すれ違い
「本心?どういうこと?」
音夢は片目だけ覗かせるのは止めて、しっかりと身体を視認できるぐらいにドアを開けながら言った。
「いや、僕の事を気にしてる感じだったから……」
「!」
音夢は意表を突かれた顔をしている。……やっぱり僕の事を気遣って嘘を言ったのかな。
ちょっと寂しい……
「あ、あのさ!僕の事を気遣わなくていいから、本心を言って?」
「!?」
音夢が今度は顔を真っ赤にして片手で長い髪をクルクルといじくりだした。
そんな彼女の目は泳いでいる。……僕にバレた事に動揺しているのか。
もう、誤魔化されたくない。ここで決める!
「音夢、本心を言って?変に気遣ってくれるより本当の事を言ってくれた方が嬉しいな」
「……き、気になってる……」
うぅ……やっぱり?違ったらいいなって思ってたけど……
変に気を遣わせてしまったみたいだし、色々本当に申し訳ない……
音夢は顔を手で覆っている。女の子を泣かせてしまった……
「ご、ごめん……本当の事を言ってくれてありがとう」
「ごめんってなに?そ、それはどういうこと?どういう意味のごめん!?」
「うわっ!な、何?」
音夢が急に焦った表情で詰めて来た。近距離なのに彼女の移動が視認できなかったんだけど……
「だから!その『ごめん』はどういう意味なの!?何に対してのごめん!?」
こ、こんなに大きい声を出す音夢は初めてだ……
「ねぇ、答えてよ……」
彼女の声が段々と萎んでいく事に気付く。彼女は肩を震わせている。
そんな時『ピチャ』という音が足元から聞こえてくる。
音の出処を見ると音夢の足元が、まるで涙が落ちたかのように濡れている。
ふと顔を上げて音夢の顔を見ると目は赤く充血して、頬に涙が流れた跡があった。
「ね……ぇ……」
音夢は掠れた声で僕に問いかけてくる。
「ご、ごめん。さっきの『ごめん』は、音夢に対してデリカシーの無いことを言っちゃった事に対する謝罪だよ」
「……へ?」
音夢の声は突然生気を取り戻し、はっきり聞こえるようになった。
「よかった……」
彼女は大層ホッとしたようだ。
僕は何が良かったのかわからない。けど、とりあえず泣き止んでくれて良かった。
「私に何で『本心で言って』って言ったの?」
「え?いや、さっきも言ったけどデリカシーの無い事を言っちゃった事を気にしてないかなって思って」
「そっか……大丈夫。本心で何にも気にしてないから」
「ほ、本当に?ホントにホント?」
「ホントに、ホント」
「よ、良かった……」
「……じゃあ私、中に戻るね?」
「うん、ごめんね。ありがとう」
音夢は中に戻って行った。
僕も部屋に戻る事にしよう。
……音夢は何が良かったんだろう。
まぁ、いいか。
もう開き直って平均千文字程度で軽く読める事を売りにする事にしました。
すみません…リアルが凄く忙しいので…
できるだけ文字数は増やせるようにしていきます!
読んで下さりありがとうございます。
感想を待ってます!




