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黒狼(シュヴァルツヴォルフ)


―――ボーデン公爵邸・夫婦の寝室


さてはて。パーティーを終えた私とレオンさまはと言うと。うん、寝室で向かい合っておりました。何だろう、この真剣な雰囲気!前回サブタイがまともだったから、やはり今回もまともルートに移行するのだろうか。いや、だけれども内容が変態尽くめのウハウハだったから、内容がまともルートとは限らない。


私とレオンさまはわふ太が傍らで夫婦の枕の真ん中で固唾かたずをのんでもへっと見つめる中、真剣に向かい合っていた。


(あの、レオンさま!こ、この緊張は一体、何デスカっ!?)


「ん」

一体、その一言にどれだけの深い意味が隠されているのか。何だろう。何となくわかる。だって私もわふたんが大好きだから。


遂に、遂にその時が来たのですね。私はゴクリとすばを呑み込み、レオンさまを真剣な眼差しで見つめて頷く。


するとレオンさまがおもむろに私の手を取った。


「れ、レオンさま!?」

「ロロナ」

レオンさまの静かだけども自然と心が落ち着く低音ボイスが響く。

―――はぅっ!!いい声すぎっ!しかもわふわふっ!それだけで私はもう、もうっ!!


そっとレオンさまが私の手を自身の体に引き寄せる。


ちょっ、レオンさま!?一体私の手をどこに導くおつもりで!?一瞬不埒な箇所に視線を泳がせた私をどうか見逃してくれ。いや、しかし夫婦なのだし。これからはガン見すべきなのだろうか。


―――もふぁさぁっ!


こ、これはっ!


「ひゃぅっ!!」

ついつい、間抜けな声が飛び出てしまう。


「―――どうだ」

ど、どうって、どうってっ!!そんなの、決まってるじゃないですか。


「し、幸せ過ぎて。あぁ、わふわふですぅっ!!」

レオンさまは私の手を自らご自身のわふわふフラッフィなそのしっぽに導いてくださった。あぁ、何と言う質感。そして心地よき至極の毛並み!


「そうか」

そう、短く呟いたレオンさまの口元が、優しくゆるむのが見えた。


ぎゃふぅっ!!


私の手はいつの間にかレオンさまの掌が離れてもなお、そのわふわふしっぽを捕らえていた。そして自然とその艶やかでわっふわふなしっぽを優しく撫でる。

そのっ。これからは思う存分ふわもふを堪能していいってこと、でしょうか??


―――ちらり、とレオンさまを見上げれば。


ぴょこんっ。


ぐはぁっ。何だか嬉しそうにぴょこんと反応するわふたんお耳がかわいすぎるっ!


「ん、耳も」

お耳にも、行ってよいとっ!?


そして再び、レオンさまの大きくて温かい手が私の掌を包む。


そっと上に向かって導かれた私の手は、レオンさまの頭上へと伸びる。


ふにっ


「れ、レオンさま!?」


「ん、もっと」


―――んもっとですと―――っ!?


「ロロナに、ふにふに、ふわもふ」

して欲しいってことでいいの!?


「あのっ」


「ん?」


「い、いいのですか?好きなだけ」


「ん」

ほ、本人公認っ!


ふにふに


ふにふに


わぁ、わっふわふだぁ~♡


「だから、俺も」


ふぇ?


ぽふっ


昔と変わらない、温かくて優しいレオンさまの手が私の頭にぽふっと触れて撫でてくれる。


「ロロナ」


「は、はい」


「これからは、ずっとこう」

そう言って、私のわふたんお耳に伸びる手をそっと引き寄せてきたレオンさまの胸の中に私はぽふんと収まってしまう。


「ちょっ!?レオンさま!?」


「―――嫌か?」

そんなお耳をしゅーんとさせながら言われたら断れません~~~っ!いや、断る理由なんてないですけど!!


「ロロナ」

「はい、レオンさま」


「愛している。ずっと」

その言葉に、至近距離にあるレオンさまの美しいお顔に思わずドキっとしてしまう。


「ロロナ、は」


「えっと、あ、愛してるに決まってますっ!!」

そのふにふにお耳もわふわふしっぽも、レオンさまの顔も優しさも。あぁ、何か全て好きでした―――。


「今更です」

「あぁ、今更だ」

何だかとっくに、私のわふわふ願望など見抜かれていたような、不思議な気持ち。レオンさまの胸の中にすっぽりと収められ、何だか恥ずかしくて至近距離にある顔から目をらせば。レオンさまのふわもふしっぽがふぁさりと膝の上に乗っかってきて。何だか嬉しそうに小さくぴょこぴょこしているしっぽに自然と手が伸び、ふぁさりと撫でる。


