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狂気

作者: 空乃海

未熟者で文章が下手ですが読んでいただければ嬉しいです。

兄貴はいつも俺の憧れだった。頭がよくて優しくて頼れる存在だった。よくあんな風になりたいと思ったものだった。しかしその兄貴は狂ってしまった。

大学に入って兄貴に彼女が出来たのはおどろきだった。なぜなら兄貴は恋愛にだけは不器用なのである。だから兄貴からかなりかわいい彼女を紹介された時俺はかなりとまどった。彼女は時々家に遊びに来た。いつも兄貴の部屋に二人で引きこもってなにをしているのか判らなかったが予想は出来た。


そして兄貴に彼女ができてから兄貴は色々と彼女にプレゼントするようになった。それもブランド物など高価な物ばかりだった。俺はすぐに貢がされている事に気がついた。その時点で兄貴を別れるように説得しておくべきだったのかもしれない。しかし俺はこの時高校受験の真っ最中で自分の事で精一杯だった。


それからさらにしばらく経った後、ちょうど俺の受験の合格発表があった日である。俺は合格して嬉しい気分で家に帰った。家では母さんがとても喜んでお祝いしようと言った。兄貴にも合格した事を言おうと思ったが家に居なかったので帰って来るまで待つことになった。だが兄貴はこの日家に帰ってこず兄貴抜きでお祝いする事になった。

夜中にドアのしたので兄貴が帰ってきたのだと思って玄関まで迎えにいった。その時兄貴は一目で酔っ払っているのが判った。兄貴はアルコールにはとことん弱いはずであった。それに今までこんなに酔っ払って帰ってくる事はなかった。

「おかえり兄貴。俺、今日合格してたよ。」

俺はおめでとうと言われるものだった思っていた。しかし兄貴は俺を殴り飛ばした。俺は訳が分からず痛みは兄貴が部屋にはいっていったあとに来た。不思議と怒りは起こらなかった。それよりも疑問の方が強かった。しかしそれは始まりでしかなかった。


兄貴が彼女に振られた事はそのあとすぐにわかった。やはりあの彼女は兄貴に貢がせるためにだけに付き合っていたらしかった。そして兄貴からもう何も取れないとわかると別れを持ち出したのだ。


あの日から兄貴は変わってしまった。まるで別人のように部屋にこもって酒ばかり飲むようになった。さらに時々兄貴は俺や母さんに暴力を振るった。そしてついに兄貴は首を吊って自殺した。「それから俺はどうも女が信じられなくなったんだ。」

俺はとなりの女を見た。女は困惑した表情だった。

「それは今も?」

「いや。最近やっと信頼できる女性に出会えた気がするよ。」

「あら、それは誰の事かしら?」

「さあね。」

「…意地悪。」

女はそう言うと肩にもたれかかってきた。俺はホテルの鍵を見せていった。

「部屋をとってあるんだけど来ない?」

女はこちらを向くと

「行く。」といった。それから俺らは部屋へと向かった。女はこのあとに起こることなど微塵もわからなかっただろう。自分が殺されようしていることなど…。


実際俺は女が信じられない。しかしこの女だけは考えていることが理解できた。だから信頼できると言った事も嘘ではなかった。もし信頼できる条件が相手の事が理解出来る事ならこの女以上に理解できる女はいないであろう。兄貴を殺したこの女以上には………。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「疾走」という作品によく似ていると思います(多少ひぐらし風味が…)。  文章に句点を入れたりして強弱を付けてみると、もっと素晴らしい文になるかもしれないし、逆かもしれませんが、試してみる価値…
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