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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第1章 魔剣の使い手

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意外な訪問者

結局9月はカレンにティアリス、リアルナさんとの模擬戦や、ユリーシャが造ってくれたライラリッジでのトレーニングづくしの1ヶ月だった。


進歩していることは確かだ。模擬戦を始めたばかりのころと比べると、彼女達に近付けている感触はある。でも、一向に勝てない…。


ライラリッジの街は自由自在に駆け抜けられるようになった。でも、どこかぎこちなさを感じる…。暗中模索の日々、俺は完全に壁にぶち当たっていた。9月はそのようにして過ぎていった。


あいつらは何か俺の知らないことをしているんだよな…。模擬戦で何度も何度もボコられた。ライラリッジの街を知り尽くす程に駆け抜けた。それで…何となくだが気が付いたのだ。


上手く表現できないが、同じような動きなのに、俺よりもずっと無駄がないように感じる。では、その無駄のない動きを身に付けるにはどうしたらいいのか?…うーむ、分からん。深い霧の中に迷い込んでしまった俺に、意外な訪問者があった。


「こんばんは」

リアルナさんである。


「お疲れ様です…」

正直に言うと、この人のことはちょっと苦手だ。


「頑張ってるのねぇ…」

「そりゃまあ…早く一人前になりたいですから」

俺より10年以上長く生きているリアルナさんには、それだけ積み上げてきたものがある。


「一人前になって…その後はどうするの?」

「その後は…分かりません。その時になってから、ですかね」

その年月は浪費したものではなく、濃厚なものだ。だから、嘘をついてもすぐに見破られるような気がするし、隠している本音をさらけ出されるのでは…という恐怖がある。


「ずっとレガルディアにいるの?」

「どうですかね…世界は広いですから」

ユリーシャが色々と相談をしているというのも気に入らない。


「じゃあ、退役して…大陸に行くとか?」

「退役した魔法戦士には色んな道があるそうですから…それも1つの手ですね」

別に嫉妬している訳ではない。ただ単に、余計なことをされたくないだけだ。


「ところで明日のことなんだけど…」

「はい」

明日の非番は確かリアルナさんだったな。この分だと明日は家族サービスで、俺とトレーニングはできないっぽいね。


「デートしましょうか?」

「はいぃっ?」

予想の斜め上を行くリアルナさんの爆弾発言に、俺は素っ頓狂な声を上げてしまった。


「私みたいなおばさんは嫌?」

「そ、そういう訳じゃあないですけど…」

全然、ストライクである!いやいや、そういう話ではなく。


「結婚されてますよね?いいんですか?」

「その辺は大丈夫なのよ。ちゃんと旦那様の了解はとってあるから。つまりこれは公認の浮気なの」

公認の浮気、ですか。いやはや…。


「分かりました。でも俺、ライラリッジですら詳しくないですよ?」

実は知り尽くしているが、さすがにそれは言いたくない…。


「そこら辺はお姉さんに任せておきなさい!」

断るという選択肢はなさそうだな…これは。


「じゃあ…よろしくお願いします」

だから、俺は成り行きに任せることにした。


「こちらこそ。明日の10時でいい?」

「大丈夫です」

そうと決まれば、話はトントン拍子で進んでいった。


「じゃあね。また、明日」

口角をわずかに上げ、ほんの少し上の歯をチラつかせて笑うリアルナさん、上品ですね。


「はいっ」

白の部屋から立ち去るリアルナさんをニマニマしながら見送る俺、下劣な野郎だ。


大人の女性の性的魅力に燃え上がる若い体に、俺は苦労してしまう。とてもじゃないが、まともな思考ができそうにない。すると今日も指輪の中にしまわれている魔剣が、余計な提案をしてきた。


『これまでのリアルナ様のデータを元にフルヌードリアルナを作成しますか?』

リアルナさんのフルヌード!それは興味津々なのだが、ここは断腸の思いで断ることにした。

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