それにレオンさまが安堵したような、そんな吐息が漏れて。


あぁ、何てふわもふ心地だろう。


「わふーっ!」


「うん、わふー」

ん?あれ?今の甲高いわふわふ語は一体??レオンさまの声のはずないし。レオンさまを見上げれば。私と視線をわした後、ゆっくりと正面を見やる。


私もその先に視線を移せば。


「わふわふ、わふたんっ!」


え???そこにはわふ太を抱いてきゃっきゃと嬉しそうにはしゃぐちび狼がいた。


正確にはレオンさまと同じ黒い毛並みのわふたんお耳にしっぽを持つ3~4歳くらいのちびっ子である。な、何このわふわふっ子かわいすぎる!


はっ!!


「もしかして、もう子ができたというのですか!?私、いつの間に産んだんですか!?」

そんな記憶、全くと言ってないのですが!


「いや、産んではいない」

そ、そうなのですか!?じゃぁ私とレオンさまの愛の結晶が起こした奇跡とか!?


「はい、わふわふっ!」

その時、わふわふっ子が何か手紙のようなものを差し出してきたので、恐る恐るその中身を見てみれば。


―――


ロロナ・ボーデンさま


かの伝説の大勇者ですら倒しきれずに封印することが精一杯だった狂った魔王のひとりを見事に服従させ、世界の平和を守ってくださったロロナ・ボーデンへ祝福の黒狼シュヴァルツヴォルフの化身を贈ります。


追伸:改造の件はほんとごめん。ちょっと封印が弱まってきたから焦っちゃって。てへっ☆


女神より


―――


え?女神さまから?マジなの?


そう言う視線を向ければ、唐突に現れた黒狼シュヴァルツヴォルフの化身はきゃっきゃと笑う。えぇと、この子はつまり女神さまの御使いってこと?


ついでにわふ太が気に入ったらしく、先ほどからぎゅーしてくれている。わぁ、めっちゃかわいいんすけど。


「でも、突然現れた以上は」

「ん、何となく。わかる」

やはり黒狼シュヴァルツヴォルフを守護神とするボーデン公爵家のレオンさまの勘はあなどれまい。


んー、まぁ終わり良ければ総て良しなのだろうけど。


伝説の大勇者って何?本編で一回も触れてないけど!?てか、狂った魔王って誰だ本当に。狂ったシスコンしか知らんわっ!!


あと、世界の平和を守ったって全く意味が良く分からないからぁっ!!改造の件も含めてちゃんと説明してぇっ!!


「ん、寝るか」

え、レオンさま?この流れで普通に寝るんですか!?


私を抱きしめたまま横になったレオンさまはがばりと掛布団を引き寄せた。わふ太を抱いているわふたん化身もまた、私たちの横にしれっと横になる。ぐはっ、何この子。かわいすぎるんですけど!


「名前は」

「あぁ、確かに。お名前は何かな?わふわふ」

そう、化身に話しかけてみれば。


「お名前、わふわふ、ちょーだい!」

え、お名前。私たちがつけていいの?


「何に、しようか」

「う~ん、せっかくだからレオンさまにちなんだ名前とか、どうです?」

ふぁさり。レオンさまのわふわふしっぽが布団の中で私の脚に添えられて思わずドキっとしてしまう。


「ロロナに、ちなんでもいい」


「わ、私、ですか」

う~ん、な、悩むな~。


「レオナ」

あ、あからさますぎですけど―――っ!!!


「あれ、この子」

「ん、女の子」

ショートヘア―だけど女の子かいっ!!


「長女」

「私たちの長女で決定ですか」

まぁ、何だかほのぼのとしていていいんだけど。


「ダメか?」

「いえ、全く」


「わふ~♡」

レオナも名前が気に入ったみたい。満足げに頷いていた。


「楽しみだな」

「レオンさま?」


「次は、男の子か、女の子か」


ぼふんっ


い、いきなり何を言い出すんですか―――っ!!

で、でも。


弟妹きょうだいができたら、レオナも喜びますね」

「あぁ」


「うっ!みんなでわふわふっ!」

そう言ってきゃっきゃと笑う女神さまからの贈り物に感謝を。これからはもっと賑やかになる予感がするなぁ。私はレオンさまの腕の中に包まれ、わふわふしっぽの感触を堪能しながら心地よい時間を目一杯堪能する。


―――守護神に見守られながら、私たちが子宝に恵まれるのはそう遠くない話である。


(完)


※これにて本編完結です。ご覧いただきありがとうございましたっ!(`・ω・´)ゞ※

※次回は小ネタなどをご披露できればと思っております※

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[一言] まさかの長女爆誕!(笑) ホントに魔王だったのか…
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