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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第1章 魔剣の使い手

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秘密の情事

「…いいですよ」

不愉快な気がしなくもないが、そもそも脅されている訳ではない。悪くはない取引のはずだ。


問題はユリーシャがこの件をちゃんと了解しているのかどうか…だな。もし、ユリーシャが何も知らないで俺達が陰でこそこそ秘密の情事をしていることがバレたら…これはヤバいですよ。いや、激ヤバですよ!


「もしかして…ユリーシャ様のことを気にしてる?それなら大丈夫よ。ユリーシャ様はこのことを理解しているし、それに…私はユリーシャ様とも関係を持っているから」

「はいぃ?」

そいつは今日一番の衝撃的告白だぜ…。


「別に驚くようなことじゃないでしょ?ユリーシャ様だってもう17歳なんだし…そろそろこれから経験なさることを予習してもいい頃だわ」

「予習か…」

そんな予習は初耳だぜ。


「そうよ。これから私とあなたがするようなことをね。もちろん、ほんの走りだけど」

リアルナさんが何でもないことのように話しているところを見るに、それがこの世界の常識のようだ。それなら受け入れないとね。それを踏まえて想像してみよう。美少女のユリーシャが性欲の塊であるリアルナさんにベッドの上で…。


「失礼なことを想像するのは構わないけど…そろそろご褒美の時間じゃないかしら?」

ご褒美…ですか。性獣さんの表現はひと味違いますね。とは言え、これ以上聞きたいことがある訳でもない。


「分かってますよ」

待ちに待ったご褒美に喜色満面のリアルナさんに促され、俺は寝室へと向かった。


「手を抜いたら承知しないからね!」

「しねぇよ!」

こういうことは初めてではないのだが、こんな女は初めてだ…。


想像以上に濃密な時間を過ごした後、俺はシャワーを借り汗を流した。とっとと自分の部屋に戻ることにしよう…そう思いつつ黒雷を着て寝室に戻ると、リアルナさんはまだぐったりとしていた。


「ずいぶんとあっさりしているのね…さっきまであんなに激しかったのに」

余韻を楽しんでいるかのように横になっているリアルナさんに、先程までのあれやこれやを指摘され、俺は少し恥ずかしくなった。


「激しかったのは俺じゃなくてリアルナさんですよ…オルゴールがあって良かったですね」

だから、そこは冷静に指摘しておこう。俺はそんなに変態じゃない。


「仕方がないじゃない…我慢できないのよ。でも、そのほうが燃えるでしょ?」

ベッドの上で毛布に包まったリアルナさんが、セクシーな微笑みを浮かべた。


「まだ物足りないんですか?」

俺は呆れたように聞き返した。どんだけ性欲が強いんだよ…。


「まさか…充分よ。やっぱり若い子って凄いわねぇ…」

それは確かにそうかもしれない。


「次はいつにする?私はいつでもいいわよ」

「そのうちに…」

終わったばかりだというのにもう次かよ…さすがに気が早くないか?


「ユリーシャ様はあなたに好意を抱いているわ。あなたも満更ではないんでしょ?」

「まあ…そうですね」

いきなりそんな話をされると、少し戸惑うな…。


「私とは違うやり方で言いくるめると、あの子も体を赦すでしょうね。でも、あなたはそういうことをするタイプじゃない」

「意外と狼かも知れませんよ?」

リアルナさんは「お見通しよ」とでも言うようにふふっと笑った。


「あなたって自制心はかなり強い方よね?それでも若い男の子であることに変わりはないわ。我慢できなくなる時は必ずやって来る。そんな時、どうするの?」

どうすると言われてもね…さすがに答えづらい。


「『飾り窓』に行って女の子を買うのかしら?止めておいた方がいいわ。高くつくわよ。それとも自分で処理するつもり?それもありでしょうね」

色んなやり方があるが、声に出して指摘するのもどうかと思う。


「でも、そんなことをするくらいなら…ここにあなたの性欲のはけ口になってもいいと言っている女の子がいるのよ?そういう便利な女の子は利用するべきじゃないかしら?」

確かにその通りなのだが、引っ掛かってしまった言葉がある。それが俺の口からポロリとこぼれ落ちてしまった。


「女の子?」

「女の子なの!誰が何と言おうと女の子なの!何か文句ある?」

「あ、ありません…」

まさに怒髪天を衝く勢いのリアルナさんに、俺はたじろぎながら何とか答えた。


何という失態だ…万死に値する!マズい…このまま帰る訳にはいかないぞ。しかし、どうすればいいのか?怒りモードのリアルナさんを前に焦る俺は…何も思い付かねぇ!そんな俺の危機を救うべく、魔剣がある提案をする。


…。


そ、そんなんで上手くいくのか?しかし、他に手がある訳でもなく…それで行くっきゃねぇ!俺は素早くリアルナさんに近付き、覆い被さるように両手をベッドについた。リアルナさんは反射的に毛布を掴み、縮こまる。


「次までちゃんと我慢してろよ、雌イヌ。そうすれば…」

そこで更に顔を近付け、リアルナさんの耳元で止めの一言を放ってやる。


「たっぷりご褒美をやるからよ」

「…はい……分かり、ました…」

リアルナさんは吐息のような答えを返してきた。これで大丈夫だろう…俺は余韻を楽しませるようにゆっくりと体を離し、踵を返すと素早くリアルナさんの部屋を後にした。リアルナさんが変態で本当に良かったぜ。

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