料理教室
コミュ障三人組を追い出した香奈と杙凪は料理教室を始めようとしていた。
「それじゃあ、よろしくお願いします杙凪さん!」
「よろしくね、香奈ちゃん。それじゃあまず、レトルトのシチューを作ろっか!」
「……買い出しに行く前にも聞きましたけど、レトルトでいいんですか?」
「取り敢えず今回は香奈ちゃんの料理の腕を見るだけだからね!」
「……わかりました」
香奈は杙凪の前でレトルトのクリームシチューを作り始めた。
彼女の手際は中々に洗練されており、今の所は全く問題は無い。
しかし杙凪はここで疑問を覚えた。
『何故、中々に手際が良いのにあんな微妙な出来になったのだろう?』
そんな疑問を覚えたタイミングで香奈が冷蔵庫の野菜室を開けた。
当たり前の事だが野菜室からは、野菜が出てきた。
だが、野菜の量がおかしい。
明らかにパッケージの裏に記載されている量より二倍程多い。
「……あの香奈ちゃん?その野菜の量はどうしたの?」
「え?いや……野菜が多ければ多い程美味しくなるんじゃないですか?」
「……は?それは何を根拠に言ってるの?」
杙凪は少し口が悪くなっている事を自覚しつつも、この訳の分からない事を言っている小娘に問いかけた。
「いや、何となくですけど……」
「……な、何となく?」
男性のボディガードになる為に幾度もありとあらゆる経験をしてきた杙凪も、これには動揺を禁じ得ない。
「いや、野菜が少ないよりも多いほうが美味しく見えるじゃないですか!だから……」
「……香奈ちゃん。確かに少ないよりも多い方が美味しそうに見える。けどね?料理には適量があるの」
「て……適量?」
「そう、その料理に合った最適な量があるの。だから多すぎるってのは逆に美味しくなくなったりするのよ?」
「そ、そうなんですね……てっきり最低限の野菜の量を記載しているんだと思ってました……」
普通に適量って記載されてるんだけどな……
杙凪は余分な野菜を野菜室に戻しながらそう思った。
□□□
それからは目立った問題は無く進んだ。
現在は野菜等を鍋に入れ、加熱している所だ。
しかしここでまた問題が起こった。
「……香奈ちゃん?なんで火力を''強火''にしているの?''弱火〜中火''って記載されてるよね?」
「え?強火にしたら時間が短縮されるんじゃないんですか?」
「……え?いや、何を言っているの?」
さも当たり前のように香奈が言い放った為、杙凪は自分の常識が間違っているのだろうかと少し思考した。
だが自分の常識が間違っていない事に気付くと、問題児に問いかけた。
「……違うんですか?」
「いや、普通に違うけど?」
「違うんですか!?」
「え、強火にしても時間が短縮される事はないし、なんなら美味しくなくなることがあるけど?」
「そうなんですか……勉強になります」
「あ、うん。それはよかった」
こうして料理教室は終了した。
いつも通り薄くてすみません……
それと次回投稿日は九日の午前00:00の予定です。
読んでくださりありがとうございます!
感想お待ちしてます!




