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アフタースクール

家に帰った俺とハルを龍之介さんが出迎えてくれた。

ハルは、龍之介さんが見えると龍之介さんに抱きついて今日のことを報告していた。

俺も会ってまだ間もないのに、なぜか普通に接することができる。

きっと、これがこの人の持つ雰囲気なのかもなと思いながら2人に近づいた。


「やぁ、表彰されたんだってね」

やっぱり話したか


「あ、はい。感謝状もらいました」


「そう、よかったね。そうそうトキ、今日から2ヶ月出張だって」

(ちなみに龍之介さんと親父はリュウとトキと呼び合ってる。昔かららしい)


やっぱり、どうりで今日まで家に居れたのか

ちょっと、ほめてもらいたか・・・


龍之介さんが俺の頭をなでてくれていた。


「よくやったね。帰ったらトキからもほめてもらおうね」


全く予想していなかった。

すげぇ嬉しかった。

今までにないくらいの感動だった。

この人あらゆる意味ですげぇ


そんな感動に包まれていると、


「どうする?今日のご飯?」

龍之介さんが言うには母たちは親睦旅行(キスミは、まだ幼いので母たちについって行った)

兄2人は、今日から大学休みということで、サークルの合宿(2週間もっと伸びるかも)


というわけでしばらく3人で暮らすらしい。

幸い?明日で学校が終わり44日間の休みが得られる。

しかし問題がある。

飯だ。食材は豊富にある。

が、誰が作るかという問題だ。


俺はまぁそれなりだ。男でいうと中の上程度だと思う。

外食という手もあるのだろうが、あいにく俺は多人数の知らない人のいる店では食が進まないのだ(デリケートなんだよ)


「とりあえず家に入ってから決めようか」

龍之介さんの一言で家に入った。


それから15分後

私服に着替えた俺とハルと龍之介さんが茶をすすっていた。


とりあえず交代で作っていくということになった。

今日は俺、明日はハル、あさってが龍之介さんという具合にな


ハルは自分が作ると言い出したのだが、俺も世話になってばかりというのは、主義に反するからな。(何の主義かはあえて聞くな)


とりあえず、夕食は2時間後ということで作り始めるにしても1時間あまった。

ということで、俺とハルはリラクゼーション室へ行った。


そこでは、健全にトランプをして遊んだり将棋をしたりしてすごした。

俺の王があいつの桂馬に取られようとしていた時に(トランプは2回勝ったぞ)龍之介さんが来て(黒ネクタイに黒いスーツだった)


「ごめん。急な仕事が入って1週間出なきゃいけなくなった。」

といってすぐに出て行った。


車の音が聞こえると、3秒で聞こえなくなった。

よほど急いでいたのだろう。


そんなことを考えるとハルが、全くの唐突に

「イズミ、しばらく2人っきりだね。何しようか?」

ハルさん?

何をおっしゃってるのでしょうか?

