OG本人との関係性もそこまで悪くない。OGはこのゲームの実況配信の継続を強く希望している。当初の広報戦略とは違うがブームの仕掛け役として人気VRtuber「おんりーごっつ」を抜擢する…それが一番良い選択だと判断した。
◆
今日も大阪上空の巨大UFOは表面上何も無いかのように大阪上空に静止し続けている。救助した人は100人を超えた。これだけ内部をイッチ達に蹂躙されているのにも関わらず、何故UFOによる地上威嚇攻撃などの対抗手段を打たないのだろうか?
救助した人々のケアを担当しているガブリエル本田によると拉致被害者には奇妙な共通点があった。被害者は全て大阪在住者のようなのだが、誰も彼も自身の話をしたがらない。そして、救助されたことを喜んでいいのか悩んでいる節がある。探りを入れた感じでは、どうやら犯罪者だったり自殺志願者だったりの訳ありの人々らしい。
100人もの人質を解放しているにも関わらず、社会的反響がまるでないのは不気味なぐらいだ。政府が作戦から身を引いた今、この件に関してマスコミに報道規制が敷かれているとは考えにくい。
何のためにこの活動をしているのか?OGの件があって疲弊ぎみのツクモは、始めてしまったレジスタンス活動へのケリのつけ方に悩む。
そして…ツクモが危惧していた世間への発覚は、十分に対策を打てないまま現実のものとなる。
(08月配信_六章_符合につづく)
■Kちゅけの独り言
今回のAIイラストの前書きについて、私がブレーンとして信頼している同期メンバーから意見というか指摘を受けました。
私の賢さの限界を超えたことを、必ずしも正しい使い方ではない難しい言葉を並び立てて、軽く自分に酔いながら書いていると。
そして、この前書きは必ず炎上するだろうと。
小説面白いんだから、そんなところで悪目立ちするべきではないと。
少し悩みましたが、同僚の指摘というか予想を突っぱねて掲載することにしました。
メンタル強くないし、炎上はしたくありません。でもAIイラストの未来のために行動したい。
………。
うん、自分に酔ってますね。
確かに「車輪の再発明」は覚えたての言葉を言いたかっただけかもしれません…。テヘッ。
◆
前回の後書きで書いた嬉しい知らせの件、あれ忘れてください。
悪質ないたずら?でした。
この顛末はまた機会があれば語りたいと思います(封印したい記憶なので語らないかも?)
ゲーム会社新人カリキュラム課題「なろう」小説連載で人気得るべし…を遂行中。
という訳で…ブックマーク、☆評価をよろしくお願いします~
上下 Kちゅけ(ゲームデザイナー)





