定期演習III
ものもらい、無事治りました。
薬局で買った、対ものもらい(抗菌剤入)点眼薬を点したら2日で治りました。
目にあった違和感が嘘の様に無くなった。
やっぱ、高い薬は効果があるね〜
さて、4話目です。
ここから物語が動いていきます。
第4話 定期演習III
「イヴァン、お前のいらない一言のせいで大変な目にあったぞ…」
「まぁ、そう怒るなって!収監室から出れたんだから、むしろ感謝してほしいね」
「いやいや、収監室の方が何千倍も幸せだったね」
「まあまあ、そう言うなって。仕事ぐらいはしようや」
「働いたら負け。がうちの家訓だから」
「そんな家訓、聞いたこともない。親父さんが生きてたらドヤされるぞ…」
「違いないな」
「「アハハハハ」」
なにはともあれ、笑い合う2人、そのうちの1人であるクロイツは、収監室を出た後がこれまでで一番大変だった。
イヴァンのお陰で、収監室から出られたクロイツは、これまたイヴァンのお陰で死にそうになる程、働かされた。
全てにおいてやる気のないクロイツにとって、仕事は地獄でしかない。
その地獄を鬼…じゃなくて艦長の監視の下、せっせと勤しんでいた。
イヴァンを心の中で呪いながら…
その頃、訓練は終盤に差しかかろうとしていた。
前衛の艦艇は機雷設置や哨戒の為、四方に展開しており、中衛は主砲を発射しながら前進を続けていた。後衛の大型艦は中衛の横と後部を守り固めるために凹字に展開していた。
最後方に位置する本陣は、少数の護衛艦を残して周りはガラ空きだった。
それが仇となるとは思わずに
帝国特殊作戦軍偽装輸送船団 艦橋内
1人の兵士が、本偽装輸送船団を率いる男に連絡をする為に入ってきた。
「閣下、失礼します。本船団、敵艦艇への攻撃軌道に入りました」
「相分かった。計画通り、そのまま突入しろ。妨害電波と敵艦コンピュータへの細工を忘れるな」
「はっ!連邦に死を。帝国に栄を!」
兵士は、この男への敬礼と帝国への賛美を口にして、艦橋を後にした。
「しかし閣下、思った以上に簡単に計画が進んでいますな。少しばかりは問題が起こるかと思ったのですが…」
「シュナイダー、イレギュラーと言うのは起こらないに越したことはないのだよ。このまま万事上手く行けば、本国に帰った暁には皇帝陛下よりお褒めのお言葉と褒美を頂戴するとができる。」
「それはそうですが…」
「なんだ、まだ不安か?本作戦のナンバー2がその調子では下の者まで不安がるぞ。もっと自信を持て。」
「はっ!失念いたしておりました。ご忠告感謝致します。閣下より頂きました、本作戦ナンバー2の職務を誠心誠意務めさせて頂きます」
「わかれば良い」
「それとシュナイダー、例の積荷の始動を部下に命じておけ」
「御意」
偽装輸送船団船体部格納庫内
突然、格納庫内全体に艦橋より内線が響いた。
声の主はシュナイダーである。
『ザ…ザザ…閣下よりご命令である。格納庫内の作業員は積荷の始動を開始せよ。それは本作戦の鍵となる物である。失敗は許されない事を心に留め、誠心誠意務め上げるように』
「いよいよ俺たちの出番か!いやぁ〜長かったな〜」
「ほんとだよ。そろそろトランプも飽きたところだったし、丁度いいや!」
「おい、無駄口叩かないで早くやろうぜ!この作戦が終われば酒が飲める!!」
「「だな!酒こそ我らの血液だ!」」
格納庫内にある、その大きな機械は「反物質生成照射装置Mk.239」と呼ばれる兵器であった。
これは反物質に指向性を持たせて、敵兵を艦艇諸共この世から消し去る兵器である。
ただし、使用すると物質と反物質の打ち消し合いで、膨大なエネルギーが生まれる為、近距離での使用には向かない代物になっていた。そのため、搭載している船は、船団の中でも極少数に限られる。
本作戦の中核を担う兵器は僅か2機しか無かった。よって搭載されている船も二隻である。
その他の船は(司令船を除く)、兵士達の為の食料や船の燃料を積んでいる曲がりもない輸送船だ。
兵器の始動を確認した兵士は、司令船のシュナイダーへ報告の通信を行った。
「副司令殿ぉ、例のブツの始動完了しやした!」
「よし。では、本作戦決行までしばらく待機しておけ。いつでも動ける体制はとっておくように」
「了〜解しやしたぁー!」
工作員より連絡を受けたシュナイダーはシュトルフへとそれを伝える。
「閣下、反物質生成照射装置を始動しました。いつでも発射可能です」
「そうか。では、計画通り時刻に行うとしよう」
「御意」
シュトルフより次の命令を言われたシュナイダーは、それを全ての工作船に伝えたい。
一通りの仕事が終わったシュトルフはシュナイダーと任務外の会話をする。
「…シュナイダー、今回の作戦は楽勝だな。帰ったら酒が美味く飲めそうだ!」
「それは良いことでございます。僭越ながら閣下、作戦開始時刻まで少しお休みになられた方がよろしいのではないでしょうか?」
「うむ、それもそうだな。では、これより一時全ての指揮をお前に預ける。何か起きたら知らせるように」
「御意」
「ま、起こりえないだろうから、そう緊張するな。リラックスしておけ。じゃおやすみ」
「それではごゆっくりどうぞ。閣下」
シュトルフは作戦開始時刻までのわずかな間、少し休息を取る為、特別に設けられている士官室へと向かった。
この日、銀河の未来が大きく動き始めた。
連邦と帝国、二つの巨大な力の衝突が銀河を怒涛の時代へと突き進めていく。
そして、クロイツ達の運命を変えていく。
これからは、週に二回更新していこうと思います。
諸事情によって変わることもあると思いますが、その分は他で補う予定です。
有り難い事に、前回更新とともにアクセスが増えたので、内心驚きで一杯です(⌒-⌒; )
これからも末永く宜しくお願いします!