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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第2章 エステルマギの埋蔵金

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春のわかめ定食

「そろそろこちらも出来上がりですよ~」

ずっと灰汁を取っていたフェリシアさんも、大詰めを迎えたようだ。


「貝の旨みがたっぷりで匂いも最高ですね!」

今度はフェリシアさんの手伝いにきたミリッサが、出汁を絶賛した。


「それでは、主役のワカメをこんもりと入れるんだ」

お皿にチャーハンを盛り付けながら、カレンが指示を出す。


「これぐらいですか?」

それは入れすぎじゃね?ってぐらいにミリッサがワカメを入れて、カレンに見せた。


「そう…いや、もう少し多くてもいいな」

カレンからはまさかの増量指示だ。こんなスープ、見たことないぜ…。


「特盛りですね~」

スープカップに惜しげもなく盛られたワカメを見ても、フェリシアさんはまったく動じない。


「そこに旨味たっぷりの出汁を注ぐんだ」

なるほど。コイツは確かに食べるわかめスープだぜ!


「ホンビノス貝にコンブとワカメ…まさにトリプル旨味ですね!」

食べる前から旨そうだよな!


「ホンビノスさんの身をアクセントにして…白ごまを散らしたら完成ですよ~」

今回、カレン達が作ったのはたったの二品だ。それでも豪勢に感じてしまうね。たいしたもんだぜ。


みんなが待つリビングに、ワカメ尽くしのわかめ定食が運ばれてきた。人のことは言えないが、ティアリスなんか今にもパクつきそうだ。それでもユリーシャがいるからじっと我慢している。偉いぞ、ティアリス。


「それでは…いただきましょう」

みんなが席に着いたところで、ユリーシャが切り出した。待ちに待ったその時がついにやってきたのだ。まずは食べるわかめスープからいただこう!


「シャキシャキのワカメをガシガシ食べられるでし!」

「香りがすごいね!」

じっと我慢していたのはティアリスだけではなかった。アマユキも待ち兼ねていたようだ。


「海そのものを食べている感じがしますね…」

さすがはユリーシャ、いいこと言うね。


「歯ごたえが最高で…すごく美味しいです!」

「フフフ…そうだろう」

アリューシャに満足してもらえて、カレンは鼻高々である。


「ホンビノスさんと一緒に食べても美味しいですよ~」

「ワカメならではの食感が堪らないです!」

カレンと共にこの逸品を作り上げたフェリシアさんとミリッサにも、拍手をしてあげたい。


もうね、黙々と食べちゃうもん…美味しすぎてさ。寡黙って訳でもないんだけど、これは食べ始めるとやめられない止まらない、無限スープなのだ。


「スープも美味しいですが、チャーハンも美味しいですよ」

あまりにも無口な俺に、ユリーシャが気を使ってチャーハンを薦めてきた。


そ、そうだな。カレン達が作ってくれたのは、食べるわかめスープだけではないのだ。無限スープに何とか区切りをつけ、チャーハンをいただいてみよう。


「んなっ!」

思わず変な声が出てしまった。わんぱくな感じがするわかめチャーハン…旨い、旨すぎるぜ!


「大丈夫…ですか?」

心配するユリーシャに、俺はこくこくと頷いた。


「ワカメの食感が最高だな。チャーシューなんていらない…チャーシューより旨いわ!」

粗野な感じがいい。爆発的に合うぜ!ワカメってこんなにもスーパーな食材だったんだな。


「チャーハンからのスープも美味しいでし!」

「最高の組み合わせだよね!」

それは本当に最高の食べ方だ!ティアリスもアマユキも、よく分かってるじゃねえか。箸…じゃなくてスプーンが進む、進む。あっという間に完食である。


「春のわかめ定食、とても美味しかったですよ。シンプルな料理が一番美味しいということを改めて教えてもらえたような気がします」

「ありがとうございます…」

ユリーシャが、この最高の定食を作ってくれたカレン達を労った。3人とも恐縮しております。


食べるわかめスープもわかめチャーハンも、最っ高に旨かったぜ…このワカメの旨さ、食べてないヤツには分かんめ~だろうな~。ちょっと苦しいけど、上手いこと言えたぜ。クックック…平和ですな。


「何か…面白いことでもありましたか?」

「何でもないよ」

ユリーシャ、タイミングよく俺を観察しないでくれ。


「どうせしょうもないことでも考えていたんでしょ?」

「そうに違いないでし!」

「うるさい…」

お前らも図星を指すんじゃねえよ!

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