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わふ太失踪事件


『探せー!隅々まで!今頃わふ太くんがお腹が空いて苦しんでいるかもしれん!』


『わふ太くんが隠れられる場所は逃さず確認するんだ!』


医務室の外からは、ボーデン公爵家の騎士たち、執事、メイドたちが総動員でわふ太を捜索してくれている声が響き渡る。何か、レオンさままで加わっちゃってるし。


「奥方さま、暫しのご辛抱を。わふ太くんは必ず見つけ出します!」

騎士の礼を決めるミシェルは思わず女の私もれてしまいそうなくらいにかっこいい。


―――ん~、でもなぁ。


「あの、ミシェル」


「はっ!」


「わふ太はぬいぐるみだからお腹はかないはずだし、自立歩行もしないのだけど」

魔法で動かすという手もあるのだが、あくまでもぬいぐるみとして大切にしているのでそう言った魔法陣は組み込んでいないのだ。


「だから、こんなに大々的に屋敷内を探索しなくても。もう一度医務室をっ」

隈なく探してみようよと言おうとしたのだが。


「いえっ!何を言いますか奥方さま!」

いや、単なる一般論だと思うけど!?


「わふ太くんは、我がボーデン公爵家の守護神・黒狼シュヴァルツヴォルフの化身!つまりはご神体です!」

いや、そんなたいそうな存在にした覚えはないのだけど!?


「いや、確かに毛並みは黒いわふたんだけど」

特に黒狼シュヴァルツヴォルフにしようとか思ったわけではない。単に子どもの頃のあの思い出があったから記念にと思って作っただけで。自立歩行をする魔法陣は組み込んでいないけれど、前辺境伯の伯父さまがせっかくだからと劣化防止魔法をかけてくれて、ずっと大切にしてきた。


―――なのに、いつの間にそんなご神体になったの、わふ太ぁ~~~っ!!


「ご、ごめんなさい。私が目を離したからっ!」

メイドのリマが涙目だ。


「リマのせいじゃないって。リマが元気になってくれるようにわふ太に一緒にいてもらいたかっただけだから、気にしないで」

そう言って、リマをよしよしと慰める。猫耳しっぽ萌えのリマが泣いてちゃ、邸内が暗くなっちゃうもんね。


「―――夢遊病?」

うぉっふ、セレナ!?いきなりなんつーフラグ立ててるの!?私たちのお姉さんポジのセレナが~~~っ!!!


「わ、私、寝ながら歩き回ったってことですか!?」

「確かに、夜中厨房で音が聞こえたという話を聞いたことがある」

乗るな乗るな乗るなミシェル~~~っ!


「―――そ、そんなっ!!」

そして本気にするリマ。


「あ、じゃぁ。先生に夢遊病かどうかてもらおうよ」


医務室なので医師も常駐している。淡い金色の毛並みに赤みがかった金色の瞳のウサ耳しっぽの美人の女医・フローラ先生だ。


リマの背に手を添えながら女医・フローラ先生の元へと向かう。


「う~ん。鑑定しても出ないから、夢遊病の可能性は低いわね」

フローラ先生は鑑定眼の持ち主である。


「てか、私もずっとここにいたけど、誰も入ってこなかったわよ」

その通り。医務室には少々休んでいたはずのリマとミシェルしかいなかったのだ。そしてわふ太を抱いて仮眠をとっていたリマ。ふたりのベッドの周りには遮蔽用のカーテンがあり、その中は見えないようになっているのだが。


もしも医務室に誰かが入ってきたのならフローラ先生が気が付くはずだ。窓はあるものの、さすがに開いたらフローラ先生が気が付く。


「リマも寝ながら歩き回ってないし」

うん、さすがにリマが寝ながら歩き回ってたらフローラ先生が気が付くだろう。


医務室内も隈なく探したのだが、わふ太の姿はどこにもない。全く以って不可解なわふ太失踪事件。はて、真相は如何いかに?


「くっ!必ず私が守り抜くと誓いをたてたのに!私が寝ている間にわふ太くんがっ!わふ太くんがっ!これからは寝なくても生きていける身体からだづくりをっ!」

ミシェルは一体どこに向かおうとしているんだろう。てか、そんな誓いいつの間にたてたんだ。騎士の誓いって、軽々しいものでもなかった気がするんだけど。


―――その時だった。


『侵入者を捕らえたぞ―――!!』

邸内にそんな一報が舞い降りた。


え、侵入者!?


医務室をフローラ先生に任せ、私はミシェル、リマ、セレナと共に侵入者が捕えられている場所へと急いだ。その場所には騎士団長さんやレオンさまも揃っており。


「あぁっ!ロロナ!やっと会えた!!」

そう、嬉しそうな顔で叫んだ人物を見て、私は声を喪った。


それは金髪碧眼の竜人族の美青年で。


「え~と。アレクセイ?」

そう。目の前で騎士たちに縄で拘束され剣を突き付けられていたのは、私の元婚約者のアレクセイであった。


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