22. 決闘大会
暑い日差しと熱い歓声が轟き迫る夏。
「ウヲォオオオオオオ!!!」
第3試合が拮抗した力の押し合いで盛り上がり、勝敗が決まり、俺はいつの間にか身を乗り出し、声を出していた。
観客席は大盛況で、羽目を外した若者が多く見受けられる。
王様専用の特別席から、カエサル国王と正室のナイル王妃、そして息子でエリアの兄であるゲイル王子が、エリアのいるこっちを見てアイコンタクをしていた。
それを俺は返すと、第4試合が始まった。
『それではー!第4試合。』
『まず、ジョーダン選手の入場です!!』
歓声とともに、第3試合でも見た、頭の丸い明らかに強そうな巨体が現れ、観客に手を振り入場する。
『えー。続いて、ファンソニー選手の入場です!拍手!!』
そしてでてきたのは、肌の白く腕は細い、耳が特徴的な背の高いエルフの男性が登場した。
歓声には答えず真ん中へと、スーと歩いていく。
そうして、闘いが始まった。
カンッ!!カキンッ!!
ドカッ!!ドカッ!!!!
と闘いが白熱してきた。
決闘大会に集中していて、ふと隣を見たら・・・。
恐竜がいた。・・・。
正確に言うと、顔から下は華奢な体つきをしており、可憐な女の子の雰囲気だ。
しかし、顔がどーも恐竜なのである。
エルフのような耳があるわけでもない。獣人のような体毛があるわけでもない。
そう、恐竜なのである。
「あの・・・。す、すごい試合でしたね!」
勇気を振り絞り、話しかけたが、「・・・。」と反応がない。
すると、恐竜はゆっくりとこっちを見て、頷いた。どうやら会話は通じるようだ。
「これ、いります?・・・。」
そういって、手元にあるポップコーンに似たお菓子を差し出すが、「・・・。」
今度は首をゆっくりと横に振った。どうやら、いらないらしい。
「あの・・お名前なんていうんですか?・・・。」
すると、またゆっくりと顔を向け、
「・・・フィア・・・。」
フィア。あなたは何故、フィアなの?
明らか名前恐竜顔に合ってないだろ。笑
いやはや、そんな失礼なことを言ってはいけない。
「よ、よろしくフィア!俺はオリバーだよ!」
「・・・オリバー・・・。覚えた・・・。」
「う、うん。ありがと。」
「・・・ん。」
〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜
ファンデルは息巻いていた。
この試合の後、俺の出番になる。
前回大会のように、圧勝する。俺にできるのはそれだけだ。
気を抜かず、慢心をせず。ただただ、相手を見定め、倒す。ただそれだけだ。
ウヲォオオオオオ!!!!
熱狂した歓声が聞こえる。
その歓声とともに、ファンデルは胸を高鳴らせた。
「いよいよ・・。始まる・・・。」
そう言い、準備運動をしていると、
・・・ツッ?!
首元に針が刺されたような痛みを感じた。
そして、体がしびれ始め、動かなくなった。
彼が憶えていたのはそこまでだった。
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目がさめると、目の前にいたのは、黒いフードを被って、肩に髑髏をのせた男だった。
「ツッ・・・。おい!! 何をした!?」
男はゆっくりと口を開き、
「お前は大事な人柱になるんだ。感謝しろ。」
「ふざけるなっ!!」
手足を思い切り動かすが、手足を縛られて壁に繋がっており、身動きが取れない。
「おいおい、暴れるな。後悔するぞ。」
「はやくここからだせ!!」
「それは、無理なお願いだ。お前はここで大人しくしとけ。」
「俺はこんなところ留まる暇はないんだ!!」
「お前には人質がいる。かわいい子供達は今どうしているかな・・・?クククっ」
「おい!やめろ!!! 子供達には手を出すな!!」
「クククっ。なら、ここで大人しくすることだな。」
「・・・チッ。」
「決闘大会が終わったら出してやるから安心しろ。まあ、その時にはお前の居場所はもうないがな。ククっ」
「・・・それが狙いか・・・。」
暗い牢屋のような場所から出て行った、フードの男は笑いながら、何処かへ向かった。
決闘大会、第5試合目はどうなるんでしょうか?!
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