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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第4章 パルシファルの嫁と姑

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協力者達

今日の予定を終えて『ピーノリブロ』に戻ると、今日もシェリルさんがカレンに何やら紙切れを渡していた。たぶんジルニトラをはじめとしたレガルディアの魔法戦士が挨拶に来るという連絡だろう。昨日の夜、明日にでも他の魔法戦士の紹介をしたいって言ってたもんな。美味しい夕食を食べてコテージに戻ると、カレンが口を開いた。


「今日はジルニトラが来るので、『ピーノリブロ』の営業が終わった後に訪ねてきてほしいとのことだ」

どうやら俺達が出向くことになるようだ。


ジルニトラはこのパルシファルで東部方面副団長の要職に就いている。そんな人物が旅のドルイドのもとを訪れるのは奇妙なことだ。だから俺達が出向くという形になるのだろう。


予定通りの22時を僅かに過ぎた頃に、俺達は『ピーノリブロ』を訪ねた。すでに食堂の入り口には閉店のプレートが掛けられている。カレンが戸を叩くと、シェリルさんが出てきてすぐに中に入れてくれた。


一見すると店員さんだったりお客さんのようにしか見えない人々が、俺達を出迎えてくれる。その中の一人、強面ではあるがお茶目な一面もある爺さんがジルニトラだ。ユリーシャに会えたことに感激しているね。


それから、ちょいちょい厨房から応援に出てきていた女の子がカティル。働き者です。店の常連を装っている若者はザヤス。いつも駄弁っています。


この2人はいつも『ピーノリブロ』にいる。店員や常連を装っているが、いざという時にはシェリルさんの手足となるのだろう。


一方でジルニトラの目として動いていると思われるのがディサイド。ジルニトラの甥に当たる見習い魔法戦士だ。甥だからか…あまり似ていないね。それから、ディサイドの従者のセブラー。どこからどう見ても一般人である。


パルシファルに潜伏しているレガルディアの魔法戦士は、これだけではないはずだ。そのすべてを知る必要はない…さしあたってはこれで十分だろう。小一時間ほど談笑し、今日のところはお開きになった。


翌朝は『ピーノリブロ』での朝食を兼ねた観察から1日が始まる。これといった収穫はないが、人間観察は面白いね。


ここでダラダラするのも悪くはないが、俺達にはやることがある。昨日に引き続き、魔法樹の健康診断だ。といっても、やり残しは僅かだからな…特に問題もなく終わってしまった。


「時間もありますから…風車を見に行きませんか?」

風車を見に行くことは一昨日の段階で決まっていたことだ。それでも聞いてくるのはユリーシャらしいね。『ピーノリブロ』で昼ご飯を食べてから風車を見に行くことにしよう。


「確か…堤防沿いに風車が並んでいたな」

それはこの2日間で把握済みである。


「そうです。このパルシファルは100基以上の風車でぐるりと囲まれているのですよ」

随分と並んでいるとは思っていたが、そんなにあるのか…。


風車は街の外れ、堤防の上に設けられている。堤防の上には、それ以外にも魔法樹が植えられている…街中よりも密にね。


この街の性質を考えると城壁を設けるのは得策ではない。それで魔法樹が植えられているのだ。そういう事情もあって、ここに植えられている魔法樹はヤバいものばかりだ。


枝や幹にトゲが生えるハリエンジュや、鑑賞には向きそうにないトゲだらけのバラ。ここを無理やり通ろうとするヤツがいるとしたら、ソイツの気が知れないぜ…。


ここはさすがに危ないので、不用意に立ち入ることができないように柵が設けられている。柵には所々に切れ目があり、そこから魔法樹の向こう側に行くことができるようだ。堤防は所々で張り出すような造りになっていて、そこに風車が建てられている。


カレンの先導で、俺達はパルシファルを囲むように建てられている風車の一つに向かっているようだ。もちろん、カレンはアポを取っている。さすがは気配り名人ですな。

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