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歯がぐらぐら

 子供の九藤は既に立派にいやしんぼでした。

 よそさまのお宅のぐみの実が、道に出て赤く誘惑するのに勝てず喰いちらかした前科などがございます。甘くて美味しかったです。ごめんなさい。


 ある日、友達と道を歩いておりましたならば。


 「確かあれは食べられる野草だとかなんかで言ってた」記憶のある、太い茎を持った雑草が生えていました。

 セイタカアワダチソウぽい姿のそれを、幼き日の九藤は確かにそう認識していたのです。

「あれはね、茎を噛むと甘酸っぱいんだよ!」

 友達にそう言いました。

 その子は半信半疑の顔でした。無理もない。

 そこで九藤は率先して、その太い茎にがぶり、と喰らいつきました。

 口の中で「ぐきっ」みたいな音がしました。


 全然、美味しくありませんでした。


 家に帰ると歯が一本、ぐらぐら揺らいでおりました。

 事の次第を家族に話しました。

 とっても呆れられました。

 しばらくの間、親からは「雑草に喰いついた子」と言われました。

 事実なのですから否定できません。

 多分、もうちょっと赤くなった茎だったら大丈夫、いけたんじゃない?とか性懲りも無くまだ九藤は思ったりしてました。


 セイタカアワダチソウは食用ではないと思います。

 だが「食べてよし」と書かれたサイトも見つけました。

 でも九藤の経験からは、あまり、お薦めはいたしません。

 特に茎が青々しいのにかじりついてはいけません。

 歯を大切にしましょう。



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