果たして...?
〜三人称視点〜
「……美月の勘違い。それ以上でも以下でもない」
後に引けなくなった音夢が、美月の勘違いということで終わらせようとしている。
「音夢、お前……まだ正直に言ったら許してやらんこともないぞ?」
片岡がポキポキと指を鳴らし、睨みつけながら揺すりをかける。
しかし、片岡の揺すりにまるで臆せず堂々としながら彼女は言った。
「正直に言ってるから言うも何もない。それに発言には気をつけた方がいい」
「……なに?」
音夢は含みを持った笑みで片岡に無造作に接近する。そして片岡の耳元に顔を近ずけて言った。
「あーちゃんの性癖?あ、ごめん秘密の趣味?をバラしても良いの?」
「……」
音夢が普段見せない嘲笑の笑みを見せ片岡に煽り口調で言い放った瞬間、二人の立場は逆転した。
片岡は完全に黙りこくってしまい、杙凪は突然黙ってしまった相棒に動揺する。
「……ふふっ」
音夢は二人の様子を見て勝ちを確信し笑みをこぼした。
しかし事態は第三者と乱入によってまた逆転する。
「はいどうぞ!クリームシチューです!」
それは香奈がクリームシチューを持ってきた時だった。
「あと音夢さん!音夢さんがお兄ちゃんからトイレに行く事を言われていたのは知っていますからね?」
何気なく、自然な流れで香奈の口から出たその言葉は、美月含め全員が衝撃を受けた。
「香奈ちゃん?それ本当?」
杙凪が香奈に真偽を問う。
「もちろん!」
香奈は自信満々に言った。
「……証拠は?」
音夢が先程までとは打って変わって固い表情で証拠を求める。
「ありますよ!録音もしてあります!」
「……むーちゃん?今ならまだ許せると思うけど?」
「……ごめんなさい」
□□□〜美月視点〜
「「いただきます!」」
香奈と杙凪さんが二人で作ったクリームシチューを食べる。
ちなみに音夢は食べ終わった後に二人から説教されるそうだ。
……うん。カレーの時と比べ物にならないくらい美味しくなった。
「ど、どう?」
音夢が少し緊張気味に聞いてきた。
「うん、美味しい」
僕がそう言うと香奈はふっと安心したように溜息をついた。
「よかった〜!」
香奈は満面の笑みを見せてくれた。
「美味くなったな!」
「……美味しい」
「美味しいわよ……私も一安心よ……」
それぞれが口々に感想を言い合うと雰囲気は自然と柔らかくなり、それからは会話に花を咲かせ時間はあっという間に過ぎていった。
ちなみに珍しく僕も会話に参加できた。楽しかった……
皆で話していてふと時間を見るとだいぶ時間が夜遅くになっていたので、明日は学校だし解散して早めに就寝する事になった。
そして歯磨きやら、お風呂やらを済ませて今、布団の中に居る。
もちろん香奈とは別室で一緒に寝る訳が無い。
……明日の学校が不安でしかない。日が空いてしまったけど話せるだろうか?
それにまた電車みたいにならないだろうか……?
……平穏な学校生活を願います!
読んでくださりありがとうございます!




