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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第4章 パルシファルの嫁と姑

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不愉快な展開

「それで…これからどうするのだ?」

いつものカレンがいつものように今後の方針を問い質してきた。


「ベンカジがゼレケに弱味を握られていたのは間違いないはずだ。問題はそれが何か…ってことだな」

それを知ったゼレケを始末しなければならないほどの秘密、それは一体何なんだ?


「その弱味が分からんことには、ベンカジを詰めるのは難しいでしょうな」

渋い顔のジルニトラが評した。


「何でもいいから突破口が欲しいところですね…」

ディサイドの呟きはもっともだ。そして、それは身近な所からもたらされることになった。


コン、コン…


事務的ではあるが、中にいる者を気遣うようにドアがノックされた。


「何じゃ?」

大事な話をしている最中ということもあり、ジルニトラは厳しい口調で用件を問うた。


「シェリルです。ザヤスが報告したいことがあると申しているのですが…」

やって来たのはシェリルさんのようだ。さすがに困惑を隠し切れないでいる。


そりゃそうだ…ザヤスはレガルディアの魔法戦士だが、ここでは店の常連を装っている若者だ。しかも何をするでもなくいつも駄弁っている。そんなヤツがパルシファルで東部方面副団長の要職に就いているジルニトラに会おうとしているのだ。誰がどう見たっておかしな話である。


「入れ」

それでもこんな所で押し問答をする訳にはいかない。ジルニトラの決断は早かった。自分のやっていることが分かっているのだろう…ザヤスは神妙な面持ちで入ってきた。


「どうしたのだ?」

ジルニトラはザヤスを責めるようなことはしない。だが、多少の不快感は隠し切れない。


「マルバイユ商会の件で…お伝えした方がいいと思われることがありまして」

いつもは軽い感じのザヤスが、しおらしい顔つきで話し始めた。


「実は会計庁に親しくしている女がいるんです。特に何か期待していた訳ではないのですが、マルバイユ商会について尋ねたところ、興味深いことが分かりました」

「ほう…」

ジルニトラが感心したように続きを促した。


「会計庁は内密にマルバイユ商会を当たっています。どうもアルクニクス商会の方から不正を行っているのではないかという申し立てが行われたみたいですね」

「アルクニクスか…」

ジルニトラは何とも言えない思いを込めて、その言葉を吐き出した。


この爺さんは、レガルディアの魔法戦士の中でも位は上の方なんだろう…間違いなくあの女とアルクニクス商会との関係を知っている。だが、そのことを部下には話していないようだ。レガルディアからそういう指示があったのかもしれないが…。


「それで…マルバイユ商会は何か不正をやっていたのか?」

どうやらディサイドもそのことを知らないようで、ザヤスに続きを促した。


「どうも白っぽいようですね。ただ…何かがおかしいとも言っていました」

ザヤスの答えは…何とも言えないものだった。


「専門家の勘というヤツか…」

ディサイドの評価は半分正解だ。それだと50点だね。


「女の勘でもありますね…無視できないものっすよ」

さすがはザヤス…こいつは女たらしなのかもしれないね。


「それで…どうしますかな?」

ジルニトラはこの件をお宮入りさせても構わないと考えているようだ。


アルクニクス商会はあの女の手足となり、悪事に加担してきた。あの女を追うレガルディアの魔法戦士にとっては、敵対組織と言っても過言ではない。今回の一件は、そのアルクニクス商会を利する可能性がある。ならば迷宮入りさせてしまった方がいい…その考えは理解できる。


だが、この件にはあの女が関わっている可能性がある。それを見て見ぬ振りをするってのは…できねえよな。


「ジルニトラ達はマルバイユ商会を当たってくれ。場合によっては会計庁との連携も必要になるだろう…よろしく頼む。俺達はゼレケを調べる」

「分かりましたっ」

こくりと頷くことしかしなかったジルニトラに代わり、ディサイドが威勢よく答えた。


「セブラー、ザヤス、行くぞ!」

どこに行くつもりなのかは分からんが、ディサイドは張り切っている。3人は一礼して個室を出ていった。


「よろしいのですかな?」

後に残されたジルニトラが、渋い表情で聞いてきた。


「この件には赤い髪の女が関わっている可能性があります。見過ごすことはできません」

それに対して、ユリーシャは強い口調で答えた。


「そうとなれば捜査は尽くさねばなりませんな」

他ならぬユリーシャに言われたとあっては、ジルニトラも腹を括らざるを得ない。最敬礼をしてジルニトラは個室を後にした。

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