私めには少々理解に苦しみますが


「なに言ってんだ?とうとう変通り越していかれたか?」


「ん?2人っきりのお年頃の男女が夜ベッドの上でする運動〜」

俺は読者のためにも俺のためにもハルの頭をたたいておいた。


「え〜せっかく2人っきりなのに〜親睦を深めようよ〜」

はい2発目


「お前は親睦を重ねてどんな人間になるつもりだ?」


「イズミのお嫁さん〜」

まぁいやではないが・・・いやいや何を言ってるんだ俺は


「さぁそろそろ夕飯でも作ろうかな」

さぁ頑張ろう。うん


「じゃーイズミの媚薬たっぷり入れてね」

何を言ってるんだ、こいつはよ


キッチンに着く。

結局ハルも一緒に作ることになった。

お互いに和食と洋食をってわけだ

多すぎてもアレなので3品ずつということになった。


さて

俺は得意な和食を作らせてもらうか。


俺が作ったのは味噌汁、キスの焼き魚、ナスとほうれん草のおひたし

男子中学生としてはなかなかといえるできばえだね。


対するハルはというと

魚のムニエル、照り焼きチキン、シーザーサラダ

どれも完璧だった。何が弱点なんだろうなこいつはよ


早速夕食となった。

いつもの長テーブルじゃなくて小さいほうのテーブルを使って食べた。

終始ハルは、おれにひっついたままだったが気にしてたら負けなんだろう。


ハルの料理は完璧だった。

味付け、彩りすべて非の打ち所がなかった。


それらを平らげたあと風呂の用意をし俺とハルは、ハルの部屋に行った。

風呂はたまるとアラームで教えてくれるので、安心だった。


そこにダンボールの姿はなく変わりに本棚、ベッド、机、コンポ、(全部屋にある)パソコンなどがあった。別段女らしさを強調するものはなかった。

あるとするならばクローゼットくらいなものだろうか?


そこでしばらく音楽を聴いたりしていた。

その時CDケースを取ろうと俺と同じくCDケースを取ろうとしていたハル

まぁ結果的にお互いの手に触れてしまったわけですな。これが・・・


「うぉっすまん」

いきなりで驚いたね。

「いや別に・・・」


「ねぇ、イズミ私のこと、嫌い?」

なに言い出だすんだろうな?こいつはよ


「ねぇ、好き?嫌い?」

「いや嫌いじゃないけど・・・」


「私は好きだよ」

そうかい。そいつぁどうも


「俺は・・・」

言いあぐねていた時、アラームが部屋中に鳴り響いた。

「うぉっ」

風呂が沸いたらしい。


「じゃあ、俺風呂風呂入ってくるぞ」

そういってその場から立ち去った。


危なかった。

何だよあの質問はよ。ッたく

風呂入って冷静になるか


さぁ鍵を閉めて、と

やはり日本の風呂は最高だね。

文化のきわみというか、日本人の知恵というか

俺は何時代か分からない風呂を開発した人に感謝した。


体を洗おうかという時にガチャという音がして俺は振り向いた。

ハルがバスタオル一枚で立っていた。

おいおい、鍵かけたはずだぞ。


風呂ってのは緊急時のために外からもあけられることを思い出した。


「背中流すよ」

そういって俺の後ろに立って背中を洗い出した。


「その前に非礼をわびろ」


「ごめん。でも・・」

そういってハルが口ごもった。


「でも?」

「へへっ、内緒」


そしていつしか頭を現れていた俺の背中に何かが当たった。

やわらかいものだった。


「あの〜ハルさん、何か当たってるんですが・・・」

聞くのに莫大な勇気があったのは言うまでもないだろう。

それなのにこいつは


「わざとだけど?どう?やわらかいでしょ」

何を言ってるんだか


俺は湯で流された俺は、急いで風呂場から脱出した。

その後急いで着替えた。


15分後テレビを見ながらくつろいでいた俺のところにハルが来た。

「あたし、もう寝るね」

そういってハルは二階に上がっていった。


俺は、と言うとそれからしばらくニュースを見ていた。

ローカルニュース、それは地方のことを細かに伝える番組

子供のボランティアや美術館の展示会は、まだ微笑ましいが少年犯罪や汚職などを見るといたたまれなくなると感じる俺は犯罪は起こさないと思いたい。

皆もそうだろ? 


ふと、時計を見れば11時35分

確かに中学生が寝る時間としては妥当な時間だろう。


俺もテレビや電気を消して2階に上がった。

2階も電気を消していき自分の部屋に入った。


ベッドに入った瞬間、俺は気づいた。

だれか俺のベッドの居ないか?

いや、その誰かとは脳内会議を繰り広げるまでもなく分かっている。

なぜならこの家には俺とそこに居る誰かしか居ないから

つー事で


「ハル何でここに寝てんだ?」

俺は布団を容赦なく引っ剥がしてやった。


パチッと眼を開けた。

やっぱり、起きてましたか・・・


「お前は、自分の部屋があるだろう」

「だってイズミと一緒に寝たいんだもん」

お前はガキか?精神年齢10歳以下と見たね


「明日も学校あるから早く寝なさい」

俺は、ハルを退かそうとするがこいつは全く俺のベッドから離れる気がないらしい。


「じゃ、他のところで寝る」

そういって別の部屋に行こうとしても浴衣を引っ張られて動けない。


どうしろってんだよ?

