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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第1章 魔剣の使い手

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伝説のメイドかふぇ

そうなってくると、リアルナさんだな。本性さえ現さなければ、リアルナさんは常識人でスタイルは抜群だし、昔取った杵柄で接待は得意中の得意だろう。という訳で、俺はリアルナさんに頼んでみることにした。


「あなたの頼み事だからできれば聞いてあげたいんだけど…」

またしても断られてしまった…。


リアルナさんが問題を起こしたのは今から8年前。この頃にはもう売春から卒業していたそうだが、同期や歳の近い魔法戦士にはまだ続けている人もいた。そんな娼婦の達人だった方々も売春から足を洗うことになり、その送別会を盛大にしようという話になったそうな。


そのためには先立つものが必要だ。ちょうど収穫祭の時期である。これはかふぇで稼ぐまたとないチャンス!誰が思いついたのかは知らないが、そういう方針で運営されたのは事実のようだ。


そんな訳で、この年の『メイドかふぇ・秋のララバイ』はセクシーメイドカフェになってしまった。ララバイ要素はゼロだな…。


リアルナさんや、そのお仲間であるそっち系の人達が全力で接待するかふぇは、大盛況だったらしい。この年の売上は例年よりも桁が2つも違う空前絶後の大記録だった!


とは言え、だ。


彼女達はちょっとやり過ぎてしまったようだ。リアルナさんが言うには「サービスへのお気持ちをチップとしてほんの少しいただいただけ」らしいが、それはほんの少しどころでは済まない額だった…いったいどんなサービスをしたんだ?


それを工面するために、ある者は生活費に手をつけた。友人に借金をする者もいたらしい。別の者は会社の金に手をつけた。犯罪行為に走る者もいたそうだ…。


これをゴシップ紙が大々的に報じ、軍には批判が殺到した。最終的には軍の意向で和解が成立。軍から被害者に見舞い金が支払われ、この時のメンバーはかふぇから永久追放処分になったそうだ…そりゃそうなるわな。


ティアリスが駄目、リアルナさんも駄目、となると…もうカレンしかいない!アホ女や変態女のように問題を起こしているとは思えないが、男勝りで真面目一辺倒なカレンにメイドかふぇが勤まるのか?いやいや、かなり難しいだろう。


しかし、そうなってくると…お、俺かっ!想像してみよう…3日間メイドかふぇの裏方として働くことを。


くっ…嫌すぎるぜ!そもそもそんなことになったら、ユリーシャとデートすることだって難しくなるかもしれない。デートの件はリアルナさんに丸投げしているので詳しいことは分からないが、ユリーシャだって前向きに考えているはずだ。だが…カレンが受け入れてくれるか?


「どうしたの?」

頭を抱えている俺に、リアルナさんが呑気に聞いてきた。状況が飲み込めていないのだ。俺はこれまでの経緯と、頼める相手がもうカレンしかいないことを説明した。


「なるほどねぇ…ティアリスも難しいとなると…」

リアルナさんも弱り気味だ。まさかの難問発生である。


「うまく行くかどうかは分からないし、あなたは気が乗らないかもしれないけど…ユリーシャ様と協力して説得するしかないんじゃないかしら?」

さすがにこの案には俺も眉をひそめてしまった。


カレンはユリーシャの頼み事なら聞き入れてくれるかもしれないが、それは権力を笠に着ているようで…できればそんな手はとりたくない。だが、俺一人でカレンを説得できるかというと…これは無理だろう。


「そうだな…それしかなさそうだな」

もし、ユリーシャがそんなことをするくらいならデートをやめると言い出したら…それはもう仕方がないだろう。不本意ながら裏方をやるさ。

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