休日終了
ハルとの怒涛の休日は過ぎまた、新しき週がやってきた。
こうしてみるとつくづく俺が動かんでも時間は流れることを思い知らされる。
俺は地球の偉大さに気づく。
というのも、実は昨日ハルと駅で別れた後家に帰り久しぶりに家族全員とはいかなかったが
家族と食事をした。
その席で我が父
つまり現黒崎家当主 黒崎 時澄(クロサキ トキスミさんと読みますよ。一応)からマジかよ!と言いたくなることが告げられた。
「イズミ、もうすぐ夏休みが始まるな?」
そうなのだ。
後三週間ほどで夏休みがある。そのころには最後の試合も終わり最高の長期休暇を得ることができる。
「そこでだ、私の友人であり、また師匠でもある男の家が国の作る建物のエリアに入っていて
立ち退かねばならなくなったのだ。」
そりゃ不幸な話だな。確か公共の福祉だっけ?公民で習った。
「この家は部屋のあまりもあるし何より広い、一家族増えたところでなんてことはない。
私としても恩返しをしたい。だからこの家に住ませようと思ってるのだが、いいかな?」
う〜ん
親父としては恩を返しておきたいってのもあるんだろうが、それ以上に友人だからな。
うちの親父は義理堅いからな。助けたいんだろう。
まぁ当主の言うことに逆らうものはいないからな
「よし。では三週間にはここにつれてくる。」
その日はそれで終わった。
休日の次の日の学校はなぜにこうもだるいのだろうか?
多分永遠の謎だ。
土曜日、非常にも俺を置いていった薄情な友人が、ニヤニヤした顔で「どうだったぁ?」などと聞いてきたので、「別に」とだけ返しておいた。
その日も普通に終わり普通に部活があった。
そんな日が2週間たった。
最後の試合が終わり(2回戦負けだったが)暇をもてあましていた俺の部屋に兄貴がきた。
黒崎 武澄 (クロサキ タケスミ)俺の兄貴だ。
「イズミ、ちょっと稽古付き合え。」
俺は、わかったとだけ言うと動き易い服に着替え道場へと向かった。
俺の武術は4割親父に5割兄貴に、そして後の1割は祖父に学んだ。
小さいときは俺と兄貴は親父に学んでいたが、兄貴が大きくなるにつれだんだん兄貴に学ぶようになっていった。
おっと、着いた
うちに2つ道場がある。
1つは家の離れにある拳法や柔道などに使う畳の道場
もうひとつは武器を使うための道場
俺たちがいるのは畳のほうの道場だ。
そこで2時間俺と兄貴は拳をぶつけ合ってた。
畳に寝転んだとき兄貴が
「あと一週間だな。親父の友人が来るの。」
俺は「そうだね」とだけ言っておいた。
「親父の師匠か、どれくらい強いんだろうな?」
「さぁ?すげぇ強いんじゃない?」
「楽しみだな。俺も教えてもらおうかな?」
「そう。俺はパスだね。」
やっぱ厳しそうだからな。
まったく兄貴は武術が好きだな。
大学のサークルも総合武術部の部長やってるし。
「さっ、飯食いにいくぞ。イズミ」
そうして俺たちは道場を後にした。