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創造神の異世界転生  作者: G/I/N
第2章 成長期
23/56

22. 決闘大会

 

 暑い日差しと熱い歓声が轟き迫る夏。


「ウヲォオオオオオオ!!!」


 第3試合が拮抗した力の押し合いで盛り上がり、勝敗が決まり、俺はいつの間にか身を乗り出し、声を出していた。

 観客席は大盛況で、羽目を外した若者が多く見受けられる。



 王様専用の特別席から、カエサル国王と正室のナイル王妃、そして息子でエリアの兄であるゲイル王子が、エリアのいるこっちを見てアイコンタクをしていた。


 それを俺は返すと、第4試合が始まった。



『それではー!第4試合。』

『まず、ジョーダン選手の入場です!!』


 歓声とともに、第3試合でも見た、頭の丸い明らかに強そうな巨体が現れ、観客に手を振り入場する。



『えー。続いて、ファンソニー選手の入場です!拍手!!』


 そしてでてきたのは、肌の白く腕は細い、耳が特徴的な背の高いエルフの男性が登場した。

 歓声には答えず真ん中へと、スーと歩いていく。



 そうして、闘いが始まった。



 カンッ!!カキンッ!!

 ドカッ!!ドカッ!!!!


 と闘いが白熱してきた。




 決闘大会に集中していて、ふと隣を見たら・・・。



 恐竜がいた。・・・。



 正確に言うと、顔から下は華奢な体つきをしており、可憐な女の子の雰囲気だ。


 しかし、顔がどーも恐竜なのである。



 エルフのような耳があるわけでもない。獣人のような体毛があるわけでもない。


 そう、恐竜なのである。




「あの・・・。す、すごい試合でしたね!」


 勇気を振り絞り、話しかけたが、「・・・。」と反応がない。

 すると、恐竜はゆっくりとこっちを見て、頷いた。どうやら会話は通じるようだ。



「これ、いります?・・・。」


 そういって、手元にあるポップコーンに似たお菓子を差し出すが、「・・・。」

 今度は首をゆっくりと横に振った。どうやら、いらないらしい。



「あの・・お名前なんていうんですか?・・・。」


 すると、またゆっくりと顔を向け、



「・・・フィア・・・。」



 フィア。あなたは何故、フィアなの?


 明らか名前恐竜顔に合ってないだろ。笑

 いやはや、そんな失礼なことを言ってはいけない。




「よ、よろしくフィア!俺はオリバーだよ!」

「・・・オリバー・・・。覚えた・・・。」


「う、うん。ありがと。」

「・・・ん。」



 〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜



 ファンデルは息巻いていた。


 この試合の後、俺の出番になる。

 前回大会のように、圧勝する。俺にできるのはそれだけだ。


 気を抜かず、慢心をせず。ただただ、相手を見定め、倒す。ただそれだけだ。



 ウヲォオオオオオ!!!!


 熱狂した歓声が聞こえる。


 その歓声とともに、ファンデルは胸を高鳴らせた。



「いよいよ・・。始まる・・・。」


 そう言い、準備運動をしていると、



 ・・・ツッ?!



 首元に針が刺されたような痛みを感じた。

 そして、体がしびれ始め、動かなくなった。



 彼が憶えていたのはそこまでだった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 目がさめると、目の前にいたのは、黒いフードを被って、肩に髑髏をのせた男だった。


「ツッ・・・。おい!! 何をした!?」


 男はゆっくりと口を開き、



「お前は大事な人柱になるんだ。感謝しろ。」

「ふざけるなっ!!」


 手足を思い切り動かすが、手足を縛られて壁に繋がっており、身動きが取れない。



「おいおい、暴れるな。後悔するぞ。」

「はやくここからだせ!!」


「それは、無理なお願いだ。お前はここで大人しくしとけ。」

「俺はこんなところ留まる暇はないんだ!!」


「お前には人質がいる。かわいい子供達は今どうしているかな・・・?クククっ」

「おい!やめろ!!! 子供達には手を出すな!!」


「クククっ。なら、ここで大人しくすることだな。」

「・・・チッ。」


「決闘大会が終わったら出してやるから安心しろ。まあ、その時にはお前の居場所はもうないがな。ククっ」

「・・・それが狙いか・・・。」



 暗い牢屋のような場所から出て行った、フードの男は笑いながら、何処かへ向かった。



決闘大会、第5試合目はどうなるんでしょうか?!



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