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トレース・ファンタジー  作者: 青の剣士
第2章 エルフの国がピンチみたいです
33/40

ハーネライム

久々の投稿です。

最近思ったよりも忙しく、中々投稿できない日が続いておりました。

怖いですね、ポ◯モンサ◯ム◯ン………

私もハマってしまいました。

これからも細々と続けていければと思っております。


エルフの女性(毒舌癖がある)の作ったワープホールに飛び込む事で、俺達は無事(?)にエルフ領の中心、「ハーネライム」に到着した。


しかし、まさかワープする事になるとは……異世界の凄さを思い知った。

今はエルフの女性、ってこの呼び方面倒くさいな。最初に会ったエルフ(シグレは除く)だから1号とでも呼ぶか。その1号に案内され、エルフの代表の家まで案内されている所だ。


余談だが、エルフ族は人族の様な大きな城は建てないみたいだ。プライドの高いエルフなら城の一つや二つ建てると思っていたんだが、仲間内では身分をひけらかす様な事は集団の和を乱す原因になるとかで禁止されているのだそうだ。

ちなみにこの情報はティアが1号に聞いたものを横で盗み聞きしたものだ。だって俺が聞いても全部無視するし………


「所であれ(・・)は道の隅っこにしゃがんで何をやってるんだ?」


「最近分かった事なのですが、ユウトは自分の扱いを雑にされるとああして隅っこでいじけるんです。恐らく絵でも書いてるんだと思います」


「激しく気持ち悪いな……」


聞こえてるぞ1号。まぁいい。こうなったらこの場に芸術を残してやる!

決断したら後は早い。すぐさま構想を練って指で地面に絵を描き始める。


それから数分後、痺れを切らした1号が俺を呼びに来た。


「おい、いつまでそうしてるつもりだ。さっさと––––」


そこまで言って1号は急に黙り込んでしまった。


「なんだ?やっと謝りに来たか。まぁ誠心誠意謝ればさっきまでの無礼も無かったことにしてやらん事も–––––」


「………なんだ、これは?」


そこに描かれていたのは、みんな大好きカレーだった。


「あれ、知らない?カレーって言うんだけど、これがめちゃくちゃ美味くてさ!」


「それはそれで興味深いんだが、そうじゃなくてだな……」


「ん?どういう事?」


言ってる意味が分からずに周りを見てみると、どこから現れたのか人が集まっていた。


「何これ!美味しそ〜!!」

「なぁなぁこれなんて言うんだ!」

「なんかこれ見たら腹減ってきた………」

「お前さっき豆ご飯5杯食ったばっかだろ……」


ガヤガヤと騒がしくなってくる。ざっと20人位だろうか。


「な、なんだ!?」


「とにかく、この場から離れるぞ!」


1号に連れられて俺達はその場を後にした


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


「まさか絵を描いただけであんなに人が集まるなんて思わなかったな」


「私はあんな所で突然絵を描き始める事に驚いたぞ……しかも地味に上手いし……」


「食欲をそそられるね」


「まさか、内に秘められていた才能が開花したとか!?」


「「それは無い」」


「容赦無いのね君達……」


君達が日頃俺をどう見てるのかが分かった気がする。一人は出会って間もないが。


「さて、バカな話はこのくらいにして、さっさと族長に挨拶に行かなくてはな。どっかの誰かの所為で余計な足止めを喰らったし」


「そうだな、その誰かさんにはきっちりと謝罪して欲しいもんだな。俺達の前で裸踊りでもして貰おうか」


「勿論貴様の事だと分かって言ってるんだよな?」


「いやいやご冗談を………………え?マジ?」


「自覚なかったのか!?」


「はぁ……」


ティアの呆れた様な溜息が聞こえた様な気がした。


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


それから歩いて数分後、俺達はようやく目的の場所へと到着した。見た目は元の世界で見たことのある木造建築の一軒家と変わりない。周りの家もこの様な形の家ばかりだ。しかしこの家からは、思わず足を止めてしまうほどの空気の重さを感じる。これが1種族のトップの威厳って奴か。


「やっと着いたな」


「なんか凄い疲れた………」


「申し訳ない。本当は歩いて10分程で着くのだが………」


俺達が到着したのはエルフ領に来てから40分後。30分のロスだ。


「しっかりしてくれよ道案内」


「主に貴様の所為なんだがな………!」


親の仇を見る様な目で見られる。勘弁して貰いたいもんだ。どうしてそこまで俺を目の敵にするのか。


「ユウトの自業自得だと思う」


「まぁ、そうか。なんかああいう奴を見てるとついからかいたくなっちゃうんだよな」


「それは何となく分かる気がする。シグレも何だか似た様な雰囲気だし」


「エルフって言うのはみんなこういった奴ばっかりなのかね?」


だとしたらかなり面白い種族だな。俺好きになれそう。


「とりあえず、さっさと入ってくれ。時間が押している」


「あぁ」


俺達はゆっくりと家の中へと入った。


最初に目に入ってきたのは長机と、椅子が8つ。どうやら玄関とリビングが直接繋がっている作りらしい。


そして長机の一番奥に座りこちらを見つめる一人の男性。中肉中背で、年は俺よりも少し上くらいか。族長と言うくらいだからかなり髭もじゃの老人を想像していたのだが違ったみたいだ。


緑色の髪は短く整えられ、健康的な外見をしている。さらに水色の瞳はこちらを隅々まで見通しているかの様な錯覚さえ覚える。何よりもかなり容姿が整っており10人に10人はイケメンと答えるだろう。


その族長は俺達を見ると、微笑んで言った。


「ようこそ"ハーネライム"へ。私は『リトラ』と申します。どうぞお見知りおきを」


「ユ、ユウトです。こちらこそ」


「ティアです」


慌てて俺も自己紹介をする。


「ユノ、彼らにお茶を出してくれないか?あぁお二人共、どうぞ椅子にお掛け下さい」


「あ、ありがとうございます」


お言葉に甘えて腰を下ろすことにする。あ、この椅子座り心地いいな。

と言うか、1号の名前はユノっていうのか。


「まずは、私の娘を助けて頂いてありがとうございました」


「娘?」


妹かなんかの間違いじゃないのか?


「まぁそんな反応をされると思いました。人族の方々よりも私達は長命ですから、身体が老いるスピードもかなり遅いんです。さらに、力が強ければもっと遅くなるんです」


なるほど、そういう事か。


「こう見えても私、今年で254歳になるんです」


「まだまだお若いですね。254歳なんて–––––––254!?!!??」


「落ち着いてユウト!顔が表現しづらい事になってるから!」


「あはははは!!!貴方達はとても面白い方々なのですね」


「という事は、シグレも……」


「あぁ、シグレはそこまで年はとってませんよ?」


そうなのか、ちょっと安心した。これで俺よりも年上だったら頭が上がらなくなるところだったぜ。


「せいぜい70歳程です」


「十分年上だわ……」


そっか……シグレは俺の爺ちゃんと同い年か。これからはシグレさんとでも呼ぶかな。


「まぁその話はひとまず置いときまして、本題と入りましょうか」


そう言うとリトラさんは、1回深呼吸をしてから俺に言った。


「俺の愛しの愛娘に手ぇ出しやがって。覚悟は出来てるんだろうな、小僧?」


………………え?


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