08. 襲撃者 @3
ゲシュタルは焦っていた。
「あの役立たずめ!!」
総勢30名の幹部でアウグス邸を襲撃したが、残ったのはたったの一人だけであった。
「それにしても、この屋敷は狂ってやがる!一体なんなんだあの魔法は・・。」
「一瞬にして気絶するような打撃と包帯による拘束なんて聞いたこともないぞ!!」
ゲシュタルは約600人の盗賊組織『漆喰の鼠』の頭であり、彼の名を知らぬ者はいないほどの有名人であった。
"彼を見たものは殺される" と噂されており、事実1,000人以上殺している。
そんな彼は今や狩られる側に陥れられている状況に苛立ちを抱いていた。
「クソっ。」
「こうなったら最後の切り札を使って、注意を引かせ、そのうちに盗む他ないな・・。」
手にしていたテニスボールほどの大きさの、黒光りした禍々しいオーブを地面に投げつけた。
ゴゴッ! ゴゴゴゴゴォォオおお!!!
オーブが割れた瞬間、地面がもり上がり始め、瞬く間に5m ほどの高さの"アースゴーレム"が現れた。
「グファっハハ!!!!!」
「あの役立たずが渡してきた物が、これほどの代物とは知らなんだ!!!」
『グォオオオオオオオオオオオ!!!!!』
アースゴーレムは大地を揺らすほどの咆哮をあげた。
〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜
オリバーは轟音に紛れ、気配消去でエドリフやメアリーから気配を隠し、音のなる方へ向かっていた。
「!?!?」
・・何か悪い予感がする・・・。 急ごう!!。
目的地に着くと、オリバーは驚きの表情を浮かべた。
なぜなら、そこにいたのは自分の数十倍、数百倍もデカイ "巨人" がいたからだ。
なんだこいつは?!?!
・・”解析”!!!
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名前: アースゴーレム
種族: 下等巨人族
レベル: 47
HP: 358/358
MP: 106/106
腕力: 203
魔力: 87
防御: 242
魔防: 62
幸運: C+
スキル: 咆哮
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ゴーレム系かっ
やはり、物理系統が強い・・・。 でも魔法には弱そうだな。
「 !?っ 」
アースゴーレムが放った咆哮に反応して、庭に設置していた『ディビジョンセンサー』が反応したらしい。
地面から無数のツタがアースゴーレムに絡みついた。
『グォオオオ!!!!』
ブチブチッ!! ブチブチ、ブチブチッッ!!!!!!
やはり、あの程度のツタじゃ時間稼ぎにもならない・・・。
顔に大きな傷がある男が高らかに笑っている姿が見える・・・。 ウッザイなぁ。
こうなったら目に物見せてやる。驚かせるには一撃で仕留めるしかなさそうだ・・・。
・・・図書室で見た題名の書いてない真っ黒い本に書いてあった魔法でも試してみるか・・・。
・・・ええと、アースゴーレムは火属性が弱点だから・・。
やるぞぉ!
やってやる!
『イグニート』!!!!!
ドガガガっ ボガガガガガガガガガッガガ!!!!!
・・・。
やりすぎた・・・。
そこには、庭があったはずの場所が残った・・・。
〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜
「アミラ様!ご無事ですか!!」
「・・・奥様!!」
アミラがいる2階の第1寝室に向かったメアリーは、途中で合流した乳母のケイトと共に、目の前に怯えた姿で蹲っている自分の主人を見て安堵の表情を浮かべていた。
「メッ・・・メアリー。ケイト・・・。」
「はいっ。」
・・・・。
・・・・・・・・。
「「ゴワガッダァアああ〜〜;;;」」
アミラは安心して気持ちが溢れてしまったようだ。
「もう安心してください!私たちがきましたから!!」
「う"ん"っ。」 グスっ
「いつもは笑顔を振りまいている奥様の、泣いている姿を初めて見ました・・・笑」
「そうですね笑。私も初めてです!」
「「「 !?!?!?っ 」」」
「きゃあああああ!!また、大きな音がぁ!!」
三人は最後の一番大きな音を聞いて、布団の中に逃げ込んでしまった。
・・・・。
「どうやら音が止んだみたいですね・・。」
「ゔんっ」
「んっ!!ジェフどオリバーのどころに行がなぎゃ!!」
涙目のアミラは寝室から飛び出し、急いで息子たちのもとへ向かった。
ようやく頭角を現してきましたね・・・。自重とらはどこへ・・・?笑
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