運動不足
副会長から必要書類を出てない部活から書類を取ってくる任務を受けた。
現在は件の部活に向かうために廊下を歩いているのだが、連日の暑さで頭がおかしくなってくる。
なぜ部活もないのに学校にいるのだろうか?
はぁ、ホントになんで生徒会入ったんだろう。
ずーっとそんな事を頭の中でグルグルと考えている。
汗で制服が張り付いてベタベタして気持ち悪い。
「暑いですね…… 」
いつも通り後ろを歩いている片岡さんに、なんとなく話しかける。
スーツを着て、すごい暑そうなのに全くへばっている様子もない。
「そうですね。 まぁ、今日は最高気温三十一度ですから」
最高気温三十一度とかいう殺しにきてる気温なのに、なんでそんなに平然としてるんですかね?
もしかして訓練で暑さ耐性とか得られるの?
「はぁ、なるほど…… 」
「美月は普通に運動不足」
音夢がスッと横から出てきた。
いや、一日中寝てる君がそれ言う?
ちなみに音夢は情報管理が専門なので別に家に居てもいいのだが、今日は音夢にもついてきてもらっている。
というか渋った音夢を無理やり片岡さんが連れ出したという感じだけど。
「私はきちんと朝早くにランニングをしている」
ドヤ顔をしながら言ってきた。
え、うそでしょ?
「残念ながら本当。 ちなみに最近美月太ったような気がする」
えっ……
さっきまでのダルさなど吹き飛ばし、お腹周りを確認する。
確かに少しキツくなったかもしれない……
「私もそれ思いました」
片岡さんもですか。
ていうか、もうちょっとオブラートに……
男って以外とガラスのハートだからね……
「…… 走ろうかな」
ポソッと呟く。
「一緒に走る? 」
音夢が少し首を傾げて提案してきた。
うーん、確かにそれがいいかもしれない。
「十キロ」
「じゅ、十キロ…… 」
さらっと言われたランニング距離に、前言撤回をしようかと考えてしまう。
ダメだ。女性に『太った? 』とか言われたら、もうダイエットをせざるを得ない。
いやでも十キロ……
朝だから多少マシだろうけど、それでも暑い中十キロか……
何度も何度も頭の中で逡巡して出した結論はーーー
「やめとく」
「そう…… 」
沈んだ声で返事をしたあと、音夢は歩みを遅めて後ろに戻っていった。
まさか落ち込まれるとは思わなかった。
ちょっと断ったことを後悔している。
いや、ちょっと所ではない。だいぶ後悔している。
…… やっぱり走るって言おうかな。いやでも十キロ……
□□□
どうしようと頭を悩ませていると、前方で制服を着た生徒二人がなにやら騒いでいる。
そこには、腰まである目立つ銀髪。
日焼けの跡も一切ない真っ白な肌。
目を離したらパッと消えてしまいそうな幻想的な雰囲気の凪先輩がいた。
「凪先輩なにしてるんですか?」
これからしばらく二〜三日くらいの頻度で投稿していきたいと思います。
ただ相変わらず文字数は少ないですし、突然投稿を休んだりするのでよろしくお願いします。
ちなみに短編は全然進んでないです……




