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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第4章 パルシファルの嫁と姑

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ブラフの応酬

弾かれたように俺はティアリスから離れた。ヴァルキュリアは接近戦を得意とし、ハーピーはむしろ中距離で強みを発揮しているように思える。2人の連携を阻止するためには、ティアリスがヴァルキュリアを抑えている間に俺がハーピーを倒す。これしかない。


一直線にヴァルキュリアに突っ込むティアリスに対して、俺は回り込みながらハーピーに光の矢を放つ。もちろん、ハーピーは余裕でこれを避ける。これでいい…これでヤツの注意は俺に向いた。ここからはハーピーとサシでやり合うぜ。


空中で本領を発揮するハーピーに空中戦を挑むのは悪手。これまでの経緯で、ダンシングワンズの射出ではヤツを捉えられないことも分かっている。ならば一斉射撃だ。


ズドドドドドドッッッ!


だが、空中はヤツの領域。射線上から軽々と逃れられ、一斉射撃は空砲に終わってしまった。この間にヴァルキュリアにも浮気の光の矢を放つが、余裕で避けられてしまう。有言実行した俺に、ティアリスは笑みを浮かべているようにも見える。


「キエエエェェーー!」

一方でこの浮気はハーピーには不評だったようで、叫び声を上げながら竜巻を放ってきた。だが、その範囲は狭い。俺は易々と逃れ、お返しの光の矢を放ってやるが、こちらも余裕で躱されてしまう。


「キョッ、キョッ、キョッ」

あの野郎、笑ってやがるぜ。


ハーピーが言葉を喋るのかどうかは分からないが、ヴァルキュリアとは意思の疎通ができているようだ。独自の言語があるのかもしれないね。


それはともかく、ハーピーの機動力を考えると、中距離での差し合いが最適手だとは思えない。できれば接近戦に持ち込みたいところだが、それを嫌うハーピーに距離を取られてしまう。やるな…だったら中距離戦で片を付けてやる。この距離では有利だと思っているのなら、それは大間違いだぜ。


差し合いは一進一退の様相を呈している。だが、俺は何の考えもなくダンシングワンズの一斉射撃をしている訳ではない。


それはブラフだ。ハーピーはそれほど知能が高いとは思えない。だから、俺の手は読まれていないはず。その機動力は脅威だからな…今回は二段構えでやらせてもらうぜ。


中距離での差し合いが何度も続く。お互いに有効打を与えられないジリジリとした展開…だが、一斉射撃のタイミングは十分に植え付けてやった。今だ!


これまで放ってきた光の矢はただの光の矢。だが、これは違う…光の矢と明かりの魔法のちゃんぽんだ。強烈な閃光と共に光の矢が放たれる!


「キエエエェェーー!」

閃光をまともに見てしまったハーピーが悲鳴を上げる。それでも光の矢は何とか躱してみせた。


たいしたもんだ…でも、それは予想通りだよ。だからこその二段構え。ずっとダンシングワンズで攻撃していたから、ハーピーは俺が密かに石を隠し持っていることに気付いていない。見た目はまんま野球の硬球のような石。それを光の矢を躱したハーピーに、甲斐キャノンで投げつける!


ドゴォッ!


「キエエエェェーー!」

予想していなかった投石だったのだろう…ハーピーは硬球石をまともに食らってしまった。ざまあみろだぜ!


相当効いたようだ。ハーピーは苦悶の表情を浮かべながら墜落していく。これで終わりだ!俺はダンシングワンズを一斉射撃しようとして、ゾッとするような悪寒に襲われた。撃つことなくその場を飛び退く。


それはヴァルキュリアの殺気だった。ヤツはハーピーを傷つけられたことに、怒りをむき出しにしている。


「ィヤハッ!」

ヴァルキュリアは槍のバトントワリングでティアリスを遠ざけようとするが、その技を見たばかりのティアリスは退かない。回転する槍に対して掬い上げるような一撃を加える!


ガキンッ!


ティアリスの目論みは…半分成功で半分失敗だな。ヴァルキュリアは槍の軌道を変え、弾き飛ばされるのを防ぐと同時に、ティアリスの態勢を崩す一撃を放ったのだ。


「チッ!」

舌打ちしながらティアリスは態勢を立て直すために距離を取り、ヴァルキュリアも暴れる槍を制御するために後ろへ下がった。


今や両者の間には十分な間合いがある。おそらくこれこそがヴァルキュリアの狙い。槍の真ん中を左手で持ち、空いた右手で俺にブーメランを投げつけてきた。


すさまじい勢いで飛来するヴァルキュリアの浮気ブーメラン、それをギリで避けた直後だった。とんでもない光景が見えたのだ…まずい!これはただのブーメランじゃない!!


ゴツンッ!


首を振って避けようとしたが、間に合わなかった。後頭部に強烈な衝撃が走る!ブーメランはブラフ…本命は光の矢だったのだ。


い…いや、違う。これは光の矢なんかじゃない。俺達が装備しているPMAは、見えざる守護などというアレな名前を付けられているが、その性能は折り紙付きだ。


一見すると兜を被っていない頭部が弱点のように見える。だが、そこは不可視の盾で重層的に覆うことで、普通の兜よりも優れた性能を発揮している。アホ女が「試し撃ちでし!」とか言いながらぶち込んできたことがあったから分かる…この攻撃は、光の矢によるものじゃあない!


それが何なのかは分からないが、ダメージは甚大だ。俺は立っていることができずに、膝をついてしまった。目の前の光景が…暗い。星のようなものが、明滅しているのが見える。ブルブルと震える体に気合いを入れて何とか立ち上がろうとするが…駄目だ、立てない!

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