師匠誕生
次の日の土曜、俺はハルと会っていた。
いや、正確にはハルがうちに来た。
それはハルが、うちの家族と初めて会った日だった。
(とはいっても弟の希澄だけだが)ちなみに我が弟はキスミと読みますよ。
「へぇー弟居たんだ。よろしくね。」
「はじめまして。黒崎 希澄です。」
はい、ご挨拶、我が弟ながら偉い。
「イズミ兄ちゃん、この人誰?」
すまん、我が弟は小3だ。
「ん〜とね、兄ちゃんの友達。ところでキスミだけ?。」
「そうだよ。僕も遊び行くね。」
そうして黒崎家には俺とハルのみとなった。
とりあえず道場行こうぜ。
そうなのだ。あのデート(いや、遊びだけど)からいつか、手合わせしたいと言っていたのだ
「やっぱ、金持ちだね。」
おいおい
第一声がそれかよ。
「じゃ早速やるか?」
「オーケー、かかってきな。」
まずは、六大開[項]
「はぁっ・・・」
俺は、渾身の力で打ち込んだ。
かわされ・・・俺の頬を風がなでた。
俺の頬から血が噴出した。
まさか・・・強い!!
俺はほぼ本気でやったが5分後汗をかきまくって倒されていた。
「お前、強いな。」
「まっ、このハルちゃんを普通の女の子だと思ったら大間違いだよ。」
「そうかい、俺の腕もまだまだだな。」
「そんなことないよ。普通の人の何倍も強かったよ。」
「そりゃうれしいな。」
これは正直な感想だ。
「よかったら教えてあげようか?」
「何を?」
「ん〜、戦い方」
「そりゃうれしいな。」
まぁ、こいつの腕は本物らしいからな。
「ただし、練習中はあたしのことをマスターと呼ぶこと。」
「はいはい。マスター」
そうしてその日はハルに2時間ほど鍛えられて帰っていった。