04. 家族
6ヶ月が経ったある日。
「オリ。今日は抜けださずにいるようだね。」
兄のジェフェリーが、可愛い弟を見にきてくれたようだ。
兄のジェフェリー、ジェフは弟見がよく2日に1回は顔を見にきてくれる。
彼は現在5歳だが、妙に大人びている印象だ。
彼は図書室によくいるが、時々長男として父の付き添いで政治の場にも顔を出しているらしい。
またメイド曰く、領民からの支持もよく、将来有望で安心できると言われているらしい。
顔もイケメンだし何も不安要素がない。
彼のステータスはこうだ。
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名前: ジェフェリー=アウグス
種族: 人族
レベル: 3
職業: なし
HP: 52/52
MP: 43/43
腕力: 23
魔力: 45
防御: 12
魔防: 36
幸運: A+
スキル: 英雄の子 予知夢
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英雄の子: 英雄のスキルを持った者の子。英雄のスキルを1時間だけ使うことができる。
予知夢: 1ヶ月以内の最悪な出来事、もしくは最高な出来事を夢でみることがある。その際、精神力は消費しない。
ジェフに英雄の子のスキルがあるのなら、俺にもあるんだろうなー。これは使えそうだ。
ちなみに、彼らのステータスを知っているのは、生まれて目を開けた始めての時のことだ。
情報を集めるために、"創成" の力で"解析"のスキルを創造して、彼らを解析してみたら彼らのステータス画面が現れたからだ。
これで他人のステータスは簡単に見れるだろう。
「 オリはこんな本まで手にしてるのか・・・。まだ僕も読んだことないのに・・・。 」
現在読んでいる、『スキル大全集!!〜スキルマスターへの道〜第2巻』だ。
この体を思うように動かせられない状態では、"創成" の力でできるだけスキルを創造することが第一優先事項だと思っている。
「 オリバー!起きてるかー?
ん? おお!ジェフも来てたか! 」
おやっ? どうやら珍しく父のファンデルがきたようだ。
「 お父様。お仕事お疲れ様です!
お父様も、オリのかわいい姿で癒されに来たのですか? 」
「 そうなんだよ。ほらオリバー抱っこしてあげるからなー! 」
満面の笑みで、持ち上げてきた。
ジョリジョリのヒゲがあてって少し痛いが、これも悪くないな。
「 ところでジェフ。お前はどんな職業にするか決まったのか? 」
「 それなんだけど、得意な魔法を使った魔術師系統か、持ち前の知識を使った賢者系統か迷っているんだ・・。 」
「 そうか、お前は頭もいいし魔法もその年にしてはうまいしな ・・。」
「だがそろそろ決めておかないと、2年後の職業を決定させる"聖寵祭"に間に合わなくなるぞ。」
その年の7歳となった子供は、街の大教会で"聖寵祭"と呼ばれる職業を決める儀式を行うことができる。
この"聖寵祭"はその後の人生を決める、一大イベントだ。
「 お父様のような立派な魔術師になれればこの上ない幸せなのですが、賢者も捨てがたくて・・・。 」
「 そうだな、実力重視の魔術師に比べて賢者はどこにでも優遇される安定職だからな・・。」
「迷う気持ちもわからなくもない。 」
「 ですよね・・・。
まあでも、3ヶ月以内には決めて、その職に向けて鍛えていきたいと思います! 」
「 困ったらいつでもジェフの相談に乗るから、お父さんを頼るんだぞ! 」
「 はい!ありがとうございます、お父様! 」
「 あらあら。二人とも仲がいいのね。 」
二人の会話を聞いていたのだろうか、母のアミラが美しい笑みで扉の方からゆっくりと優雅な歩き方で来て、ジェフの頭を撫でた。
「 ジェフ、悩んだり困ったときは私達にお話を聞かせてね。 」
「 わかりました!お母様、ありがとうございます! 」
「 オリも大きくなったら私達にいろいろお話を聞かせてちょうだいねー。 」
「 あーい。 」
手をあげて返事をしてみたら、3人が驚いた表情を浮かべていた。
「 ・・・。 」
「 ・・!? 」
「 オリが・・・返事した・・・? 」
「 今明らかに理解して返事したよな・・? しかも、初めてしゃべった?! 」
「 すごーい!オリは天才な弟なんだね! 」
「 私達の子供は頭がいいのね。 」
アミラに抱っこされ、ジェフと父ファンデルに撫でられ、3人に囲まれて幸せな気持ちが溢れて来た。
・・・これが、人間の幸せな感情か・・・いいなぁ。
嬉しさのあまり笑みが溢れた。
「 あひゃー!あっ、あひゃひゃ! 」
「 ハハハ、可愛いな 」
「 あはっ、最高の弟だね! 」
「 フフフっ 」
今日は遅くなりました!すみません!
それにしても暑さが引いて来てちょうどいい気温になって来ましたね!・・まだちょっと暑いですが笑
暑さに負けず頑張って書きますので、応援よろしくお願いします!