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ああ、こいつ馬鹿だ

黒い瞳が俺の目の前にあって、その顔はすげぇかわいくて思わずみとれて・・・じゃなくて


「なにしやがんだてめぇ」

ここで極力怒りを抑えて言った俺は天才じゃなかろか?

だがさらにこいつは


「ん〜?代金♪」

馬鹿だ!こいつ本物の馬鹿だ!みなさーーんここに馬鹿がいますよー!!

と言いたいのを悟りを開いた坊さんのように心の中だけに押しとどめてと


「どこにパン(105円)一個だけで健全的男子中学生のひそかに取っていたファースト・キスなるものを14年間取っていた唇を奪うやつがいるんだ?」


「ん〜ここ〜}


うはぁぁっ

なぐりてぇ♪

ってかもういっそ・・・


なんてことを考えている間に第二陣がきましたよ。

ハイっ

また口ふさがれてました〜


しかも今度は後頭部部分に手を回されていてさっきよりも強くなってるぅ!!



あっ

もうだめだ冷静に考えられない。なんかぐるぐるといろんな情報が俺の脳をウォータースライダーのごとく駆け抜けてった。


え〜と

まずここは埃がかぶっていることから察するに人があまり来なくて、次に年頃の男女がいまして、んでもって目の前にはランク的に言うと最高レベルの中の女(俺基準)がいて、それで俺の唇をふさいで、しかも自分の口で、手とか布とかではなくて、だから俺の唇にはそこはかとなくやわらかいものがくっついているのであってしたがって俺は声を発することができなくてしたがって次第に力が入らなくって・・・


ここまで来てようやく俺は開放されて後ろのマットへそのまま倒れた。

なんかあちぃな

冷たいマットが心地いい


俺ハタから見たらおもしれぇ〜んだろーなぁ〜とここまで思考が回ってきたところでガバッと起きた。

一言言ってやる為だ。


そう

俺は必殺の一言を言ってやる

いくらさっきから人の唇を奪ってやるやつにだってこの一言は聞くはずだ・・

さぁ息を大きく吸って眼をつぶって







「病院行け!!」

し〜ん

あら?


あれれ〜

恐る恐る眼を開けると

突然


「あははっ、ちょっ、クク病院逝けって」

えらく大笑いしたやつがいたよ。




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