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【週刊】目が覚めるとそこは…異世界だった!【第6章、連載中。長編にも拘わらず読んでくれてありがとう】】  作者: 鷹茄子おうぎ
第1章 魔剣の使い手

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筋トレ

ストレッチで大変な目にあった後は筋トレだ。俺は中学から高校まで6年間野球をやっていた。しかし、その後は自堕落な生活を送り、間違いなく体力は落ちているはずだ。これもあまり自信はないな…。


筋トレの効果を最大限に高めるためには、常に理想的なフォームでトレーニングをする必要がある。そんなことは頭で分かっていても、実際にはできる訳がない。


だが、今の俺にはできる。正確に言うとユリーシャが魔剣に残してくれた3つの魔法の1つ、パーフェクトスキルリプレイを使えばな。筋トレではそれを使い、最短距離で理想の体を目指すぜ。


まずはバーベルを使ってのスクワットだ。何キロなのかは分からないが、そこまで重たくもない。その代わり回数は50回だ。筋肉はただ大きくするだけでは駄目で、持久力もつける必要があるってことか…。


肩にバーベルを担ぎ、足は肩幅に広げる。息を吸いながらゆっくりと体を下げていき、少しずつ上半身を前に倒していく。地面と太ももが平行になったら、1秒ほどキープ!そして、ゆっくりと元に戻す。


最初はそんなにきつくないのだが、回を重ねるにつれて苦しくなってくる。苦しくなってもパーフェクトスキルリプレイを使っているので、膝をしっかり曲げさせられ、猫背になりそうになると伸ばされる。


『理想的なフォームで行うことが重要です』

事務的な魔剣の声が頭に響く。厳しいな…。


続けてベンチプレスだ。ベンチに横たわると肩幅より少し広い幅でバーを握り、息を吸いながらバーベルを胸の上に下ろす。大胸筋を意識し、息をはきながら両腕でバーベルを上に押し上げる。


もちろん、疲れてきても肘はしっかり伸ばされる。さらに腹筋を引き締めるように力を入れたまま、バーベルを上下させられる。


『理想的なフォームで行うことが大事です』

ここでも魔剣は容赦ない。


次はデッドリフトだ。足を肩幅よりもやや開いて床に置いたバーベルを握り、膝を曲げ、背筋は伸ばして正面を見ながら上体を起こしていく。上体が床と垂直になったら元の姿勢に戻す。


膝が前に出すぎると修正される。それから、背筋はきっちりと伸ばさないといけない。


『理想的なフォームで行うことが魔法戦士への道です』

その厳しさに文句のひとつも言いたくなるが、ここはぐっと我慢だ。


筋トレはこれら以外にも様々なメニューがある。今のところ甘くない現実を突き付けられているが、進んでいる道は間違っていないという自信はある。やってやるぜ!


もちろん、魔法戦士に必要とされるのはパワーだけじゃない。スピードと敏捷性も重要だ。当然、そのためのトレーニングもある。


まずはトライアングルターンだ。一辺が5mの正三角形の頂点から別の頂点にダッシュ、たどり着いたらそこでターン。3つ目の頂点にダッシュ、そこでまたターン。最初の頂点に戻る。


右回りでも左回りでも同じようにできなければならない。一見すると簡単そうでこれは素の俺でもできそうだが、常に同じ動きをしようとすると…難しい。


『ターンは最も重要な動きです。これが出来なければ魔法戦士への道も閉ざされてしまいます』

そ、そうなんですか…。ここでもパーフェクトスキルリプレイは必須だ。


続けてダッシュ&ターン。床に2本の線が平行に引いてある。その距離は20m。片方のラインからもう片方のラインまでダッシュしターン、再びダッシュ。


ここでのターンはもはや意味不明の難しさだ。注意すべきポイントは膝とつま先の向きのようである。止まりたい所で止まり、そこから速く回るためには、重心がずれないようにしなくてはならない。


『ターンは母子球に体重をのせるイメージで回ると上手く出来るようになります』

了解であります!


それからラダーを使った様々なトレーニングをこなしていく。両足を揃えてできるだけ早くジャンプするストレートジャンプ、左右にジャンプしながら前に進むスラロームジャンプ、逆に後ろに進むパターンもある。どことなく懐かしさを覚えるケンケンパは、やっていると楽しくなってくるね。


トレーニングを効率よく行うのに欠かせない魔法であるパーフェクトスキルリプレイだが、ある種の違和感を感じる魔法でもある。まるで見えない誰かに無理矢理、自分の体を動かされているような…そんな違和感だ。


これはその動きがまだ身に付いていないからだろう。いずれ感じなくなるはずだ。

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