誰か俺にとって良い解決案あったら出案してくれ。

俺には全く浮かばん。


「早く寝かせてくれ。俺は疲れてるのだ」

そういうとハルは、自分の隣を俺が入れるスペースに空けた。

ちらりと時計を見ると、今現在12時13分

俺のリミットはまだ先だったが寝れるときに寝ておきたい。


ふーっ、しょうがあるまい。

負けだ。完全敗北。どうしようもない。


俺はしょうがなく、ホンットーにしょうがなくハルの隣に寝てやった。

俺がベッドに入るとハルが、嬉しそうにきゃっきゃきゃっきゃ言った。

うるせーよ。


「ねぇイズミ、昨日あたしが言ったこと覚えてる?」

はて、お前はしゃべりすぎだからいちいち覚えてなどいないさ。

覚えてるやつがいるとするなら間違いなくそいつは他におぼえることのない悲しいやつだろう


悪夢が来た。

「ホラ、ベランダで」

まぁ言わんとしていることは45%くらい伝わってきた。

お前が言いたいのは、要するに『今度はイズミからしてね』って事だろう。


「断る」

そういってハルとは別のほうを向いた。

その行動がいけなかったのかハルの頭がいけなかったのか?

俺は後者を取るぜ。


ハルは何を思ったか俺の首に思いっきり吸い付いてきやがった。

それほど痛くはないがそれでも跡がついたらまずいだろ


「なにしやがんの?おまえ」


ハルの方を向いたのが間違いだったのかもしれない。

黒崎 伊澄一生の不覚



今度は頬にやられた。


「イズミがキスしてくれるまで続ける」

おいおい、新手の脅迫か?


「じゃあ一人でやってなさい。僕は寝ます」

よく言った俺

ハルに打ち勝ったぞ。


1分が立ち


2分が立ち


3分が俺の限界だった。


「だぁぁ。分かった。分かったから」


あいつはニヤリとして

「ん、ん、ん〜なにが分かったのかな〜イズミ君」

コイツ、将来ぜってーロクな大人になんないね。

フッ、だが


「っそ、じゃあ寝るね」

笑顔で言ったら


「イズミがあたしに同じ事してくれるまであたしも朝までやめないけどね」

イヒヒって顔で言いやがったよ〜

助けて〜か〜み〜さ〜ま〜

どうしたらコイツを止められるんでしょうか?


そんなこと考えてるうちに今度はハルが耳に舌入れてきやがった。


「っっ!・・・」

どうやら俺の負けのようだ。


「ええい!わかった!キスでも何でもやってやるからやめろ」

もうやけくそだ。

だがハルは注意深く俺の発言を聞いていたようで


「何でもぉ?」

ちぃっ


「キスだけな」


「もうっしょうがないなぁ。まぁ今夜はキスだけだ我慢しとくよ」

こっちはドキドキもんだってのによ


「そうそう最初5分は眼を開けたままで5分超えたら眼つぶっていーよ」

はぁーもうどうにでもなれ

「いくぞ」


唇が重ねる寸前にあいつが言ったせりふを耳に残ったまま言うと

『舌を激しく絡めてね』だ。


唇を重ねあった俺たち。

次第にお互いの舌を絡めあう。


「んん・・ん・・ぴちゃ」


お互いのよだれを交換して飲む。

それが何分続いただろうか。

次第にお互い息が荒くなっていった

俺はいつの間にか目を閉じていた。


ハルのほうから唇を離した。

どうやらまだ余韻に浸ってるようだった。

口からよだれが流れてる。


俺はというと真っ白な頭で夢の世界に旅立っていた。


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