蝉の四面楚歌
えー、只今9時前15分
俺とハルは、リビングにてテレビを見てる。
あとは来るだけなはずなのだが、肝心の客人が来ない。
これは、友人としてあるまじき行為のひとつではなかろうか?
俺は、ゴキブリとの異種格闘技戦を繰り広げていて朝を迎え体力が持つかどうかというのにこのような行為に及んだことは断じて許すわけには・・・
電話が鳴った
友人の一人であった
「もしもし」
『黒崎?今、おまえんち探してんだけどよわかんねーからちょっと迎えに来てくんね?』
なるほど、なるほど
要点をまとめれば以下の状況だよ〜ということだった
住所をわかっても場所がわかんねーよ
てことである。
とりあえず俺は、二人に近くのものを聞き二人を迎えにいくことになった。
はぁ、中学3年生が住所分かってて目的地にこれないとはゆとり教育の弊害であろうか?
20分後、俺は初めてのお使いも完遂させる事のできないお子ちゃま二人を伴って家の前にいた
以下が第一印象らしい
「ハ?ここ日本?」
あほか?コイツは
「セレブがいるのかにゃ?」
ここに住んでんのは俺だぞ?
「馬鹿いってねーでさっさと入れ」
おっと、この馬鹿たちの紹介がまだだったか?
『ハ?ここ日本?』発言をかましたのは、 奏・T・トライケーナ=高谷
頭が少々赤く(外国人を祖母に持つクオーター眼が虹彩異色症(俗に言うオッドアイ)
左目赤、右目黒で非常に外国の文化を身体であらわしている奴なのである。
上記の『ここはセレブがすんでんのかにゃ?』という発言をした痛い奴は
浪崎 心
身体的特徴を挙げるなら黒髪で長髪(髪は結んでいる)、中肉中背、以上!!物語進行再開
「おまえ、ハルちゃん居てこんな豪邸住んで〜裏で何やったらこんな金もてんの?」
奏く〜ん、人聞きの悪い子というなよ?オコッチャウヨ?ボク
「いーから入れ!ったく」
ようやく、二人を中に入れ終える。
家に居たかも知れんが外は非常に暑いと感じる。
夏はこれから?奇跡はこれから
いきがる俺を尻目に蝉の四面楚歌
これぞ日本の夏!!と十分風情を感じクーラーの効いた家へと入っていった。
台無しだな・・・