白頁のレミット
ここは、某県某大学。カウンセラー見習いとして働いていた鎚葉時海の元に、上司である日野居からひとつの通達がなされる。近隣の実大瀬南中学校に赴いて子供達との相談役を担え、という何の変哲も無い仕事のはずだった。その中学校では二年四組の女生徒が不審な死を遂げたという事でマスコミに取りざたされ、疲弊しきった生徒達の姿があった。時海が日野居とその仕事をこなしていたある時、相葉一という頭脳明晰な一人の生徒と会話し、彼は強烈な印象を残して去っていく。また一方で時海自身は、中学時代に幾度か話したことのある羽嶋修二という男と再会し、昔話に花を咲かせていたが、彼女が漏らした中学の話に、羽嶋も興味を持つようになり、終わった事件を解決しようとする羽嶋に不思議な感情を抱き始める。だが彼女はこの後、現代の中学生を取り巻く環境と、そして悲しい事件の真相に向き合っていくこととなる……