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昨今、VRのゲームが多く出回るようになって『そろそろアニメみたいに直接ゲームに入るタイプのゲームも出てくるのでは・・・?」という噂が多く聞こえるようになりました。
そんな20XX年のある日、ついに意識をゲームに直接飛ばせるVRMMOが発売されました。
『グランヘイムの秘宝』。1から100に渡る階層を攻略し、最深部に眠る秘宝を手にすることを最終目的としたゲームらしいです。前情報はこんなかんじです。そう、これしか公開されていないのです。
そして、今日発表された情報に発売後のプレイを心待ちにしていた人たちは驚愕しました。
普通、こういったゲームは事前にテスターを募集して最終確認を行うものです。実際開発元はこれを行うと告知し、そのこと自体には誰も異議はありませんでした。ですが、その後が問題でした。
順を追って説明します。まず一つ目はその人数。こういったテスターの募集人数は多くても1000人が妥当です。しかし、今回開発元が募集した人数はなんと100万人。説明会に赴いた者たちがざわつく中、さらなる火種を投下しました。
これが二つ目です。『このゲームは発売されることはない』という発言です。やはり一般家庭に収まるサイズに縮小することが難しいらしく、巨大サーバーを有する開発本社でプレイし完結させるというのが本社の考えらしいです。それってテスターじゃないじゃん。まあ、発売元は『テスター』と一度も発言しなかったのはそういうことかと思いましたが・・・。
最後、三つ目。なんと、このゲームを三年以内にクリアできれば賞金が出るらしいです。そんなんで本社は得するのかという声も聞こえますが、動画配信サイトで生放送とかするみたいです。やってる人からしたらたまったものじゃないですね。
補足として、このゲームの体感時間は現実より大幅に長いらしく、ゲーム内の一年は現実の一週間ほどらしいです。便利ですね。色々な意味で。あと、五回戦闘不能なったプレイヤーはゲームから強制離脱させられるらしいです。途中、現実に戻る機会はありますが、基本的にはゲームの中で三年をすごします。
それでも、応募人数は500万人を突破しました。そりゃあ、ゲーマーなら誰でも応募するでしょうしねえ・・・私も応募しましたし・・・。
とはいえ、アイテムやスキル、職業に関して一切の説明がないのはどうなんですかね・・・。最初の一か月は情報交換だけで終わりそうですねえ。まあ、それを自分たちで解き明かすのも醍醐味でしょう。
大方、こんなところです。・・・・・応募、通るといいなあ。