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目が覚めるとそこは…異世界だった!Ⅰ 魔剣の使い手  作者: 鷹茄子おうぎ
第2章 新たな日常

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レガルディアとライラリッジ

繰り返しになるが今日は7月7日だ。早いもので俺が神隠しに遭い、この世界アルスにやって来て1週間がたった。夢なら覚めてほしいものだが、残念ながら夢ではないので覚めることもない。


だから、俺はこの世界に馴染むためにレガルディアの一般教養をしっかりと学んできた。それだけ勉強すれば、色んなことが分かるもんだ。


まずはレガルディアについて話そうか。レガルディアはレガルディア島を中心に栄えている王国だ。北のフォンラディア諸島と東と南に点在する約4千の島が、この国の勢力圏に入っている。西にはエルベシア大陸があるが、そっちは話せば長くなるのでまたの機会に…だな。


この国の首都がライラリッジだ。東から西に流れるライール川の両岸に発展してきた城塞都市である。


北には広大な穀倉地帯が広がり、南には目と鼻の先に妖精の森が鎮座している。西はしばらく穀倉地帯が広がり、レガルディアの玄関口に当たるアインラスクへ至る。まあ、頑張って歩けば1日で着くくらいの距離だ。東は軍の基地や牧場があり、さらに進むとそれほど高くはない山地に行きつく。


そして、俺が住まわせてもらっているユリーシャの邸宅は、ライラリッジにある。ライラリッジはエルザスレーン城を中心に広がる魔法都市でもある。ライール川を見下ろす小高い丘の上に建てられたエルザスレーン城は、ライラリッジのどこにいても目に入るね。


このエルザスレーン城は、形や大きさの違う塔が林立する巨大な城だ。レガルディアで最大の威容を誇り、この国の富と権力の象徴として建てられた…と言っても過言ではないだろう。


華麗に装飾された屋根、彫刻された柱、色鮮やかで複雑な模様が描かれたタペストリーが掛けられた壁…挙げていけばキリがない。本でしか見たことはないが、まさに豪華絢爛ってヤツだ。


このエルザスレーン城の周りを取り囲むように緑豊かな中央公園と王族が住む邸宅、かつてユリーシャが通っていたレガルディア国立魔法大学、『音楽の殿堂』の二つ名を持つライラリッジ・コンサートホールなどがある。もちろん、ユリーシャの邸宅があるのもここだ。一等地ですな。


城のある丘を中心に、すそ野には放射状に大きな街道が伸びている。そしてそれらの街道を結ぶ街道が、同心円状に広がっている。街道の両脇には街路樹が植えられていて、街の景観はとても綺麗だ。


面白いのは街道と街道が合流する場所が、円形の交差点になっているところだ。交差点の中央は小さな広場になっているから直進はできない。ここでは左折だけだ。これにより、馬車の運行がスムーズになるらしい。


ちなみに広場には番号が打たれていて、週末にはミニコンサートや大道芸などの催し物が行われている。なかなか賑わっているようなので、俺も近いうちに行ってみる予定だ。


そして、市街地と外界を隔てるように、高さ10mくらいの城壁がぐるりと市街地を囲っている。さらに城壁の外には背の高い木々が帯状に植えられている。その中にひときわ高い大木がある。そこで木々の帯は途切れ、来訪してきた人々もこの先に城門があることがよく分かるだろう。


一見すると緑豊かな城塞都市ではあるが、魔法都市というイメージはない。だが、この緑こそがくせ者なんだ。これらの緑はただの植物ではない。魔法によって生み出された魔法樹だ。


街中の魔法樹は普段は寝ているが、いざという時には起きて活動する。そして外縁の魔法樹はいつも準備万端で、不用意に入ってきた者を枝で搦め捕り、吊し上げる。外縁の樹林帯には柵が設けられているが、うっかり入って酷い目にあうヤツは後を絶たないようだ。いい加減学習しろよ…。

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