表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/23

早朝稽古

俺は5時20分に突然夢の世界から帰還した。

いや、正確に言うと帰還せざるを得なかったのだ。

呼吸ができない。

眼をパッチリというわけにはいかなかったが、それでもうっすらと眼をあけてみるとハルが居て俺の(恐らく)鼻で呼吸できないようにしていて口呼吸はあいつの口によってできなくなっていた。

俺が、眼を開けたことが分かると(恐らく)鼻と口を開放した。


「眼、覚めた?」

起こすにしても10分やったら死ぬような方法じゃ起こしてほしくなかったな

起こす過程はどうあれ結果として起きれてよかったと俺はしみじみと生きれていることに感謝した。


「もう少しまともに起こしてほしかったな」

至極もっともな感想を述べつつベッドを出た。


なぜあいつがこんな時間に俺を起こしたか?

実はその答えを俺はきのう頂いていた。

今日からなにやら俺の剣術がよろしくないと見たハルが稽古をつけてくれるらしい

拳法は合格ライン行ってたようで何より


下に下りるとトースト1枚を胃に収め木刀を持ち学校へと歩いた。

外での稽古を学校でさせてほしいとハルが校長らに掛け合ったところ快諾して許可証まで発行してくれたらしい。


学校に着いた。

当然のことながら生徒はもちろん教師たちもまだ来ていないようだった。

鞄を置いてそれは始まった。


俺たちみたいなやつらがやると打ち合うというレベルを超え致命傷ともなりうるような激しさが出てくる。

要するに当たりゃ病院行きって事だよ。


7時を過ぎると生徒たちが続々と登校してきた。

そして眼が行くのはグラウンドで殺しあってるような俺たちだろう。


7時半になるとグランドを見ている人たちの数が半端じゃない。

ざわめきと感嘆の声が聞こえる。

だが今の俺にはそちらに眼をやる余裕が無い。


7時50分でようやく終了となった殺しあう稽古

コイツも龍之介さんに習ったのだろうか?


タオルで汗を拭きながら大勢の歓声を受けるというのはなかなか悪くないものでつい顔が緩みがちになる。

そんな俺を見たハルが俺の頭に木刀を叩き込んだ。

幸い?に押さえ気味だったので俺の意識は消える事もなく生き地獄を味わいつつ4時間の授業を受けることとなった。


さぁ、もはや定番となりつつある屋上で男3人女一人のランチタイム

食べていると友人2人から

「お前、その顔についてるのって・・・」

そう

昨日のアレがうっすらとだがいたるところについているのだ。


「いや〜打ち合ってるとあざがひどくてね」

ごまかすことには何とか成功した。俺って詐欺師の素質あるかも


それから俺の家のことに話題が移った。

友人たちから要求されている家に呼べという発言に俺ではなくハルが答えた。

「でも、今家にいるのってあたしとイズミしかいないから」


爆弾が俺の脳に落ちてきた。



「お前、まさか」

待て、冷静に待て

今君たちの考えていることは誤解だ。


こうして俺は夏休み絶対家に泊めることを約束させられ電話番号という個人情報も教える羽目になった。


加えてこの電話番号が正しいことをハルが確認し俺の部屋の電話直通であることも教えたのはハルであることはいうまでもなかろう。


夏休みまであと2日

今年の夏は熱風が吹き荒れる予感とともに1学期終了を待ちわびる。


黒崎イズミ、この夏を思いっきりエンジョイしてやるぜ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