21世紀初頭の自由民主党
◆基本的に、政治的な文章は、ネットで公開する場合、無用な議論を引き起こすことが多いように思う。
インターネット上で有益な議論はあまりできず、やはり面と向かって思いやりをもって話さなくては意味のある話はできない、というか、ネット上だと、顔を合わしていればそこまでこじれることがないレベルにまで話がこじれるんじゃないかという気もする。
でも、おだやかに話すこともできるかもしれないし、とりあえず備忘録的にでも、書いておく価値はあると思った。
◆分析
自由民主党は1955年の結党以来、ある二つの大きな原則に従って動いている。
1.親米(アメリカとは仲良くやっていく、アメリカには基本的に従う)
2.資本主義(共産主義はもちろんのこと、社会民主主義的な経済政策にも反対する傾向)
1について。
日本が独自の路線を歩むということを、自民党は目指していないように思う。
むしろ、アメリカと一緒に動くことを目的としているだろう。
だから、大日本帝国の再来(日本が海外の国と協調路線を取らずに自分の意志を通す)ようなことは起こらないだろう。
かわりに、アメリカの戦争に駆り出されて、反米の国や組織から「敵」として認定される可能性はあるだろう。
集団的自衛権について、アメリカのコメント。やはり、アメリカもこれを承認している。
おそらく、増えてゆく軍事費の負担を減らすため、アジアの兵力維持にかかるコストを下げる狙いがあるのではないか?
米国ホワイトハウス・ローズ大統領副補佐官は「ホワイトハウスは日本の集団的自衛権に関する発表を歓迎する」とコメント。(http://jcc.jp/news/w_v/4277420/)
米国・ヘーゲル国防長官は声明で「日本が地域と世界の安全と平和に貢献するための重要なステップになる」と評価。
大統領の副補佐官によると「オバマ大統領も安倍総理大臣の政策を支持している」という。(http://jcc.jp/news/8497078/)
この話については、「集団的自衛権容認」を主張する連中は、実はウヨクのふりした売国奴では?
という2006年(!)の記事が面白い。http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/f8aab2415c0d518792fc9b121f3c1c99
2について。
もともと、冷戦時代、日本は共産主義に対する防波堤のひとつだった。
冷戦のときには、国民が貧しくて不満を持つと共産主義に走ると思われたため、社会民主主義的経済政策、すなわち、格差を減らして所得の再分配をする政策もとっていたが、冷戦で資本主義陣営が勝利した21世紀、貧乏人に気を遣う必要がなくなったように思っているのではないか。
そのため、新自由主義と呼ばれる政策がとられてきている。
要するに、これは、レッセフェール経済政策である。国家は格差の縮小はしないし、貧者への救済もしないし、経済には介入せずに放っておけばうまくいうという考えだ。
現在の自民党はこの路線を取っている。
法人税の引き下げ、生活保護の切り詰め、消費税の引き上げ、移民を導入することに対する肯定的な考え、これはすべて、政府は経済に介入せず、ただ資本主義が働くにまかせればうまくいくという考えに由来する。
◆論考
1について。基本的に、親米路線は安全なやり方に思える。
世界最強国家とわざわざ戦う必要はないだろう。
しかし、なんでも言うことを聞くのは日本人の生活を壊しかねない(なぜならアメリカ人はともかくアメリカ政府は日本人のことを気に掛けるとは限らないから)。
そして、ぼくは、自民党はアメリカの言うことを聞きすぎると思っている。
集団的自衛権については、反対だ。
今の憲法のままでも、日本を守ることはできる。個別的自衛権はあるとされているからだ。
集団的自衛権をもってきても、アメリカの戦争に駆り出される可能性があり、日本人が死ぬ可能性がある点で、やめたほうがいいと思う。
2について。みんなが生きていける、餓死しない国がいい国だと思うから、弱者を見捨てる経済政策は反対。