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こんばんわ、初めまして。オケラ君と申します。

ゆっくりとした更新になると思いますがよろしくお願いします!

そこは道も整備されていない、自然溢れる村。



とはいえ、のどかかと問われればそうではない。



村の周りは何度も何度も修繕を重ねた木製壁で囲まれていて、壁から突き出る木の杭は物々しい。



……突然村中に鐘の音が響き渡る。



畑仕事をしていた村人達は鐘の音を聞くと自分の家に急いで戻り、武器を持つと村の中心に集まり始めた。


村人達の中には僅かな恐怖心が顔に現れている者もいるが、この状況には慣れているらしく、取り乱すような者はいない。



「敵の種類と数は確認できるか?」



村人の一人が櫓の上に立つ見張りに向かってそう問い掛ける。



「オークだ、あれは多分先遣隊だな。数は六体だがまだ増えそうだ」



櫓の上に立つ男は望遠鏡でもう一度、攻めて来る魔物の種類を確認すると下にいる者達に魔物の情報を伝える。


「オークか、どうせなら肉が旨い魔物が攻めてくればいいんだがな。

奴等は豚に似ているが、肉は食えた物じゃない」



村人の一人がそう言うと他の者達は笑い、オークが攻めて来ると伝えられた方向に向かう。



男達が村を囲う木の門の近くにある木の柵の後ろでオークを待ち構えていると、前方から複数の足音が聞こえてきた。



「多いな、これはゴブリンも襲撃して来る魔物達の中に混じってる可能性があるぞ」


村人がそう言ったのと丁度同じタイミングで、森の木々の中からオークが村に向かって突撃して来た。



オークはイノシシとゴリラが合わさったような外見をしており、見た目通り知能は高くない。



しかし、槍や棍棒を装備する程度の知能はあり、ゴブリンと共生するようになると、ゴブリンが作製した武具を装備するようになる。


オークは人の数倍の筋力を有し、分厚い皮膚は平凡な鉄剣では通常ならば傷つける事は出来ない。



そして、村を防衛しようとしている村人達はあくまでも農民であり、兵士ではない。


普通ならばオーク達には太刀打ち出来ず、村は蹂躙される筈だ。


しかし、村人達の顔には焦燥感は表れてはいない。


「ウェポン」



村人の一人がそう呟くと、呟いた男の手に一振りのナイフが出現した。



そのナイフはそれほど派手な装飾をされている訳ではなく、普通の鉄製のありふれたナイフのように見える。


男はそのナイフを逆手に握ると、他に武器も持たずにオークの群れに突撃した。


その走る速さは信じられない程速く、直ぐにオークとの距離は縮まった。



オークの数は先遣隊に追いついたオークによって、どんどん数を増やしている。


しかもそれだけではなく、オークの中には緑色の肌を持つ小柄な体格の醜悪な小人のような生物も混じっていた。



尖り、黄ばんだ歯を持ち唸り声を上げる魔物の名前はゴブリン。



オークに比べると格段に頭が良い生き物で、ゴブリンは自ら作製したクロスボウを構え、ナイフを持って突貫して来る村人に向かって引き金を引いた。



ナイフを持った村人は、素早く飛来するクロスボウのボルトを回避すると、村人に向かって振るわれたオークの腕を切断した。



一瞬間を空け、オークは自らの切り裂かれた腕の断面を見て絶叫する。



オークの腕は銅製の籠手で覆われており、まさかそれを斬られるとは思っていなかったのだろう。



絶叫するオークは次の瞬間、巨大な狼の鉤爪によって引き裂かれた。



巨大な狼に向かってクロスボウをゴブリンは直ぐに放つが、硬い毛皮と頑強な狼の筋肉がボルトの侵入を阻み、ボルトは狼に刺さる事なく地面に落下する。



ゴブリンは直ぐに狼によって逆襲され、ろくな抵抗も出来ずにその鉤爪によって先程のオークと同じ末路を辿った。



実は、この巨大な狼は村を防衛している村人の一人であり、魔物に対して圧倒的な強さを見せているが、特殊な訓練を受けた訳では無い。


一本のナイフを出現させ、オークの喉元を次々と切り裂いていく男も同様だ。



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