20. 緑祈祭
今日は、街の方へ繰り出している。
ここ"ユグドラシル"は、二つの円が合わさった、『∞』のような形をしており、普段俺らが住んでいるアウグス邸は、南の方の"南ユグドラ"にあり、父のファンデルが領主として治めている。
そして、今いるのは王家が住んでいる"北ユグドラ"だ。街と読んでいるのはこちらの方で、どちらも栄えているが、やはり賑やかなのは"北ユグドラ"の方だ。
この作りになったのは、100年前ごろと言われており、国の中での一番の力を持つものが"南ユグドラ" を任される。
その一番を決める大会が5年に一回開かれ、 年に1回、豊作を願い宴を開くための "緑祈祭" で一緒に行われる。
今日はその5年に一度の日だ。一年前から父ファンデルは今日へ向けて意気込んでいたらしい。
前回大会は父が圧勝で勝利を収めており、勝ち残り式で最後の方はかなり体力を消耗すると思うのだが、今回も優勝間違いなしと言われている。
「お父様!今日は頑張ってくださいね!」
「おう!お前に負けてから気合い入れて鍛えたからな!負けられない。」
応援の言葉をかけ別れた父は、決意の表情を浮かべ大会本部まで歩いて行った。
「大会まで少し時間あるし、屋台でも見にいくか!ノアも一緒に行く?」
「ノアもお兄ちゃんと一緒にいきゅー!!」
妹のノアは手を思い切りあげ返事をした。もうね、かわいったらあらしない。笑
ノアは現在2歳となっており母アミラのように、順調に美少女への道を歩んでいた。
そんな彼女は来年に待ち構えた "明霊祭" を楽しみにしているようだ。最近みっちりノアとウィリアムに教え込んでいる。
ウィルはジェフに、ノアは俺に特に懐いており、お互い幸せを分けあった状態だ。
ふと眺めると、ノアがある屋台の方を向いて、よだれを出していた。
「ノア、あのブルーム飴美味しそうだね!欲しい?」
「 お兄ちゃん!ほしぃーーー!!! 」
「わかった。わかった。笑」
袖を引っぱりながら歩いていたが、その瞬間思い切り引っ張られた。相当欲しかったんだろうな。笑
「美味しいブルーム飴!おひとつどうだい?どうだい?」
「おっ!お二人さんかわいいね!ブルーム飴が欲しいのかい??」
「はい!一つ買います。おいくらですか?」
「一つ、小紅貨5枚だぜ!」
小紅貨を5枚言われた通り渡した。
この世界の通貨は6種類あり、それぞれ
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蒼貨 → 1000万円
上藍貨 → 1万円
下藍貨 → 1000円
大紅貨 → 500円
中紅貨 → 100円
小紅貨 → 10円
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「ほい!これひとつオマケでつけといたぜ!特別だぞ〜?笑」
「ありがとー!優しいおじさん」
「おじしゃん!ありがとぉー。」
ほんわかした空気が辺りに漂う。周りの人は笑顔で楽しそうだった。
少しそんな空気でワイワイ歩いていくと後ろから誰かに呼ばれた。
「オリバー様ぁ!!」
その聞き覚えのある声に心躍りながら、声の方を振り返ると。背の少し伸びた金髪美少女のエリア姫が、キラキラした目で手を振っていた。
「エリア!久しぶりだな!」
「はいっ。お久しぶりです!」
「それと、去年も言ったが呼ぶときはオリバーって呼んでくれ。」
「はい。でも、まだお恥ずかしいです・・・。」
照れた顔もまた美しい。去年の "緑祈祭" でも会ったが、成長しており一層可愛くなっていた。
指には、綺麗な銀色の指輪が嵌っていた。
「今日は付き人はいないのか?」
「ええ、先ほどまでは一緒にいましたが、オっ、オリバー・・・を見つけてから下がらせました・・・///。」
「そうか・・・。笑」
「お兄ちゃんデレデレしてるー!ずるぃー!」
「ふふっ。かわいい妹さんですね。」
「だろ? 自慢の妹さっ。」
「えへへ〜。」
ノアの頭を優しく撫でてあげたら、目を細めて笑った。
〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜=〜
そろそろファンデルの決闘大会が始まるので、先にウィリアムとジェフェリーがとっている席の方へ向かった。
「オリとノアちゃん、おかえりー!」
「オリバーにいちゃん、ノアおかえりっ!」
「それと・・・。」
「ああ・・。こちらエリアだ。(ジェフ兄ぃ、彼女一応、お姫様だから・・・ね?笑)。」
そう耳打ちすると、びっくりとした顔をしながら、とっさに貴族特有の挨拶をした。あとで呼び捨ての件とか、出会い方とか色々聞かれたが、今までのことを話納得してもらった。
席は、左からジェフ、ウィル、ノア、エリア、俺の順で座った。ここに来るまでに、エリアとノアが妙に気があっているようで、控えめに言って姉妹みたいに見えなくもない。笑
この決闘会場は、一般闘技場とはちがって、王家主催の豪華な作りで、広さもかなりの観客が入る大きさだ。
父の出番は5番目。1試合目から4試合目までは競技者の強さの底をあげるためであり、真打ちであるファンデルに盛り上がりを持っていくための、いわば前座の役目だ。
『えー!みなさん、お待たせいたしました!』
『いよいよ、決闘大会が始まります!』
オオオオオーーー!!! 待ってたぞー!!!
ウォオオオオオオォォォ!!!!!!
歓声が飛び交う。
『一言失礼・・・。』
『『 盛り上がってけぇぇええ!!! 』』
ウォオオオオオオォォォ!!!!!!
決闘大会シーズンです!
少し前の話も仕様変更しました。
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