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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第4章 パルシファルの嫁と姑

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一夜の過ち

覗き見はしないが、出待ちはする。それが俺の流儀だ。という訳でネコたんをホテルの敷地の一角で待機させ、リセクとタリアが出てくるのを待ち受けることにした。


「ピクリとも動かないと、まるで黒猫の置物のようだな…」

これなら誰にも怪しまれないだろう。


「本物のネコたんも、ボーッとしていることが多かったですね…」

ユリーシャが懐かしそうに答えてくれた。


ミランミルを訪れた際に、そこにネコたんと思しき黒猫の姿はなかった。つまり、そういうことなんだろう。置物ネコたんは辛抱強く待っているが、2人はなかなか出てこない。


「これは朝帰りのようでしね!デュフフフ…」

今日は妄想が捗りまくりでしね。さすがに目に余ったのだろう…フェリシアさんが頭をコツンとしております。


「睡眠薬を盛られていたんだから…仕方がないでしょうね」

同じ一位武官でも、ティアリスとアマユキは大違いだな。


それはともかく、出てこないのであれば、このまま観察をし続ける必要はないだろう。あとはネコたんに任せて、俺達は休むことにした。そしてティアリスの予想通り、2人がホテルから出てくることはなかった。


一夜明けて、2人は別々にホテルから出てきた。ネコたんは置物をやめて、リセクの追跡を始める。さすがに罪悪感があるのだろう…リセクはまっすぐ家に帰った。


「これから修羅場になりそうでしね~♪クフフフ…」

他人の不幸は蜜の味。でしでし先輩は本当に好きでしね…。


「そういうことにはならないと思いますよ~」

ほんわかフェリシアさんは、修羅場否定派のようだ。さて、どうなるか?


帰ってきたリセクに、サーニャは何か言いたげだったが何も言わなかった。リセクは言伝て屋を介して、体調不良で仕事を休むことをマルバイユ商会へ伝えた。ビールと薬で本調子ではないのだろう…。


「つまらないでし!」

この展開にティアリスは不満を露にしたが、誰も同意しない。その代わりに、フェリシアさんから頭をコツンとやられてしまった。


では、もう一人の当事者のタリアはどうしているんだろう?ネコたんをマルバイユの邸宅に行かせてみると…ちょうど出勤してきたところだった。


「今朝は艶やかでしね~」

これには誰もがウンウンと頷いた。


「これからのことを話し合いに来たんでしょうね…」

今日もまともなアマユキの見立てにも、みんながウンウンと頷いた。


タリアはいつぞやの強面の男にベンカジへ取り次いでもらい、奥の部屋へと案内された。そこは地味ではあるが、応接室のように見える…もちろん、俺達が案内された部屋とは別の部屋だ。後ろめたいことを話し合う部屋なんだろうな。


何を話し合うのか…気にはなるが、観察をここで中断せざるを得ない。応接室にはヴァルキュリアとウォーダンもいたからだ。


「あと一歩のところで出てきますね…」

ユリーシャは残念そうに呟き、不可視の錫杖を応接室から遠ざけた。


「そうでもないさ」

俺は不敵な笑みを浮かべながら続けた。


「ヴァルキュリアとウォーダン…あの2人があそこにいたってことは、近いうちに大きな動きがあるってことだ」

これは間違いないはずだ。


「そういう意味では墓穴を掘ったとも言えるな」

カレンが俺の後を引き継いで、付け加えてくれた。もちろん、すべてお見通しという訳でもない。


「あのお爺さんは何者なんでしょうね~」

フェリシアさんがほんわかと指摘したのは…応接室の中にいた爺さんだ。わずかな時間しか観察できなかったが、そこには確かに見たことがない爺さんがいた。


「さあな…」

その疑問には答えられない…今のところはね。


だが、あの場にただの爺さんがいる訳がない。マルバイユ商会の不正、ゼレケの殺害…あの爺さんも、この一連の事件のどこかに絡んでいるのだろう。何にせよ明日だ。今日、ヤツらがどのような話し合いを持ったのかは分からないが…明日にはその結果が分かるはずだ。大きな山場を迎えている気がするぜ。

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