花瓶を割った
花瓶を割った
当初は「割れた花瓶」のタイトルでお送りしようかと思いましたが、その表現ではあたかも花瓶がひとりでに割れたようですので、自責の念を込めて「花瓶を割った」といたしました。
本日二話、お話をアップした九藤は自分を褒めてやりたい気分満々で得意になって、パソコンをいじっておりました。
そして軽く左脚を前方に動かしました。
カラン、という軽い音。
その時はまだ、机の下に置いていた花瓶が転がったかな、くらいの認識でした。
この時点で既に九藤がいかにその、有田焼のお高い花瓶をないがしろにしていたかが明白です。
そして足元を覗き込み、現状を確認すると、花瓶にはしっかりひびが走り、見事に割れていました。
花瓶さん、ごめんなさい。
「うちで一番、高い花瓶だったのに」
そう家人にため息交じりに言われました。
悪気はなかったんだ…。
だけど注意力もなかった。
あまつさえ九藤は、「ああ、これがムーミンのカップでなくて良かった」と思いました。
恥知らずです。
挿絵写真はムーミンのカップです。
なぜ花瓶でないかと言えば、花瓶は既に燃えないゴミのポリバケツに入っているからなのです。
ごめんなさい。本当に反省しています。




