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おたんじょうびかい
「仕方ないか」
あれ?
おとうさんがへん。
いつもだったら、ビールじゃないのかよ! って、おこるのに。
「じゃあねるね、おとうさん、おかあさん、おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみ、よく眠れるといいわね」
おふとんでゆたんぽであったまりながら、おいのりをした。
いいおねえちゃんになりますから、いもうとをください。
「おとうさん、おかあさん、おはよう」
「よく眠れた?」
「うん、ゆめのなかで、いもうととあそんでた!」
「綾子は相変わらず気が早いな」
だって、いもうとほしいもん。
おいのりしたもん。
まいにちするもん。
「ただいま~」
「パ……おとうさん、おかえりー!」
「パパ、お疲れ様」
ばんごはんをたべて、おかあさんがあとかたづけをしているあいだに、いそいでかざりつけ。
「じゃあ、お風呂……あら?」
「「ママ」「おかあさん」おたんじょうびおめでとう!!」」
「あらやだ、それでほしいものって訊いてたの?」
「そうなの~、でもね、わかんないからおたんじょうびかい!」
おかあさん、ないちゃった。