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極度の人見知りが男女比1:20の世界に転生した  作者: ウルセ
高校はとても怖い場所
10/78

大きすぎる関門(後編)

ポスッ


あっ…


「わ、私に抱き着いてくれるなんて嬉しいぞ!」


とっても美人な制服を来た黒髪ロングの背の高い人に捕まりました。


飛び越える?彼女の腰あたりまでしか跳べてないのに?なんで僕は飛び越えれると思ったんでしょうか?引きこもり運動不足にできるわけないのに。あんなにカッコよく跳んだのに『ポスッ』て。恥ずかしい…


僕が黒髪ロングのおそらく美人さんに捕まったので歓声があがる。


『いやったぁぁぁぁ!』


「や、やりましたわ!さぁ、その男の子をこちらに渡してください!皆で分け合いましょう!あ、押し寄せないで!皆様、並んで!」


お嬢様?の所に僕を肩に抱えたまま制服美人が向かう。抱えられたまま歓声が湧く方を見るとヨダレを垂らしまくっている化け物達が居た。…このまま食べられていいのか?いいや、ダメに決まっている!


だが、どうすればいいんだ…一歩一歩着実に食卓に進んでいる。とりあえず駄々っ子のように足をジタバタさせて暴れてみる。


「ふっふっふっ。残念ながらそんなに暴れても離さないぞ?」


やっぱりダメか…くっそ!もうひたすら暴れるぐらいしか思い付かない!


「だから、無理だと言っているだろう?あきらめアヒァン!」


突然、僕を抱えていた腕の力が抜けて地面に転がされる。


え?


「え?」


『え?』


電車の中が静まる。歓声を上げていた女性達も波のように静まっていく。何が起こっているかわからないが、今しかチャンスはない!


僕は起き上がり、天国(男性専用車両)のドアへ一目散に走る。


「はっ!つ、捕まえなさい!」



Theお嬢様が叫んでいるが残念だったな、僕の勝ちだ!今、バリケードの役目を果たしていた女性達は居ない!つまり誰も僕を捕まえることはできない!


あと少し…あと少しでドアノブに届く…届いた!

後ろを確認すると鬼の形相で女性達が追いかけて来る。


?ドアノブを下げても開かない。しかし僕は落ち着いていた。焦る事無くドアノブをしっかり握り直す。


『ピピッ。男性を確認しました。ロックを解除します』


よかった!感が当たった!僕はドアを開け中に転がりこんですぐにドアを閉めた。ドアを叩く音が聞こえるがそれだけだ。女性達の声は聞こえない。


「はぁぁ…よかった…」


男性専用車両を見回すと僕以外誰も居なかった。一人でよかった…僕は疲れが押し寄せてきたので寝転がった。このまま少し寝よう…何か忘れていることがあるような気がするけど、も…うダメ…だ。おやすみ。


□□□


「うぅぅぅ…逃がしましたわ!惜しかったですのに!あと少しで手が届いたのに!」


思わず崩れてしまいそうになりますが、私はいずれ上に立つ者。こんな所で悔しがっては静蘭の名が廃りますわ!しかし…


「ふっふっ、ふっへへへ」


この情けない顔で悶えている逃がした張本人を殴ってもいいと思うのですわ。ダメよ、私は静蘭の名を継ぐもの。拳を固く握り締め怒りを沈めます。


ふぅ、そういえば調査班はどうなったのでしょう?進捗状況を確認しましょうか。


「調査班!あの男の子について何か分かりましたか?」


「いえ、それが…あの格好から見て学生だと思うのですが…どの学校も男性の制服の写真などなくて…」


やはり学生だと思いますか…どこの学校かさえ分かればなんとかなるのに…くっ!万事休すですか…


「わかりました。そのまま調査をお願いします」


調査班の面々はスマホを見ながら頷きました。ですが、彼女らも半ば諦めているのかその顔に哀愁が漂っています。よもや記憶の中の断片的な彼しか手掛かりはありません。やはり写真の一枚でも撮っておけば…


「そういえば…」


彼を逃した憎き女がおもむろに口を開きます。しかしその顔にはまだ喜びの表情が残っています。チッ!


