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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第5章 カルルタリチェの悪魔

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平穏なのも困りもの

この日の夜、『インシグネ』の営業が終わった後にカルルタリチェでお世話になるかもしれない人達と顔合わせをすることになった。もちろん、全員レガルディアの魔法戦士である。この会合をすぐに実施しなかったのは、下衆の勘ぐりを防ぐためだ。


『インシグネ』で窓口役を務めるマニエラさんから聞いていたが、ゼフィルスは表向きはカルルタリチェの西部方面を指揮している団長だ。そんな人物と俺達がやって来たその日のうちに会うと、何かあるのでは…と誤解される恐れがある。それは得策ではない。そういう意味では、ジルニトラとはまったく違うね。


そのゼフィルスは、ナイスミドルという言葉がぴったりと似合う渋い中年の男である。イケオジだね。ユリーシャと出会えたことは望外の喜びとか何とかで、とにかくイケオジは感動していた。大袈裟なような気もするが、この男が言うとちっとも大袈裟に聞こえない。さすがイケオジ。


そして、このゼフィルスの懐刀として動いているのがクドゥスだ。ある種の風格を漂わせるクドゥスは、熟練の魔法戦士である。近いうちに副団長に昇格するんじゃないかと噂されているそうな。もっとも本人は自分よりも相応しい人がいるとか何とかで、謙遜しているが…さしづめイケオジ見習いといったところだな。


そのイケオジ見習い…いや、クドゥスの従者をしているのがザジニだ。口数は少なく、ニコニコと愛想笑いを浮かべている男だ。年の頃はクドゥスと変わらないように見えるが、見る者を引き付ける魅力を持つクドゥスに対して、ザジニはどこまでいっても地味である。おそらく意図して装っているのだろう…陰で動く男なのかもしれない。


一方で、同じ正規の魔法戦士とその部下でも、なり立てほやほやの新人魔法戦士のティルスとその従者のピアストリは、チャラいという言葉がよく似合う。2人とも若いうちに遊んどけという言葉を体現しているようだ。


聞けばゼフィルスも若い頃はチャラかったそうだ。と言うことは、チャラ男コンビも将来的にはイケオジになるのかもしれない。今のゼフィルスを見ると、チャラいゼフィルスは想像できないが…。


もちろん、この5人以外にもカルルタリチェで活動しているレガルディアの魔法戦士はいる。ちょいちょい厨房から出てくる女の子とかね。


外したのはまだ未熟だからだろう。『ティート』のエミリアや『ピーノリブロ』のカティルと比べると、普段の動きに硬さを感じてしまう。『インシグネ』にやって来て、まだ日が浅いのかもしれない。精進したまえ。


小一時間ほどチャラい話で盛り上がり、今日のところはお開きになった。チャラ男コンビも元チャラ男も、やる時にはやるタイプのようだ。頼もしい限りである。


翌朝は『インシグネ』での朝食を兼ねた観察から1日が始まる。ここにやってくる人々の色々な悩みや愚痴は、ただ単に聞いているだけでも面白い。


とは言え、俺達の目的は人間観察ではない。もちろん、その中に事件の芽があるのかもしれない…これまではそうだったからな。だから、それを疎かにするつもりはない。それでも今後の方針を立てておく必要はあるだろう。


「それで…これからどうするのだ?」

いつものように、先回りをして話を切り出したのはカレンだ。


「しばらくはカルルタリチェに滞在するとして…どう動くか?だな」

ゼフィルスをはじめとした協力者達を紹介されたばかりとあっては、すぐにカルルタリチェを後にするという選択肢はない。


「こういう場合は二手に分かれて行動するのが最適手よ」

「見える範囲が広がるのはいいことでし!」

一位武官コンビの言い分はもっともだ。


「新しいお店の開拓も、した方がいいかもしれないですね~」

『インシグネ』のような雰囲気の店があれば、そこが事件の起点になるかもしれない…ほんわかさん、なかなか鋭いね。


「決まりだな。俺とアマユキ、フェリシアさんで北部方面を見て回る。ユリーシャ達は南部方面を頼む。東部は状況に応じてやっていく。これでどうだ?」

もちろん、誰からも異論はなかった。


あの女が何を企んでいるのかは分からないが、このカルルタリチェでも必ず事を起こすはずだ。何をやるつもりなのかは知らねえが、その先にいるアイツを何とかできるかもしれない。その可能性がそれほど高くなくても、やらないという選択肢はない。やってやるさ!

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