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3つの魔法

ユリーシャは帰ってしまったが、カレンはまだ残っている。カレンが残っているから、俺も部屋に戻ることなくとどまってしまう。いいのか?ついていかなくて。


「ユリーシャ様は伝えそびれてしまったが…今日の夕食はショウと一緒に食べたいそうだ。時間になれば私が呼びに行く。それまで待っていてくれないか?」

ユリーシャの姿が見えなくなってから、カレンが切り出した。


「分かった。待ってるよ」

それだけ伝えると、カレンは帰っていった。ユリーシャが言えなかったことは、食事のお誘いだったようだ。何と言うか…微笑ましいですな。


さてと…部屋で待つのは別に構わないが、手持ち無沙汰である。そうなってくると、自然と魔剣に手が伸びた。ユリーシャから貰った魔法具だ。それを手に、特に意味もなく部屋の中を歩き回る。


ふと、机の上にあるシックな木箱に目が止まった。素人目にも凝った装飾が施されている業物だ。こういう物を安易に触るのはどうかと思い、俺は遠巻きに見てしまう。確か2階の部屋にはなかったはずだ…何だこれ?


『それはオルゴールです。音楽を聴くための魔法具です。蓋を開けると演奏が始まります』

俺の疑問に、魔剣が答えてくれた。恐る恐る蓋を開けてみると…オルゴールによる演奏が始まった。


…。


ふむ、これは…思っていた以上に豊かな音色だ。この大きさのオルゴールでこんな音を出せるとは思わなかったな。魔法の力、恐るべしですね。1曲だけかと思いきや、何曲も入っているようだ。聞いたことのない曲ばかりだが、曲調は嫌いじゃない。


オルゴールを聞きながら、俺は再び手持ち無沙汰になってしまった。何をしようかな?魔剣によると、この部屋には他にも魔法具があるようだ。でも、別に使ってみたいとは思わない。一番、使ってみたい魔剣は使用禁止だもんな。


あれこれ考えていると、あることが気になった。ユリーシャは大学を卒業する時の研究で魔剣を作ったと言っていた。その際に、まったく魔剣を使わなかったのだろうか?もし使っていたのなら、ユリーシャが何らかの魔法を創っていたとしても、おかしくはない。ちょっと調べてみるか!


(これまでに創った魔法をすべて見ることはできるか?)

『承りました。暫くお待ち下さい』

すぐに一覧が作成された。


創造した術式魔法の一覧

燃え盛る炎の豪球

パーフェクトスキルリプレイ

冴えわたる感覚

シックスセンス


俺が創った魔法が1つ、初めて見る魔法が3つある。この魔剣を作ったのはユリーシャだから、消そうと思えば消せたはずである。それをわざわざ残している、ということはこの3つの魔法は俺が使っても問題はないだろう。早速どんな魔法なのか見てみよう。まずはパーフェクトスキルリプレイだ。


術式魔法名:パーフェクトスキルリプレイ

術の概要:一度見た技を完璧に再現することができる。効果は30分。


なかなか便利そうな魔法だね。これから魔法戦士を目指す上で、剣術等の戦闘術は必須だろう。それらの技術を身に付けることの助けになるはずだ。お次は冴えわたる感覚ね。


術式魔法名:冴えわたる感覚

術の概要:五感(視・聴・嗅・味・触)のすべてが本来持ち得た状態に冴えわたる。効果は30分。


(ちょっと聞きたいんだが…例えば視力が落ちているのが回復するってことはあるのか?)

『効果時間中は回復します』


それはありがたい。実は訳あって目があまり良くないのだ。と言っても日常生活を送るぶんには何の問題もなく、車を運転するときにはメガネが必要という程度なんだが…。それでも不安要素だったからな。ホッとしたよ。最後にシックスセンスを確認しておこう。


術式魔法名:シックスセンス

術の概要:少し先の未来が見える。効果は30分。


未来の見え方にもよりけりだが…これは実際に使ってみないと分からないな。


魔剣の新たな魔法が色々と分かったところで、カレンが俺を呼びにきた。夕食はこの邸宅にあるレストランで食べるようだ。ちなみにレストランは2つある。昼食を食べたのが『大衆食堂たけのこ日和』で、これから俺達が行くのが『レガルディア料理店ラナンエルシェル』だ。ユリーシャはもう待っているらしい。

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