「あのバッグに着いているロゴ、うちの高校のロゴだったような…」


ありがとう。あなたは救いの女神です。…どうやらまだなんとかなりそうです。


□□□


『華澄実高等学校前〜華澄実高等学校前〜降り口は右側です』


ううん…着いたようだ。…マジか。廊下に大の字になって寝ていたようだ。あ、そうだ!バッグの中にマスクを入れていたのを忘れていた。顔をなるべく見られたくないからね。まぁ、もう遅いだろうけど着けておく。


電車から降りた。すぐに走って改札の方に向かう。


『待ちなさい!』


うん?ふと後ろを振り向くと駅を歩いていたほとんどの人が僕一点を見つめ走っていた。先頭を走るのはお嬢様と恐らく僕を捕まえた美人さんだ。


もうお嬢様なんか闘牛のようにこちらに走ってきている。誰がそんな様子を見て待つ気になれるのだろうか?


自動改札機を通るとまた『ピピッ』の音が連続で鳴り響く。


チラッ


『までやごらぁあ!』


…視線を正面に戻し走る。あれがさっきまでお嬢様の雰囲気を出していた人か?なぜか全員、僕にカメラを向けている。無茶苦茶こわい。スーツを着た出社中っぽい女性もいるが大丈夫なのだろうか?


この高校には前の世界で行っていた。なので多分この道で合っていると思うのだが…一年ぶりくらいだが見覚えのある道を通っているので多分大丈夫だ。


走れ走れ走れ!


もう新入生っぽい人達がいるが知ったことか!


『キャァ!何!誰よぶつかったの!』


『え?男の子!?入学するの!?』


『なにあの乙女の顔を無くした女達は?って男の子を追いかけている!?ぐっへ、ぐっへ、ぐっへへへ…』


ゴメンなさい!あ、あ、あ、人がいっぱい見ている。足が震えてきた。ちなみにだがあの追ってきている人達には視線を感じてもなぜだか平気だ。


「あっ!おーい、美月!」


あ、あれは香奈を大人にしてスーツを着たような感じ…恐らく母さんだ!というか名前を言わないでくれ!…無理があるか。


『みつきって言うのね!』


『みつきって言うのか!』


『みつきたん…ぐふふ』


あぁ…もうイヤだ。


母さんは僕の後ろにいる人(?)達を見ると一気に顔が青ざめた。硬直している母さんの腕をとり逃げる。しばらく走っていると硬直が解けてきたのか僕に問いかける。


「美月なに!?なんなの!?あの人達は!?怖いんだけど!?」


すると同時に後ろの人達も母さんに対して反応を示す。


『てか何あの女?』


『みつき様の何ですか?まさか彼女とかではないですわよね!?』


もう今日だけで学校に行きたくなくなる出来事が多すぎるのだが。


「あ、ご、ごめん。その…追い掛けられて普通の車両に乗っちゃって…」


母さんはその言葉を聞くとさっきの比にならないぐらい顔を青ざめ慌てて聞いてきた。


「美月!大丈夫!?何もされてない!?」


「え、あ、うん。男性専用車両に逃げれたから大丈夫だよ。」


「そう…よかった」


母さんは心底ホッとした様子で言った。なんというか、とても絵になる風貌だ。


「というか、あれだけ男性専用車両に乗りなさいって言ったでしょう!?」


「ご、ゴメンなさい…」


顔を赤くして母さんは僕を怒った。素直に謝る。実は香奈にも散々言われていたのだ。だけどあんな事になるなんて初見じゃ即捕まるだろ!てか僕、よく生きてたわ!


「もういいわよ…あっ、もうすぐ校門に着くわよ!あそこまで逃げ切ればその後は校舎に隠れて様子をしばらく見ていたら大丈夫!」


母さんはスピードを上げる。そのまま校門を突っ切った。警備員さんが驚いていた。まぁそりゃあねぇ…あんだけの人数向かって来たら驚かない方がおかしい。


『待ってください美月様!』


「ちょっと何なんですか貴方達!?こら!そこ入らない!貴方達全員部外者でしょう!?ってそこ!言ったそばから入らない!…」


数人の警備員さんが必死に抑え込んでいる。あの人数を抑えきれるってどんな力だよ。ありがとう!警備員さん。


僕は後で警備員さんにお礼を言うことを誓い母さんと一緒に校舎の中に逃げ込んだ。












多分長くなったと思います。


登場人物の名前を決めるって難しいですね。


読んで下さりありがとうございます。

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