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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第4章 パルシファルの嫁と姑

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鎧の巨人の末路

俺と同じように鎧の巨人とサシでやり合っているカレンは、いつもの魔法剣ではなくメイスを使っているようだ。ならば、これは魔法戦棍とでも言うのだろうか…そんなどうでもいい疑問にも、魔剣はちゃんと答えを返してくれる。


『あれも魔法剣です』

その答えには納得しかねる。服がPMDで鎧がPMAなんだから、それに倣って武器はPMWにすべきだろう…とは思うものの、これはそういうものとして受け入れるしかない。


そんなどうでもいいことを考えている間にも、カレンは自分のやり方で鎧の巨人を追い詰めていく。まったく危なげない足捌きで鎧の巨人の攻撃をいなし、メイスでしっかりと攻撃を当てていく。後になってじっくり観察すると、惚れ惚れしてしまう攻撃だね。


だが、いくら衝撃を与えると言っても、カレンの攻撃では有効打にならない。それを補うための魔法戦棍…いや、魔法剣である。もちろん、それはただの魔法剣ではない。


ドッガアアーーン!


メイスを当てた所が、しばらくして爆発した。その爆発はすべてカレンの制御下に置かれている。だから、的確にダメージを与え、鎧の巨人の態勢を崩す。たたらを踏む鎧の巨人に対して、常に有利な立ち位置で攻撃を仕掛けるカレン。遂に鎧の巨人は倒れ込んでしまった。

だが、それで攻撃の手を緩めるカレンではない。手にしていたメイスを鏡界にしまい、別の武器を取り出した。それはバスタードソード状のメイスとでも言うべき代物だ。どこの鉄血メイスだよ…。


カレンにこんなとんでもないメイスを振り回すことなどできはしない。父親のウラにならできるかもしれんけどね。それでも重力を利用して、この鉄血メイスを下に落とすことはできる。狙いは…倒れて動けない鎧の巨人の頭部。


ドゴォッ!


何とも形容しがたい低くて鈍い音が辺りに響く。その圧倒的な重量で、鎧の巨人の頭部を叩き潰したのだ。そこまでする必要はないだろう…とは思うものの、カレンにはカレンの流儀があるのだ。それに対してとやかく言うつもりはない。


最後の巨人は、どうやらフェリシアさんが1人で対処しているようだ。


「悪い子にはお仕置きしちゃいま~す」

サクリファスの時と同じように、数十本のクズのつるを束ねたムチのようにしなる棒状の何かが、鎧の巨人を取り囲む。


それに対して、鎧の巨人は自身の背丈ほどもある巨大なグレートソードを易々と振り回している。幅の広い刀身は、オーガの怪力で扱うことを前提にして作られたものだろう…それにより、刀の切れ味と重量を利用した破壊力を両立させているのだ。


さらにその刀身は炎に包まれている。他の2人は棍棒だったから、明らかに違うね。どうやらフェリシアさん対策で用意されたようだな。


フェリシアさんの操るクズと炎の大剣を振るう鎧の巨人は、しばらく牽制し合うような展開になった。だが、均衡はいつまでも続かない。


意を決したフェリシアさんが、クズに攻撃を命じた。ムチのようにしなる棒状のクズが鎧の巨人に襲いかかり、それを巨人は炎の大剣で迎え撃つ!


数本の棒状のクズが、巨人の振るう大剣で易々と切り裂かれる。だが、切り口からは白い煙が上がっただけで、クズが炎に包まれるようなことはなかった。


ドゴッ、ドゴッ、ドゴォ!


そうなってくると、多勢に無勢ってヤツだ。鎧の巨人は棒状のクズに滅多打ちにされる。頼みの綱の炎の大剣がほとんど意味をなさなかったことで、戦いは一方的なものになってしまった。


この展開は意外だったのか、ウォーダンは眉をひそめている。だが、俺にはその理由が何となく分かった。それを魔剣が追認してくれる。ならば間違いない。


あのクズの表面には、水でできた膜が張られていたのだ。クズの表面には細かい毛が生えているから、表面張力である程度の保水はできるだろう…それでも水の膜には至らない。これはユリーシャの魔法である。


フェリシアさんがすぐに攻撃しなかったのは、すべてのクズに水の膜が張られる時間を稼ぐため。あの均衡にはちゃんと意味があったのだ。フェリシアさんだけで対処しているように見せて、ユリーシャもしっかりと援護している…さすがですね。


そのユリーシャはフェリシアさんを援護しつつ、ダンシングワンズでハーピーを追い回している。次から次へと射出されるダンシングワンズが、次から次へと光の矢を放つが、ハーピーはそれを軽々と躱していく。


「キエエエェェーー!」

余裕があるのかどうかは知らんが、ハーピーは耳障りな叫び声を上げる。だが、光の矢はあくまでも牽制。本命はアマユキだ!


光の矢に気を取られているハーピーの死角から、アマユキが必殺の一矢を放つ。これは決まった!と思った次の瞬間、矢は炎に包まれ、ハーピーに届く前に燃え尽きてしまった。


このやり口…ウォーダンだな。


機動力があり、竜巻のような突風も操れるハーピーは便利ユニットだ。みすみすやらせる訳にはいかないということだろう。ハーピーもウォーダンも、厄介なヤツだぜ。


一方で、ベンカジやドグラスが苦境に陥っていても、ウォーダンは気にも留めていない。こちらはディサイドとセブラーが中心になって対処していたが、数的にはかなり不利だった。


この状況を打開するために、アマユキが電撃の一撃を付与した矢を放ちまくっていたが、ウォーダンは何もしなかった。どうでもいい存在だということがよく分かるな…雇い主のベンカジにとっては、不愉快極まりないことだろうけどね。


俺が鎧の巨人とやり合っている間に、ハーピーとウォーダン以外は方が付いたようだ。ならばやるべきことは一つしかない。ヴァルキュリアの打倒だ!

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