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トレース・ファンタジー  作者: 青の剣士
第1章 俺は異世界にはお呼びじゃ無いらしいです
30/40

新たな旅立ち

やっと更新できました。物語を進めなくてはと思ってしまい、展開が早く、内容が浅くなってしまう事に悩んでいる、青の剣士です。


書いては消し、書いては消しを繰り返す日々。そうしても中々幼稚な文章は治らず、悩みに悩んでます。


今はとにかく質より量をモットーに頑張りたいです(量も書いてるとは言えませんが………)。

宿屋での一件以来何か変化があるという訳でもなく、俺達はいつも通りの日常を過ごしていた。クエストを受けたり、街をぶらぶらしたり、時には宿で一日中寝てた時もある。


魔王が出たって結局何ら変わりは無い。もしかしたら魔王だって惰眠を貪ってる可能性さえある。

まったく、人族の皇族はどんだけ憶病なんだって話だ。俺みたいに昼間っからゴロゴロする位の余裕を持っても良いんじゃないだろうか。


そう、俺は今、この世界に来て初めてゆっくりした時間を満喫していた。偶にはこういった時間も悪くはない。と言うか良い。


大体、短期間で俺はどれだけ死にそうになれば気が済むんだ。元の世界(あっち)然り、緊急クエスト然り、誘拐騒ぎ然り、世界はもっと俺に優しくなるべきだ!


さて、俺の愚痴はこの辺にして本題に入ろう。俺は今、自分で借りた宿の一室にいる。そこにはベッドがあり惰眠を貪るには絶好の場所なのだ。


ここ最近大きなクエストを成功させた報酬としてかなりの貯蓄があるので、俺、ティア、シグレの三人は一人一部屋ずつ借りている状態だ。つまり今この部屋には俺しかいない。

そのはずなんだが–––––––


「ん………」


あれから一週間、朝起きると隣でティアが寝ていると言う状態が続いている。

最初はかなり焦ったが、一週間経った今はもう驚かない。と言うかこの状況を受け入れ始めている俺が怖い……


「ティア、もう昼だぞ?そろそろ起きないと」


「……いや………もうちょっと…………」


「今日もクエストの手伝いに呼ばれてるんじゃ無かったのか?」


「…………」


渋々起き上がるティア。ここ一週間で分かったことだが、ティアは朝が物凄く弱い。何か用事がない限りずっと寝ている気がする。

今までは一人で起きてた筈なんだが、一体どうしていたのか。


とはいえ、寝坊して人様のパーティーに迷惑をかけるわけにはいかない。


「ほら、目を覚ますために顔洗ってこい」


「…………うん」


ティアは、おぼつかない足取りで部屋を出ていく。一抹の不安を覚えながら、俺はティアを見送ったのだった。


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


シグレの誘拐事件の後、アルトニカ城下町ではちょっとした情報が出回っていた。

それは、「城下町の付近にある森のヌシを単独で撃破したEランク冒険者の獣人がいる」というものだ。


Bランクの冒険者が集まったパーティーでも倒す事が困難な化物を単独で撃破するというその偉業は瞬く間に町中に広まり、それ以来、戦力を手に入れようとする冒険者達がティアの元へと殺到した。


中には大金を積むものまで現れたが、ティアはそのことごとくをあしらった。

しかし、誰もが自分達よりも高ランクの冒険者達だ。彼らと行動を共にクエストに挑む事で得られる経験値は膨大なものになる。


そう考えた俺はティアに、"クエストを手伝う"という形で行動を共にし、経験を積んでみてはどうかと提案した。

ティアは何か思う所があったのか暫く考えていたが、それを了承し今に至っている。


勿論俺も参加したかったので、ティアと一緒に依頼を受けた冒険者の元へと行ってみたのだが、ランクが低すぎるだの足手まといだのと言われ、行動を共にする事は出来なかった。


クエストの手伝いを引き受けたティアの人気は凄く、一躍時の人となった。

まぁ、容姿端麗、実力もある、とくれば目を惹かない筈がない。

今日も今日とてティアは何処かのパーティーの手伝いをしているのだろう。


さて、その間俺は何をしているのかというと、相変わらずシグレと共にクエストを行っている。


驚かないで聞いてほしい。この一週間でなんと、シグレが魔法を覚えたのだ!脳筋と言うには力が圧倒的に足らず、インテリと言うには全く頭を使わないあのシグレがだ。


クエストの後、毎回どこかに行ってるなとは思っていたが、魔法を習得しているとは思わなかった。

シグレ曰く、師匠がいるらしい。偶々町を歩いていたら会ったのだとか。

俺も魔法を使ってみたかったので、シグレに教えて貰おうと思ったのだが………


「よいか?こう、ばーっと燃える炎をぎゅっと押し込めてドンっと放つ感じじゃ」


みんなは分かったか?俺はさっぱり分からない。炎系の魔法なのは分かるが、"ばーっ"とか"ぎゅっ"とか"ドンっ"とか、とにかく擬音が多すぎる。


「こうか?」


「違う!もっとこう、がばっとして、ぎゅっとしてから、ドシャっという感じじゃ」


さっきと言ってる事が違うんですが………


結局シグレに教えて貰って分かった事は無かった。

今度シグレの師匠さんにお礼を言うついでに教えて貰うことにしよう


––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––


そんな感じで毎日を過ごしていた俺達に突如ギルドから召集がかかった。

自分からギルドに向かうという事はよくあるが、ギルドから召集がかかるという事は初めてだったのでかなり緊張してしまう。


俺達三人は、ギルドの二階にあるギルドマスターの元へと通された。

奥の椅子に座るコガラシさんの表情は、どこか険しいものだった。


「それで、俺達に何の用でしょうか?」


「至急向かって頂きたい所があります」


「それは一体………」


「ここの南に位置する森、そこを抜けた先にあるエルフ領です」


エルフ領?またどうしてそんなところに?

疑問に思ったが、ギルドマスターの顔を見る限り楽観視出来る案件じゃ無さそうだ。


「エルフ領にある一つの村が、魔物によって壊滅させられたそうです」



––––––物語が動き出そうとしていた。

色々突っ込み所満載だったと思います。

日常系かと思ったらいきなり話進んだとか、シグレいつの間に魔法覚えたんだよとか、ティアと一緒に寝てんじゃねぇ!とか、そういった事を言いたくなる気持ちも分かります。


後半部分の詳しい話は、後々閑話として書きたいと考えていますので、よろしくお願いします。


次回からは第2章に入っていきたいと思います。

ついにユウトが魔王を倒す旅に出る、かも………?


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